〝アリウス〟潰すゾ!!!   作:あば茶

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〝サンクトゥム〟攻略すんゾ!!!

 

 

 

「リンちゃん、各隊の準備は?」

 

「誰がリンちゃんですか………順調に進んでいます、例のエネルギーも異常反応はありません」

 

「そっか、ありがとね」

 

「まあ、といってもこの状況自体が異常なんだけどね………あ、そうそう、こっちも観測準備できてるよー」

 

「こ、こちらの方も配置完了しました!補給部隊、いつでも動けます!」

 

「うん、モモカとアユムもありがとう………さて、後は待つだけか……」

 

「うーん……こんな警戒する必要あるのかなぁ……?もしこれで〝ただの勘違いでした〟なんて言ったら、ただでさえ信用の無い連邦生徒会の評判がもっと悪くなっちゃうんじゃないの?やっぱり今か……ら………でも………?」

 

「……モモカ?どうかしたの?」

 

「……え?嘘?エネルギー反応が急激に───ヤバいヤバいヤバい!これって、まさか本当に────」

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

【……酒泉、貴方には私と王女を護るように命じたはずですが?】

 

「酒泉はゲヘナ学園の生徒よ、こっち側にいるのは当然のこと」

 

 

間に酒泉を挟みながら鋭い目で睨み合うヒナとケイ

 

そして肝心の酒泉は真ん中でプルプルと震えている

 

 

【でしたら指揮権を此方に譲渡してください、それで全て解決しますので】

「どうせ合同作戦なんだからその必要はないでしょ、貴女達と一緒に行動するならわざわざ指揮権を渡す必要はない」

 

「アリス!酒泉と一緒に戦いたいです!」

 

「……切り替わっても無駄よ、私の答えは変わらない」

 

 

まだ敵すら出現していないのに仲間割れが始まりそうになるが、それを酒泉とゲーム開発部が必死に止める

 

 

「ケ、ケイちゃんもアリスちゃんも落ち着いて……?」

 

「そうだよ!どっちにしても同じ空間で戦うことに変わりはないから!」

 

「嫌です!同じチームと同じパーティーじゃ話が違います!アリス、譲れません!」

 

【私はどちらでも構いませんが、王女がそう望んでいますので………】

 

「そーだそーだー!酒泉を渡せー!」

 

「お姉ちゃんは話をややこしくしないでっ!」

 

「ぴえっ……ごめんなさい……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……なんだか大変なことになってますね」

 

「あまり関わらない方が良さそうだな……」

 

 

彼女達と同じく今回の合同作戦に参加するRABBIT小隊のメンバー、ミヤコとサキは少々離れた場所からヒナ達を眺める

 

一見すると戦闘前なのにも関わらず気が抜けているように見えるが、その佇まいからは全く隙を感じさせない

「それにしても……噂通りですね」

 

「だな、流石はゲヘナ最強の生徒………こうして見てるだけでも他との違いが分かる」

 

「まあ、味方に居てくれるなら心強いよね、こっちの火薬も温存できそうだし」

 

「………ちなみに温存した火薬は?」

 

「最後に纏めてぶっぱなすけど?」

 

「結局使い方は変わらないんですね……」

 

「今回の作戦は他校の奴等だっているんだからな……頼むぞ?」

 

「冗談だって!も~……」

 

 

モエの平常運転っぷりに二人が心配そうな視線をぶつけるが、当の本人はヘラヘラと笑って返す

 

「……さて、そろそろ作戦会議を始めましょうか、各々の立ち回りも再確認しておきたいですし」

 

「だな……おーい!そろそろ良いかー?」

 

「……もう時間だから、この話はこれで終わり」

 

【……折川酒泉、王女を悲しませたことを後悔しなさい】

 

だが私は謝ら────いや、本当すいませんでした、はい

 

「何か悪いことしたな………まあ、何時までも痴話喧嘩を眺めてる訳にもいかないしな」

 

「ですね……では、皆集まったようですし、これより今後の立ち回りや緊急時の対応について話を────」

 

……あの、月雪さん

 

「────はい?なんでしょうか?」

 

あの人は良いんですか?

 

「……あの人?」

 

ほら、あそこの────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────物陰で落ち込んでいる霞沢さんとか……

 

「あっ……し、失礼しました!」

 

「……よく分かったな」

 

まあ、よく〝視える〟んで……

 

「わ、私のことが見えるんですか……?や、やった……!嬉しい……!」

 

なんか〝現世に留まっている成仏できない幽霊〟みたいなこと言い出した……

 

 

 

 

 

──────────

 

────────

 

──────

 

 

 

 

 

「……それなら三チームに別れて敵戦力を分散させた方がいい」

 

「その方が全員敵に囲まれるリスクも抑えられますからね………で、ここからは予定通り先行部隊と合流して……」

 

「……なあ、作戦会議中に悪いんだけど、少しいいか?」

 

 

おずおずと手を上げるサキ、そんな彼女の視線は背後に向いていた

 

 

「そのロボット……なんだ?」

 

 

サキが指差す先には奇妙なデザインをしたロボットが待機していた

 

「突っ込みづらかったからずっと黙ってたけどさ……そろそろ教えてくれないか?」

 

「た、確かに……ちょっとデザインが変なのも気になるし……」

 

「なんか……顔の部分だけ違和感が────」

 

 

『説明しましょうっ!!!』

 

 

突如、謎のロボットの頭部からモニターが空中に投影され、そこに一人の少女の顔が現れる

 

 

「なっ……だ、誰ですか!?」

 

あれ?豊見さん?確かエンジニア部って調月さんや明星さんと一緒に〝船〟に備えて準備してたんじゃ……

 

『何やら説明や解説が必要そうな空気を感じ取り、緊急で連絡を取りました!』

 

「なんだその空気……」

 

 

事前に謎のロボットの説明を受けていたゲーム開発部以外のその場に居る全員から視線を向けられるが、そんな事などお構い無しにコトリは一人で喋り始める

 

 

 

『このロボットはアバンギャルド君………の開発者本人から力をお借りして強化改造を施した機体です!その結果、有人型ではありますが当初の開発予定であった〝アバンギャルド君Mk.3〟すらも上回る性能を手に入れました!』

 

「あ、アバンギャルド君……?変わった名前だな……」

 

『今のところエネルギー反応元からは何も出現していませんが、念の為にと元会長が配備してくれることになりました!遠隔型ビーム発射装置に戦闘演算能力!更には近接戦闘用サーベルに電子妨害対策まで!その名も────』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『〝Hi-νフルアーマーアバンギャルド君チェストブレイク・パーフェクトパック装着機〟です!』

 

 

 

 

 

 

 

「……ごめん、なんて?」

 

『ですから、〝Hi-νフルアーマーアバンギャルド君チェストブレイク・パーフェクトパック装着機〟です!』

 

「……アバンギャルド君でいいか?」

 

 

 

正式名称で呼ぶのが面倒になったサキは殆どの部分を切り捨ててしまう

 

全員がポカンとしている中、酒泉だけが目を輝かせていた

 

 

 

「……酒泉?どうしたの?」

 

───そ、空崎さん、ゲヘナにも戦闘用ロボット欲しくないですか?ほら、それさえあれば暴徒の制圧も楽になりますし……

 

「……酒泉が乗りたいだけじゃないの?」

 

い、いや……そんな事はないですけど?でも、ほら……あっても損はないですし……ねえ?

 

【……折川酒泉、ミレニアムならいつでも触れることができますよ】

 

えっ!?

 

「酒泉」

 

────って思ったけど、やっぱり生身のままでも十分戦えるし、必要ないかなぁ……は、ははは……

 

 

 

「……えっと、とりあえず戦力になってくれるのならばありがたいです。ところで、先程〝有人型〟と言っていましたが、これには誰が搭乗────」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『各エリアの実働部隊に連絡!エネルギー反応に異常あり!各員警戒をっ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

ミヤコの声を遮るように通信機から声が響く

 

瞬間、全員が武器を構えてエネルギー地の方を警戒する

 

 

「え?なになに?何が起きてるの?」

 

「先生の言っていた通り〝不測の事態〟が始まってしまったようですね………各員、配置へ!」

 

「アリス、知ってます!これが酒泉の言ってたレイドボスイベントですね!」

 

【……王女よ、私達の戦いは敵を倒してからが本番だという事をお忘れなく】

 

 

 

空を見上げると、さっきまで酒泉達を見守ってくれていた青空が瞬く間に赤色に染め上げられていく

 

ヒナが双眼鏡を覗いてみると、前方に赤い塔のようなものが出現している

 

 

「な、なんかヤバそうだしさ……先に爆弾ぶっこんで先制攻撃仕掛けない?良いでしょ?」

 

「……モエ、お前が派手に壊したいだけだろ」

 

「次のゲームのボスステージに使えるかも……どう?ミドリ」

 

「………まずは生きて帰ることを考えようか、お姉ちゃん」

 

 

 

各々が会話している間にも赤色はどんどん広がっていく

 

RABBIT小隊が作戦準備に入り、ゲーム開発部もそれから少し遅れて動き出す中で、酒泉とヒナだけがジッと謎の塔を睨んでいた

 

 

 

「酒泉、あれが酒泉の言ってた虚妄のサンクトゥム?」

 

その名前がつけられるのはこの後ですけどね

 

「………ちなみにだけど、敵の強さは?」

 

空崎さんでもそう簡単にはいかないですよ、しかもそんな奴が二体

 

今ならオマケで雑魚敵まで道中出てきます

 

「そして、ここと同じような状況の場所があと五つも……」

 

更には全員一度は復活するかもしれない

 

「その際に超大型の生物まで出現する……と」

 

いやぁ……改めて考えてみても絶望的ですねぇ……

 

「でも、ここに居るのは私達二人だけじゃない。SRTやミレニアム、それに風紀委員の皆だって別の所で防衛線を張って待機してくれてる」

 

まあ、それなら勝ち確ですね………そもそも空崎さんが一緒に居てくれて負けることなんてあり得ないですけど

 

「……うん、私もそう思う。酒泉とならどんな奴が来ても問題無い」

 

………よし!じゃあ、そろそろ─────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────〝シキサイ〟潰すゾ!!!

 

 

 

 

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