【プロトコルATRAHASIS稼働】
いいぞ天童さん!ケイさん!今の二人のパワーでスーパーノヴァのパーツを作り上げてしまえー!
【コード名〝アトラ・ハシースの箱舟〟起動プロセスを開始します】
やはり二人は優秀で……誠実で……!
【王女は鍵を手に入れ、箱舟は用意された】
「名もなき神々の王女、AL-1Sが承認します!ここに、新たな聖域が舞い降りん───!」
よっ!世界で一番の勇者!最高最善の魔王!二つの力が合わさり最強に見える!
「……ユウカ先輩、ノア先輩、あの人誰ですか?あと何をやってるんですか?」
「彼は折川酒泉、今は………応援してるんだって」
「〝ずっと近くで応援してほしい〟ってアリスちゃんに頼まれたらしいですよ?」
「へえ……なんか女の子を堕としてそのまま家に住み着き、自分は家事も何もしないヒモ男みたいですね」
「これ以上他校の生徒と喧嘩になるようなことを言うとまた反省部屋送りにしますからね?」
「ひえっ……」
どうも、女の子に働かせておいて自分は後ろから応援してるだけの折川酒泉です
しょうがねえじゃん!本当にやることねーんだもん!
転生者なのに活躍してねえじゃーん!(ブッ○オフ並感)
「よし!戦いも終わったことだし、後はミレニアムに温泉を────」
あっ、鬼怒川さん。それやったら本気でそのツルハシをアンタら全員のケツにぶっ刺しますからね
「私達にだけ当たりが強くないか?それと女性に向かって随分な物言いじゃないか」
すいません……実は俺、美食を探究しようとしたり何でも屋を名乗ったり風紀委員長に嫌がらせをしようとしたり温泉を開発しようとしたりするテロリストは女性として見ることができない特異体質なんですよ
「ピンポイントすぎないか?………まあ、口ではそんな事を言っておいて本当は興味があるんだろ?」
………は?
「なぁに、無理することはないさ!君だって年頃の男の子だからな!ほれほれー♪どうだー?男の子なら皆大好きなスレンダー少女だぞー?」
……へえ?俺をオトそうと?
「分かっているじゃないか、それなら話が早いな………力ずくで君を退かせるのは難しいからな、どうだ?もし今後の私達の活動に多少でも目を瞑ってくれるのなら、此方も悪いようには────」
ぺっっっ!!!まともな倫理観身に付けてから出直してきやがれっっっ!!!
「汚っ!!?今本気で唾を吐き捨てたなっ!!?」
【……私と王女が頑張っている裏で、随分と楽しそうにじゃれあってますね?】
ひえ……ごめんなさい……
「見てください先輩、あの人一瞬で縮こまりましたよ!あれは将来、尻に敷かれるタイプ───」
「コユキちゃん?お望み通り今からでもミレニアムに戻りましょうか?」
「ひえ……ごめんなさい……」
へっ……人を馬鹿にするからそうなる───【酒泉、どこを見て話してるんですか?】
ひえ……ごめんなさい……
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えっさー
「ほいさー!」
えっさー
「ほいさー!」
二人の能力で作った巨大スーパーノヴァのパーツを運びながらも、此方の呼び声に反応してくれる天童さん
あっ、勿論直接運んでる訳じゃないからな?天童さん達の能力で移動させてるだけだからな?
………今更だけど、データを物理的に組み換えて好きな形に変えるってチートすぎるよな
ただのデータから実銃を作るなんて3Dプリンターもびっくりだよ
「酒泉、この後はどうするんですか?」
とりあえずミレニアムに運んでからまた戦場に戻るんだけど………何処に向かうかは各地の状況次第だな
「その時までアリスは待機ですか?」
ああ、仕事はまだまだ沢山残っているからな、ちょっとでも休んでおこう
「アリス、了解しました!」
さーて……第五サンクトゥムの次はどこが決着つくかな?
まあ、決着っつってもまた復活するんだけどな……
「………そういえば、アリスは巨大スーパーノヴァを撃った後はどうすればいいのでしょうか?」
んー?まあ、後の事は他の人達に全部任せてミレニアム内で休んでたら良いんじゃないか?
多分だけど撃った後は相当疲れるだろうし……
「ま、またお休みですか?アリス、これでは勇者としての役目を果たせません……」
無理して怪我するよりは全然いいだろ、むしろ二人には働かせすぎなくらいだ
「……酒泉はどうするんですか?」
俺?俺は……まあ……予定通りに地上防衛担当じゃないか?
この後は敵の本拠地に殴り込む為の兵器……〝ウトナピシュティムの本船〟も手に入るはずだけど、俺がそれに乗る理由はないしな……
オペレーターになる予定の天雨さんを皆で送り届けた後、風紀委員一丸となって戦うよ
「……そう……ですか」
……あっ、ここまで言って思い出したけど、天童さんの分の戦力ってどうなるんだろうな
原作だとゲーム開発部全員が船に乗ってくれたけど………この世界だと天童さんは船には乗らない
その理由は〝ウトナピシュティムの本船〟自体が〝名も無き王女〟を葬る為………つまり天童さんを葬る為の兵器だからだ
そんな物に天童さんを乗せたら、間違いなく王女を消し去らんと船が牙を剥くだろう
………一度だけなら先生がそれを肩代わりできるんだけど、そんな事をさせるつもりはない
先生にも天童さんにもケイさんにもちゃんと生きて帰って来てもらう、これは絶対条件だ
まあ、事前に準備できたおかげで原作よりも多少は戦力に余裕があるし、戦力面の問題は先生がなんとかしてくれるだろう
………しかし、まあ……本当に長かったな
「………酒泉、何か悩み事があるんですか?」
ん?ああ……あとちょっとで俺の役目も終わるなぁって思ってな……
「役目……ですか?」
まあ、俺が勝手に〝自分の役目だ〟って思ってるだけだけど……
「……もしかして、その役目を終えたら酒泉はいなくなっちゃうんですか?」
別にそういう訳じゃないんだけど………実はさ、俺の知ってる未来の記憶はここまでなんだ
「……え?」
いや、具体的に言うと〝キヴォトス全域を巻き込むような大きな事件に関する記憶〟はここまでだ
あとは自称超人が暴れたり小さなイベントがあったりと、そんな感じの記憶しか残されていないんだ
………つまり、この戦いが終わったら俺はただの一生徒に戻るってわけだ
「それは……何が心配なのでしょうか?」
………これから先はどんな未来になるんだろうなーって……
自分の目標がある内はひたすら目標に向かって走り続けたけど、もうすぐそれも無くなるしな……
他にも〝未来の情報が無くても俺はキヴォトスで生きていけるのか〟とか、そんな事とかも考えちゃって……
三年生………空崎さんや天雨さんも今年で卒業だし、今まで当たり前のように俺達を導いてくれた人達も皆ゲヘナ学園から居なくなっちゃうんだよな……
「酒泉………」
……要するに〝ここから先は何の未来の情報も無く、自分の意思で決めた道を自分の足で歩いていかなければならない〟って事実に少し不安になったってだけだ
「…………」
空気が重い……今の状況で話すべき内容ではなかったか
まあ、自分の目標は無くなっても空崎さんを支えるっていう〝約束〟は残ってるから、そこまで人生に思い悩んでいるわけではない
ただ、さっきも言った通り、その空崎さんももうすぐ卒業しちゃうんだけどな………
「あの、酒泉……」
ん?なんだ?
「アリスはずっと勇者を目指してきました」
【ですが、そんな王女も私も一時期は己の存在理由にさえ悩まされていました】
「そのせいで全てを諦め、自分が消える選択をしてしまった時もありました」
【でも、そんな私達を救ってくれたのは………貴方です】
「存在理由を失ってしまったアリス達に再び道を示してくれて、ゲーム開発部の皆の元へと帰してくれました」
【最初から決められていた存在理由を打ち砕き、私のことを無理矢理引っ張り出してくれました】
「ですから、今度はアリス達が───」
【私達が───】
おっ………天童さん!ケイさん!第二サンクトゥムの状況が動いた!
パーツを置いたら第二サンクトゥム付近に移動し、そこで休憩するぞ!
「………」
【………】