〝アリウス〟潰すゾ!!!   作:あば茶

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第一サンクトゥム攻略後

 

 

 

 

「折川酒泉!依頼は果たしたわよ!」

 

【………これでOKです】

 

……ケイさん?何書いてんの?

 

「約束通り、例の物を用意しておきなさい!」

 

【こいつの残骸に少々名を与えただけですよ】

 

名前?どれどれ………〝KYミミズ野郎〟?

 

こんな小学生みたいなネーミングつけられるなんて、流石にかわいそうだろ………

 

「ちょっと!聞いてるの!?」

 

【………貴方にも名を与えましょう、貴方は今日から〝鈍感クソボケイキリアルコール〟です】

 

俺にまで当たらないで!?

 

くそっ……こうなったのも全部ビナーのせいだ……!

 

覚悟しておけよ、陸八魔アル……!

 

「なんで今の流れで私に飛び火するのよ!?」

 

いやぁ……前世で散々見てきた陸八魔さんの〝なんですってええええええ!?〟の顔を今世では直接何度も見ることになるなんて……人生何が起こるか分かりませんねぇ………

 

あっ、因みに報酬の焼き肉セットとしゃぶしゃぶセットはとっくに予約注文済みです、騒動が終わった次の日かその次の日辺りに届くと思います

 

さて………どうも、ビナーのリソース確保を完了した折川酒泉です

 

……まあ、俺が確保してる訳じゃないんだけどね

 

とりあえず回るべき場所は回ったか………第二ラウンドが待っているんだけどな、それに錠前さん達の所にもヒエロニムスが残っているし

 

 

「これがアリスちゃんの力?」

 

 

背後からヒョコっと現れ、倒れているビナーに視線を向ける小鳥遊さん

 

 

 

「うへ~……凄い光景だね~」

 

それとケイさんの力でもありますね………そういや挨拶とか自己紹介とかしましたっけ?

 

「いや、会話したのは今回が初めてだねー………一応、風紀委員がアビドス付近に来た時にチラッと見かけたような見かけなかったような……」

 

あ~……天雨さんがやらかした時ですか……その節はすいませんでした

 

「いいよいいよ、そっちにも立場があったんでしょ?それなら仕方ないよ~」

 

 

のほほんと笑いながら手を振ってくる小鳥遊さん

 

俺としてもこのくらい気楽な方が話しやすいし助かるな……

 

 

「んじゃっ、改めて………アビドス高等学校の三年、小鳥遊ホシノだよ~、気軽におじさんって呼んでね~」

 

あっ、どうも……折川酒泉です、折川でも酒泉でも折酒でも好きなように呼んでくださいね、おじさん

 

「おお……本当におじさん呼びされた……」

 

「酒泉……だっけ?その人の〝おじさん〟って言葉は口癖みたいなもんだからまともに受け取らなくていいわよ」

 

「酷いなぁ、セリカちゃん………老人は敬うものだよ?」

 

「それもう〝おじさん〟じゃなくて〝おじいさん〟じゃない!」

 

 

 

さっきまで怪物と戦っていたとは思えないほど気楽に会話する二人

 

アビドス生って本当に一人一人のスペックが高いんだな………流石は少数精鋭でカイザーからアビドスを守り続けてきただけはあるな

 

 

 

「あっ………そういえばおじさん、君に聞きたいことがあったんだー」

 

ん?なんですか?

 

「ちょっと前に先生から〝単独行動は控えろ〟って感じの連絡が来たんだけどさ………それって君も一枚噛んでる?」

 

いや、俺は知らないっすね………そんなことがあったんですか?

 

「ありり?そうなの?おかしいなぁ……先生から聞いてた話と違うなぁ……」

 

え?先生に教えてもらってたんですか?なんだ……それなら先に言ってくださいよ

 

「あれ?勝手に知ろうとしたこと、怒ってないの?」

 

この事件に関してはアビドスの皆さんが一番関わり深くなるでしょうし………それぐらいなら、まあ

 

……でも、よく話を聞き出せましたね?

 

「先生があんなに〝単独行動しないように〟って口酸っぱく忠告してくれた直後にタイミング良く謎の人物がシロコちゃんを狙ってきたから、本当にカイザーを警戒していただけなのかなって気になってねー」

 

……で、問い詰めた……と?

 

「最初はしらばっくれてたけど………でもまあ、おじさん嘘を吐いてる大人は見慣れてるからさー〝何か隠してる〟って簡単に分かったよ」

 

 

あははと笑いながら平然と言い放つ小鳥遊さん

すげえ……背景知ってるせいで全く笑えない冗談だ……

 

 

あの……先生はですね、その……

 

「大丈夫、先生の嘘は〝悪い嘘〟じゃないってことは分かってるよ………それに、私は責めてるんじゃなくてお礼を言いたいだけだからさ」

 

そう言うと小鳥遊さんはゆっくりと此方に近づき、頭を下げてくる

 

 

「ありがとね、君が事前に準備してくれてたお陰で私は大切な人達を護れた…………あの時と違って」

 

 

さっきまでの柔らかい雰囲気と打って代わり、真剣な目で正面から見つめてくる小鳥遊さん

 

……かと思えば、すぐに照れ臭そうに頬をかく

 

 

「……なーんて、ちょっとシリアスな空気にしちゃったかなー?おじさんには似合わないよねー」

 

小鳥遊さんは〝またねー〟と恥ずかしさを誤魔化すように仲間達の元へ戻っていき、そのまま何か話し合いながら銃の整備を始めた

 

………大切な人を護れた、か

 

どうしてだろうか、感謝されたはずなのに素直に喜べないのは…………なんて、理由など分かりきっている

 

原作知識で何が起こるのか中途半端に知っていたせいで、少しだけ〝ユメ先輩を見捨ててしまった〟なんていう自分勝手な罪悪感が湧いてくる

 

………うん、これ以上考え込むのは止めよう

 

俺一人が首を突っ込んだところでユメ先輩辺りの問題を解決できたとは思えないし、そもそも勝手に責任を感じられても向こうだってウザイだけだろうしな

 

 

【酒泉、此方はもう終わりましたよ】

 

………お疲れ、ケイさんに天童さん

 

【………何を考え込んでいるのですか?】

 

いや、別に……………なあ、二人とも

 

【………はい?】

 

絶対に勝とうな………誰一人欠けることなく、な

 

【何度同じ事を言うつもりですか…………私は消えるつもりはありませんし、貴方が勝手に居なくなるのも許可しませんよ】

 

「アリス、ハッピーエンド以外に辿り着くつもりはありません!」

 

 

 

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