〝アリウス〟潰すゾ!!!   作:あば茶

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第三サンクトゥム攻略後

 

 

 

「それでさ、なんの事情も伝えずに遅刻してきたんだよ?ちょっと風紀委員としての自覚が足りないんじゃない!?」

 

「そ、そうです……ね……?」

 

 

まるで旧友と話すかのように語りかけてくるミカに対し、下江コハルは困惑しながらそう答える

 

 

(……ミカ様はどうして私みたいな一般生徒なんかにこんな良く接してくれるんだろう?)

 

 

コハルは尊敬する先輩達のような本物のエリートになるのを夢見ているものの、今はまだ立場的にはそこらの一般生徒と同じであることを自覚している

 

〝元〟とはいえ、それでも一時はトリニティを率いていた組織の長が何故そんな自分なんかに………改めて考えてみてもコハルの疑問は晴れない

 

 

(私とミカ様の接点なんて、一般生徒との〝揉め事〟にちょっと口を挟んだ時に少し関わったぐらいなのに……)

 

 

その〝揉め事〟の際に、自らを顧みずにミカを護ったからここまで好かれているのだが……コハルがそれに気づくことはない

 

 

「もう……重要な会議だったし、かなり気合い入れて身支度して行ったのに……別に気づかれなくてもどうでもよかったけどさ?少しぐらいは……ねえ?」

 

「……あの、ミカ様?」

 

「うん?なーに?コハルちゃん」

 

「ミカ様はその人のことが好きなんですか……?」

 

「」

 

「ミ、ミカ様……?」

 

 

 

コハルの言葉を聞いた瞬間、ミカはピシッと石のように固まる

 

口を開けたままピクリとも動かず、暫くしてから目を泳がせはじめた

 

 

「……あ、あはは☆コハルちゃんも面白いこと言うね?どうしてそう思ったのかな?」

 

「えっ?いえ、話を聞く限りだとそうとしか感じないというか………」

 

「い、いや……私は別にそんな事ないんだけどね?彼のことなんて興味無いし……むしろ酒泉君が私に気を持ってるんじゃないかな?」

 

「そ、そうなんですか?」

 

「うんうん!私に会う度に悪口言ってくるけど………それって好きな子に意地悪しちゃうアレだと思うんだ!」

 

 

誤魔化すだけでなく、訳の分からないことまで言い出すミカ

 

彼女自身もその事を自覚しているが、それでも口は止まらない

 

 

 

「ま……まあ、そういう感情を持たれるのも悪い気はしないけどさ?でも、私から好きになるのはちょっとあり得ないかな~?コハルちゃんや先生みたいに優しい訳じゃないし、ナギちゃんやセイアちゃんみたいに前から関わりがあった訳でもないし?」

 

「…………」

 

「会った時に私が煽るのも彼の反応が面白いからだし……うん、それ以外の理由なんてないもん……大体、初対面で人のことをゴリラ扱いしてくる男なんて好きになるはずがないし……」

 

(あれ?これってミカ様から煽ってるんじゃ……)

 

「で、ででででも?向こうから、その……そういった事を求めてくるなら……応じてあげなくもないけど?……うん!なんだかんだで借りもあるしね!流石にそれくらいは返してあげないと可哀想だしね!」

 

(誰に言い訳してるんだろう………でも────)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(────ミカ様も普通の女の子なんだ……)

 

 

 

 

「と……とにかく!私からそういった感情を持つのは絶対にないから!」

 

「……え?は、はい……そうですね……」

 

「コハルちゃんも一度合ってみたら分かるよ!〝あっ、この子とだけは絶対にないな〟って!」

 

 

 

ミカは目をぐるぐる回しながら必死に否定するが、逆に必死すぎて説得力が無くなってしまっている

 

……が、コハルはあえてそれに触れないことにした

 

 

「もう、私がこんな思いをしなきゃいけないのも全部酒泉君のせいだ!今度会ったら文句言わないと……」

 

「……だ、だったら……その前にここの防衛戦を守りきらないといけませんね、その酒泉って人に会う為にも………わ、私も力になりますから!」

 

「コハルちゃん……うん、ありがとう」

 

「じゃ、じゃあ……そろそろ所定の位置に行ってきますね……」

 

「……よーし!それじゃあさっさと敵を倒して、今頃苦戦してるであろう酒泉君をからかいにいこっと!彼ってからかい甲斐と遊び甲斐だけはあるんだよね☆」

 

「か、からかう!?遊ぶ!?何を!?」

 

「えっ?酒泉君をだけど……」

 

「酒泉君でっ!?えっちなのは駄目っ!禁止!」

 

「コ……コハルちゃん?」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

なんかスッゲー悪口言われた気がする!!!

 

【何を馬鹿な事を……】

 

 

 

 

どうも、前回大して活躍してなかった折川酒泉です

 

現在、俺は天童さん&ケイさんと一緒に車で移動してます………あ、ちなみに空崎さん達は第三サンクトゥム近くの仮拠点で待機してます

 

全ボスを倒してももう一度復活する予定だからね、しょうがないね…………別れる時、空崎さんがケイさんとバッチバチに睨み合ってたのは内緒

 

ここからは各サンクトゥムを回ってリソース豊富であろう高性能ボス君達を美味しくいただいちゃいます、貴重なタンパク源です

 

まあ、俺達は戦闘に参加することはないけどね……皆がボスを倒し終わったところを天童さん達の力でデータごと組み換え、そのままアトラ・ハシースのパーツにして運んでしまう

 

………当たり前の話だが、この作戦はパーツ生成、組み立て、発射、それら全てを実行する天童さん達が一番大変だろう

 

だが、敵側のアトラ・ハシースも此方側のアトラ・ハシースも干渉できるのはこの二人の力だけなのだ、悔しいが頼らざるを得ない

 

もし俺がチート系転生者だったらなんとかなったかもしれんが……残念ながら現実は非情である

 

 

 

 

【………いつまでウジウジとしているのですか、道中も必ず安全とは限らないのですよ】

 

……悪い

 

【……はぁ……貴方の知識がなければ私は消えていたのですから、誰も犠牲にせずに解決法を見つけたことを誇りなさい】

 

 

 

明らかに俺のことを慰めてくれている、昔に比べて随分と感情豊かになったなぁ………

 

 

 

【……なんですか、生暖かいその目は】

 

いひゃいれす、運転中なんで頬を引っ張らないでくらひゃい

 

「ずるいです!アリスも触ります!」

 

いきなり人格を────痛い痛い痛い!加減してくれ天童さん!

 

【王女よ……それは流石に力を入れすぎです、私がお手本を見せましょう】

 

俺はオモチャじゃないんだぞぉ!!!

 

「分かりました!こうですね!」

 

 

 

 

和気藹々と人の頬で勝手に遊ぶ二人……まあ、肉体的には一人だけなんだけど

 

……でも、この二人の笑顔を護ることができて本当に良かった

 

大切な仲間を犠牲にして手に入れた幸せなんてクソ食らえだ、世界を救いたいなんて大層な事は言わないからせめて周りの人達だけでも助けたい

 

…………まあ、先生に大人のカードを使わせてしまってる時点で〝何を今更〟って感じだけどな。せめて子供なりにやれることをやっておきたい

 

 

 

 

 

────さて……天童さん、ケイさん、ここから先は過労なんて言葉が優しく感じるほど二人に頑張ってもらうが……準備はいいか?

 

「はい!アリス、いつでも行けます!」

 

【………ええ、準備などとっくに出来ていますよ】

 

よし!それなら次は第五サンクトゥムに突撃────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────しないでその近くで待機してよっか、温泉テロリストやミレニアムの皆が倒してくれるはずだし

 

【了解し………温泉テロリスト?】

 

 

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