〝アリウス〟潰すゾ!!!   作:あば茶

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〝バルバラ〟潰したゾ!!!リベンジ

 

 

 

 

 

 

壁を蹴り、宙を舞い、地を滑り、バルバラを翻弄する

 

肉体強度というキヴォトスにおいて致命的すぎる弱点を補う為に磨き上げた酒泉の動きは、生半可な弾幕では仕留めることはできない

 

左手のガトリングが構えられると同時に懐に潜り込み、顎下に向かってスナイパーライフルの一撃

 

距離を取らせないようにひたすら近距離で立ち回りながら、少しずつダメージを蓄積させていく

 

 

 

 

─────近づいちまえばこっちのもんよぉ!

 

 

 

 

どうせ一撃心臓にぶち込まれるだけでゲームセットになってしまうのならと、何も恐れずにバルバラの周囲を駆け回る

 

バルバラの背後に周り、背中に向かってスナイパーライフルの一発

 

敵が振り向いた瞬間に顔面にアサルトライフルを突きつけて連続射撃

 

仰け反った隙に更に背後に回り、手榴弾を投擲

 

 

 

 

 

 

─────右側が見えてねえじゃねえか!

 

 

 

 

 

爆煙の中から突っ切ってきたバルバラの右腕を狙撃し、そのまま右腕にアサルトライフルの銃口を直当てする

 

先ずは敵の武装の無力化………それを目標とした酒泉は先程までの全方位攻撃から一転、敵の右腕に狙いを集中させる

 

何度も何度もダメージを加え、漸くバルバラの腕がスーツ越しでも分かるほどボロボロになりかけたところで………突如、バルバラが両腕の武装を床に突き刺す

 

 

 

 

 

 

────はい?まさか………っ!

 

 

 

 

何かを予知した酒泉は咄嗟に後ろに下がろうとするが、残念ながら既に攻撃が放たれた後だった

 

バルバラの武装が青白く光ると同時に床に亀裂が入り、衝撃と共に一気に崩れ落ちる

 

下の階層に落下するまで大した時間は掛からない────だが、その一瞬の隙にバルバラは右手の武装を酒泉に向ける

 

酒泉を貫こうと青い弾丸が連続で射出される────直前に酒泉の身体がバルバラの方へ向かい、ピタリと密着する

 

よく見れば酒泉の制服が大きめの縄のように細められ、前方からバルバラの背中に引っ掛けられていた

 

酒泉は重武装のバルバラの身体そのものを固定台とし、そのままバルバラに引っ掛けた制服を両脇から引っ張って自身の身体を引き寄せた

 

ターゲットを失った弾丸は正面の壁を貫通し、その直後にバルバラが下の階層の床へと着地する

 

 

 

 

 

 

────テメエみてーな地形ごとぶっ壊してくるゴリラの相手は慣れてんだよぉ!

 

 

 

 

両足でバルバラの腹を蹴り、使い終わった制服を頭部に向かって投げつける

 

敵の視界を奪った酒泉は追撃を加える………ことはなく、何故か別の場所へと走り出した

 

バルバラも背後から攻撃を仕掛けつつ酒泉の後を追うが、全く予想のつかない動きで巧みに回避される

 

暫く廊下を走り続けると、酒泉は宝物を発見したかのような歓喜の表情で速度を上げる

 

酒泉が近づいたのはバルバラとの戦闘で気絶していた上の階の生徒達、その内の一人に接近した酒泉はその生徒が持っていたであろうバリスティックシールドと〝長い何か〟を拾い上げて再び走り出す

 

 

 

─────最初に見かけた時から〝使えるかも〟って思ってたんだよ………っな!

 

 

 

それと同時にポイっと後ろに手榴弾を投擲してバルバラの行動も妨害する

 

有効打にはなり得ないものの、距離を取る為の時間稼ぎとしては十分な一撃だった

 

爆煙が晴れると同時にバルバラの視界に映ったのは、廊下を抜けて〝資料室〟と書かれた部屋に入っていく酒泉の背中だった

 

バルバラは獲物を追い詰める為にその部屋の扉の前に立ち、両腕の武装を構える

 

部屋に入らずとも部屋ごと敵を潰せば良いと判断したのか、バルバラは情け容赦なく銃口を光らせる

 

青白い弾丸が扉を貫き、部屋全体に被害が広がる

 

高性能なコンピューターがモニターを撃ち抜かれ、複数置かれていた棚は破壊され、何かの資料が散らばり、椅子やテーブルの足が破壊されて崩れ落ちる

 

バルバラの苛烈な攻撃はとうとう部屋の奥の壁を破壊し、ビルの外の景色を丸裸にした

それでもバルバラは弾丸を撃ち続け、銃身が熱を帯びて漸く攻撃を止めた

 

敵の無力化を確認しようと、壁や天井がガラッと崩れる部屋の中にバルバラが足を踏み入れて中央に立った瞬間─────足元に筒のような物体が投げ込まれた

 

それはまたもや手榴弾……ではなく、スモークグレネード

 

先程までとは違って完全にただの目眩まし用の武器だった

 

紫色の煙がバルバラを包み込む中、突然バルバラの目の前に再び何かが放り込まれる

 

バルバラは咄嗟にそれを撃ち抜くが………〝それ〟の正体は完全に壊れきったシールドの破片だった、恐らくバルバラの攻撃によって破壊されたのだろう

 

ならば敵は何処に………バルバラが索敵する為に紫の煙を振り払おうとしたところで─────突然激しい衝撃と共に背中が爆ぜる

 

後ろに立っていたのはロケットランチャーを構えていた酒泉、道中で拾った〝長い何か〟の正体

 

スモークグレネードに包まれたバルバラが正面のシールドの破片に気を取られている間に背後に移動していた

 

吹き飛ばされたバルバラは自分で空けたビルの穴からそのまま外に落下しそうになる………が、ギリギリのところで踏み止まり─────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────落ちろカトンボォ!!!

 

 

 

 

 

 

 

………背後から酒泉に両足で蹴り飛ばされた

 

完全にバランスを崩したバルバラはビルから外………恐らく三十階建てに相当するであろう位置から突き落とされる

 

だが、後ろにいる酒泉も蹴りの勢いのまま共に落下する─────が、〝最初から想定内〟とでも言わんばかりに、冷静にバルバラの首に片腕を回しながらアサルトライフルを後頭部に突きつける

 

落下しながらもお得意の近距離射撃を続け、何度も何度もバルバラの頭にダメージを与える

 

やがて反応が鈍くなったのを確認すると、酒泉は銃をしまってから今度は二本の超硬質ナイフをズボンのホルダーから抜き出した

 

空中で動きづらい中、なんとかビルの外壁の方へ身体を向けると………地上まで残り数十メートルの辺りでナイフを外壁に突き立てた

 

その時、一瞬だけ強力な衝撃が酒泉の両腕を襲うが、それでも決してナイフを手放すことなく強く持ち続ける

 

ナイフがギャリギャリと音を立てながら火花を散らし、残り数メートルになるかどうかの辺りまで落下した辺りで─────ナイフを手放し、両足を外壁につけて自ら横に飛んだ

 

そのまま先に地面に直撃したバルバラの上に落下し、身体中に鈍い痛みが走りながらも何とか転がって体勢を立て直す

 

キヴォトス人の身体の丈夫さを羨みながらも痛みを抑える為にゆっくりと立ち上がり、ピクリとも動かないバルバラに視線を向けると────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────バルバラは上半身から少しずつ身体が消滅していった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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あ゛ー……身体いった……ナイフもボロボロだし最悪だよ……

 

どうも、美甘さんみたいにビルから落下しながら戦いたかったけど、そんな身体能力は持ち合わせていなかった折川酒泉です

 

現在、俺はバルバラを撃退したばかりです

 

………だよな?撃退したんだよな?

 

…………俺が………バルバラに勝ったん……だよ……な?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────ッッッッッシャオラ!!!

 

えっ!?マジで!?一対一で勝てたの!?俺が!?

 

しかも〝割りと余力を残している状態〟で!!?

 

あのバルバラに!!?

 

ヤバい、どうしよう……こんな状況なのに不謹慎にも頬が緩んでしまう

 

俺、確実に強くなってるよな……空崎さんとの特訓や聖園さんとの模擬戦、そして数多くの事件を乗り越えた影響か?

 

傷ばっか作って空崎さんに心配掛けてた頃と比べると間違いなく天と地程の実力差があるよな

 

こうして実際に感じてみると……その……俺もやっと空崎さんの足元ぐらいは見えてきたのかなぁって……

 

…………待てよ?もしかして……俺って将来有望なのでは?だって一年なのにバルバラに勝てるんだぜ?

 

凄い……俺、強すぎるかもしれない

 

こうなったらもう負ける気がしな─────あっ、ビルの上層階が爆発した

 

あの二台の戦闘用ヘリ………そうだ、先生達まだあの中で戦ってるじゃん

 

こんなこと言ってないでさっさと助けに────っと………やっぱ身体痛いな………しゃーない、耐えながら走ろう

 

………なんて考えていると突如、一台の戦闘ヘリが消えた

 

残っているのは〝こっちの先生〟が召喚したであろう戦闘ヘリ、ということは………向こうも勝ったのか!

 

つまりビル内………指令室も砂狼さんも防衛成功ってことだ!これでもう一人の砂狼さん……通称〝クロコ〟は自由に行動することが──────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………見つけた」

 

 

 

 

 

 

─────直後、背後から嫌な気配と共に何かを後頭部に突きつけられる

 

 

 

 

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