大玉に隠れることでこちらの狙撃を小賢しく防いでくるシロ
そのまま大玉が展開され、五つの大玉が一直線に向かって……
五個ぉ!?そんな技、原作で使ってなかっただろうがテメェッ!!?
辛うじてボール同士の間を通り抜けてアサルトライフルで反撃する
するとシロは踊りながらふざけたように回避する、スッゲームカつく……!
「なにアイツ!?めちゃくちゃ腹立つんだけど!?」
「お姉ちゃん!あっちにだけ気を取られてると危ないよ!」
モモイさんも同じことを思っていたのか地団駄を踏みながら怒っているが、その背後から変異型スイーパーが接近してくる
ミドリさんはそれを撃退しながら注意を促す
……よし、俺も反撃するぞ!
スナイパーライフルを構え、クロに向かって引き金を引く────が、空中で回避される
そのまま一度地上に降りてシロの大玉を掴むと、再び空中から俺に向かって大玉を落としてくる
……危ねえ、すぐに飛び退ける態勢でよかった……!
つーかその技も見たことねえぞ!?ゲーム通りの行動しろやっ!!
気分的には〝原作にも存在しない謎のオリジナル技をアニメOPで見せられてる〟……そんな感じだ
「……RABBIT3、準備の方は?」
『そろそろ着くよー……くひひひひっ!楽しみだなぁ……♪』
RABBIT小隊の方も〝例の作戦〟の準備を進めているようだ
何かしら策を立てておかなければ戦闘が泥沼化するからな
……戦力的には別にこのままでも問題無いが、トドメを刺すには火力面に特化している天童さんの力が必要になる
ただ、その天童さんも機械共の相手をしてるし、かといって地上のネズミと空中のカラスを無視する訳にはいかない
どっかしらで大きな隙を作り、その瞬間に纏めて撃破するのがベストだ
「あぶなっ……ああもう!あのカラス鬱陶しいなぁ!?」
先程から着地したり降りたりを繰り返すクロに対して空井さんもストレスを溜めている
「ああもう!降りてこーい!」
「お、お姉ちゃん!また地上の敵への警戒が疎かになってるよ!」
……いや、空井さんだけに限った話じゃない。このままだと誰かが攻め急いでしまうかもしれないな
そろそろ戦況を動かしたいんだけど────っと……丁度良いタイミングだな!
「……これは……」
空崎さんが背後に視線を向けると、そこから少し変わった形をしたシルエットが近づいてくる
ソイツから複数の丸い機械が飛ばされると同時に、その丸い機械からビームが放たれる
ビームは周りの機械兵を吹き飛ばし、そのまま爆発させた
『お……お待たせしました!』
そのまま背後から話しかけてきたのは、アバンギャルド君に乗った花岡さんだった
……あれ?なんか武装減ってね?
『その……あまりにも武装が多すぎて機動面やシステム部が故障してしまいまして……エンジニア部の皆さんの指示に従って大幅削ってきました……』
……マジか……見てみたかったな、フル武装……
「えっと……それで、戦えるの?」
『……は、はい!遠隔型ビーム発射装置とサーベルは残っているので戦えます!』
「……そう、なら頼りにしてるね」
空崎さんに心配そうな視線を送られるが、花岡さんは少し間を空けてからキリッと言い放った
流石はゲーム開発部の部長だな……
『アバンギャルド君リペアⅡ、行きます!』
え?リペアⅡ?もう既に二回もぶっ壊れたの?
少し不安になってしまったが、花岡さんはその不安を一瞬で払拭するようにビーム兵器を巧みに操る
頑丈なTypeBを何度もサーベルで切り裂き、その間にも周囲のスイーパーやロボット達を遠隔ビームで焼いていく
「流石はユズです!アリスも負けてられません!」
天童さんは巨大な銃身を構えると、エネルギーのチャージを開始する
『じゃあ、こっちもそろそろ………派手にやろっか!』
風倉さんが通信機でそう言うと同時に、突如上空からヘリが接近してくる
来たか……敵が地上の俺達に集中してくれてよかった……!
クロよりも更に上を飛ぶヘリは、そのまま下のクロに向けてミサイルを放つ
突然の襲撃を咄嗟に回避しようとクロは身を旋回するが────
『あの……私もいます……』
────霞沢さんの狙撃によってクロの目に弾丸が飛んで来る
その弾丸に気を取られたクロは目を瞑って一瞬だけ動きを止めるが、その直後に背中にミサイルが直撃する
顔を歪めながら地面に墜落したクロを守るように機械達が集まる
「……私が道を作る」
……まあ、うちの委員長にかかればそこら辺の壁と同じようなもんだがな
空崎さんの愛銃・デストロイヤーによる掃射が目の前の敵を破壊していく
「RABBIT2!共に!」
「了解!」
空井さんががら空きになったクロの顔面に弾丸を叩き込み、その間に月雪さんが自走式閃光ドローンを走らせてクロの目の前で光らせる
「今のうちに!」
「ユズ!お願い!」
アバンギャルド君の足元に群がろうとする機械を排除しながら、モモイさんとミドリさんが叫ぶ
そんな二人にシロが大玉を転がしてくるが、花岡さんがアバンギャルド君を操作して二人の前に立つ
『た、たかがボール一つ……!アバンギャルド君リペアⅡで押し返します!』
そう言って大玉ごとシロに突っ込んでいき、そのまま倒れてるクロの方へと突き飛ばす
「これでトドメです!」
そして天童さんがスーパーノヴァをシロクロの方に向け、銃口を光らせる
紫の光が集束し、周りにはスパークが走る
敵が態勢を立て直そうとする頃には既に遅く、光は真っ直ぐ伸びていき……そして────
「光よっ!!!」
────そのまま全てを吹き飛ばした
……え?〝お前何もしてないじゃん〟って?
ずっとTypeB二体相手に天童さんとケイさんを護ってましたけど?
………そうですぅー!ただの時間稼ぎですぅー!
【それで良いのです、貴方もようやく王女や私を護る騎士としての自覚を持ち始めましたね】
えっ……なにその話……知らん……
【……私と王女を永遠に護れと命じたはずですが?】
え?いや、リソースを確保し終えるまでって事じゃ……
「……酒泉はアリス達とずっと一緒に居たくないんですか……?」
「酒泉、その話……詳しく聞かせて?」
そ、空崎さん?笑顔がこわ──────
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「サンクトゥムの守護者〝シロ&クロ〟撃破完了です!第三サンクトゥムの破壊を確認しました!」
「最初は酒泉達の所か……うん、順調だね」
「先生、第四サンクトゥムの戦闘が開始されました」
「Bエリア付近の防衛線が押され気味です、増援を送った方がよろしいかと」
「第一サンクトゥムのエネルギー反応上昇!先生、指揮を!」
「……さて、まだまだ気を抜けないね」