〝アリウス〟潰すゾ!!!   作:あば茶

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第四サンクトゥム決着(ヒエロニムス)

 

 

 

 

青い光───足下が爆発する

 

青黒い光───周囲の空間が爆発する

 

ハナコからの情報を元に、ダメージを負わないように立ち回る一同

 

だが、敵は中々勝負を仕掛けてこない

 

 

(………此方の体力が尽きてから一気に決めるつもりか?)

 

 

サオリ達を一撃で仕留める為の〝大技〟

 

その溜めの隙を狙おうとするものの、ヒエロニムスは肝心の溜めの行動をなかなか行おうとしない

 

 

『………時に皆さん、演技はお上手ですか?』

 

 

通信機越しにハナコが語りかけてくる

 

 

『どうやらヒエロニムスは完全に意思を持っていない………という訳ではなさそうですよ?少なくとも攻撃のタイミングと標的の決定は自分で行っているようです』

 

「………一芝居打て……ということか?」

 

 

ハナコの提案、それはピンチを装う事

 

撒き餌、誘導、極単純な作戦

 

それが目の前の敵に有効だと判断したハナコは、この戦場に居る生徒全員に作戦内容を提案する

 

 

「………要するに〝一番厄介な存在を行動不能にした〟ってアイツに判断させればいいんでしょ?」

 

「で、ですが……それは誰かが囮になるということで─────えっ!?サオリさん!?」

 

「…………全く、あの人は!」

 

 

マリーが何かを言いかけたところで、サオリが無言でヒエロニムスに向かって走り出す

 

ミネも自身のジャンプ力を生かして一瞬でサオリの近くへ着地する

 

 

 

 

 

─────瞬間、無防備に立ち尽くす二人の足下が爆発した

 

 

「み、ミネ団長!?」

 

「はぁ……サオリ姉さんも何やってるんだか」

 

 

 

サオリが吹き飛ばされ、ミネが爆発に飲み込まれる──────すると、ヒエロニムスが両手の杖を光らせ始める

 

まるでこの機会を待っていたかのように、目の前の小さな脅威を取り除こうと力を溜める

 

 

「こ、ここです!」

 

 

ヒヨリの愛銃〝アイデンティティ〟から放たれた弾がヒエロニムスの右手に直撃する

 

杖を手放させる程の威力は無かったが、それでも意識が逸れる程度のダメージがヒエロニムスに入る

 

 

「セリナ!」

 

「マリー!」

 

「了解です!」

 

「は、はい!」

 

 

左からはセリナとマリーが、右からはサクラコが駆け出す

 

狙うは二つの杖………左右から同時射撃を行うが、銃弾がヒットしても弾かれる音が聞こえてくるのみ

 

……だが、彼女達は元より杖を破壊する気などなかった

 

本当の目的は敵の視線を誘導すること、それさえ成し遂げられれば問題なかった

 

 

「み、皆さん!下がってください!」

 

「サッちゃん!走って!」

 

 

ヒナタのグレネードランチャーがヒエロニムスの周囲に着弾すると同時に、アツコのドローンが煙幕を張る

 

ヒエロニムスは見下ろしていた少女達の姿を察知できなくなってしまったが、逆に生徒側からは輝く杖から大方の位置を予想できる

 

そのまま煙の中を突っ切る影が一つ

 

「これで終わりだ……っ!」

 

 

サオリが勢いよく飛び出す────ミサキのスティンガーミサイルを持って

 

 

「はぁ……また直さないといけなくなったじゃん」

 

 

後方からミサキが援護射撃を行う────サオリのアサルトライフルで

 

奇襲の為の煙幕、その中でサオリとミサキは互いの武器を交換していた

 

担いでいる武器の重量など無視し、ヘイロー持ち特有の力でヒエロニムスに接近する

 

壁を利用し、瓦礫を利用し、高く高く跳んでいき、そして─────ヒエロニムスが杖を空中に浮かばせて右腕を振ってきた

 

ヒエロニムスは必ずしも自身の手で杖を振らないといけない訳ではない、ただその方が攻撃が早いから自身の手で杖を握っていただけだ

 

今回のように纏めて敵を始末する為の〝大技〟を放つ際は、別に手で持つことに拘りはしない………敵の動きが遅かろうと早かろうと、どうせ回避することは不可能なのだから

 

だが、もはや〝大技〟を待つまでもなくヒエロニムスの腕がサオリに迫る

 

彼女の身体はそのまま地面に叩きつけられる────

 

 

 

 

 

 

 

「フンッッッ!!!」

 

 

 

 

 

 

────事なく、ヒエロニムスの右腕が横から飛び出してきたミネの盾によって殴り返される

 

そのままヒエロニムスの腕が大きく弾かれ、その隙にサオリがど真ん中から突っ込む

 

ヒエロニムスの頭部に─────まるで空洞のような顔面にスティンガーミサイルを向けると、サオリは自身も巻き込まれることなど一切気にせずに全弾を放った

 

衝撃で地面に叩きつけられ、身体をボロボロにしながらも痛みに耐えて態勢を立て直すサオリ

 

身体からは血を流し、口からも血が垂れてきているが、本人は満足そうに拳を強く握った

 

 

 

「………咄嗟の判断とはいえ、貴女の自爆攻撃の手助けをしてしまうとは……!」

 

「……そんなに気にすることなのか?私はトリニティを襲った犯罪者だぞ?」

 

「当然でしょう、私は救護騎士団の団長ですよ?相手が怪我をしているのならば立場など関係ありません………全員等しく〝救護対象〟ですから」

 

 

倒れ伏し、消滅していくヒエロニムス

 

それを背に会話している二人にサクラコが深刻そうな顔で近づく

 

 

「……お二人とも、戦いが終わったばかりで申し訳ないのですが……まだ問題は残っていますよ」

 

「………?まだ何か……?」

 

「任務は達成したはずだが……?」

 

「まだです、ヒエロニムスなんかよりも断然重要な問題が残されています………それは……」

 

「それは……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「〝私が変態〟だという誤解を解くことですっ!!!」

 

 

 

 

 

この後めちゃくちゃ言い訳した

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

「………終わったか」

 

「……一応、また同じことが起こるかもしれないから仮拠点で待機しといて……だって」

 

「そうか……なら仮拠点に戻り次第、弾薬の補充を済ませるぞ」

 

「了解……」

 

「そ、それにしても……最後の方はヒヤッとしましたねぇ……もし失敗していたら……」

 

「私達はこうして生きてる、それで十分でしょ?」

 

「そ、そうですね……余計なことは考えない方が良いですよね……」

 

「そういえば………この後、酒泉は第四サンクトゥムにやって来るのか?報告ついでに聞いた話によれば、他のサンクトゥムを回っているらしいが………」

 

「……さあ?特にそういった話は聞いてないけど……」

 

「わ、私も……何も……」

 

「………事前に話をされてなかったんなら、ここには来ないんじゃない?」

 

「そうか、来ないのか………」

 

「………何?心配だから一目様子を見ておきたかったとか?それとも、単純に会いたかったとか─────サオリ姉さん?」

 

「………来ない……のか……」

 

「………落ち込みすぎ」

 

 

 

 

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