〝アリウス〟潰すゾ!!!   作:あば茶

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〝クロコ〟潰すゾ!!!

 

 

 

「ど、どこに消えたんだ!?」

 

「何故侵入を許した!見張りは何をしていた!?」

 

「そ、それが突然室内に出現したと……」

 

「駄目だ!痕跡が一切見つからない!」

 

「くそっ!こんなすぐに逃げ出せるはずがない!まだ地下内に居るはずだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こ、これは一体……」

 

「………まさか、既に……」

 

 

シロコが避難したであろう場所………〝地下シェルター〟にワカモとラブが到着すると、慌てふためく護衛の生徒達が居た

 

ここは〝某破壊活動大好きな温泉愛好家達〟に掘削してもらい、そのままミレニアム生達に改装してもらった施設

 

シャーレのクラフトチェンバーが存在する地下部屋の更に下に位置する、シロコが完全に身を隠せるように用意した防壁

 

そんな部屋の中で〝シロコ以外〟が大騒ぎしている

 

 

「……ちょっと!ここで何があったのよ!?」

 

「そ、それが……変な光が突然シロコさんの隣に現れたかと思えば、そのままシロコさんを包んで……」

 

「そ、その時に人の姿みたいなのが見えた気がするんですけど………光と一緒に消えた後、誰も人が居なくて……」

 

「────っ」

 

 

 

〝あり得ない〟……ワカモは険しい表情でそう考えた

 

敵はシロコの具体的な居場所が分からないから二体の怪物を使って探ろうとしたのではないのか

 

 

(あの聖女のような怪物は砂狼シロコを分断させる為……?ですが、それでも彼女の居場所を特定できた理由には……)

 

 

………いや、そもそもこの地下施設は数ヵ月前……つまり〝最近作られた〟はず

 

昔から存在するなら多少は調べようもあるが、極一部の者達にしか知らされていない極秘の最新設備をどうやって知ったのか

 

〝外からの侵略者〟が事前情報無しに地下の存在を知る方法など、未知の超技術を使用してきたぐらいしか思い浮かばない

 

………それか────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────シャーレの構造を完璧に熟知していて

 

 

────先生なら何処にシロコを隠すのかを予測できて

 

 

────〝シロコを自身の近くに置いて護る〟か〝自身から離れさせて別の安全な場所に隠すか〟の二択を迫った時に先生なら後者を選ぶであろうことを予測できる

 

 

 

 

〝先生〟の考えを完璧に理解できる────そんな〝都合の良い人物〟が敵側に居たとしか思えない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

突如、背後から気配を感じ取って咄嗟に身を屈める

 

俺の頭上を通り抜ける弾丸は、そのままビルの外壁にめり込んだ

 

即座に後方にスナイパーライフルを向けて引き金を引く────が、当たった感じはしない

 

後ろを振り向くと黒い〝ナニカ〟で空間が歪み、その中から人影が現れる

 

嘘だろ………なんでこっちに来てるんだよ────シロコ*テラーが……!

 

 

「……外れた……思ってたよりも面倒そう」

 

 

冷徹な視線で、無表情に俺を見つめる〝もう一人の砂狼さん〟

 

原作で〝こっちの世界の砂狼さん〟が拐われた理由は、同一人物が同じ世界に存在していると色々と安定しないからとか……そんな理由だった気がするが……

 

そんな彼女が姿を現したということは、つまり………こっちの砂狼さんは────

 

 

「……今度は外さない」

 

 

シロコ*テラーの身体の動きから銃を構える位置を確認し、銃弾の来ない場所に咄嗟に回避する

 

彼女はピクリと眉を動かし、一瞬だけ行動が止まる

 

……やっぱりな!敵は〝俺の戦い方〟を知らない!

 

この隙にダメージを与えようとアサルトライフルの引き金を引き────突然〝謎の空間〟から現れたシールドに防がれる

 

そのままシールドの横から〝ショットガン〟を構え、弾丸を放ってくる………が、辛うじて横に回避し、直撃しそうだった一発だけをスナイパーライフルで相殺する

 

反撃しようと両腕で銃を構えた────瞬間、シロコ*テラーの手にはいつの間にかガトリングにしか見えないような〝大きいマシンガン〟が握られていた

 

咄嗟に走り出し、先程のバルバラとの戦闘の影響で出来た瓦礫に身を潜めて襲い掛かる弾丸をやり過ごす

 

 

「……対応が早い……私の戦い方を知っている……?」

 

 

何かを呟きながらも攻撃の手を緩める気配がない

 

……やっぱ強いな

 

敵の能力は限定的なワープ能力、そして────アビドスの皆の武器を使えることだ

 

まあ、要するに……てんこ盛りフォームだ

 

 

「………やはり貴方は危険、ここで確実に始末する」

 

 

敵の攻撃が止むと同時に、瓦礫の向こうから何かの端末を操作する音が聞こえる

 

何かしてくる前に潰してやろうと瓦礫から飛び出ると、バババッ!という風切音を鳴らしながら上空から何かが飛んでくる

 

あれは………武装ヘリ!?奥空さんのか!?

 

 

「実力も知力も未知数、だから油断はしない」

 

 

全力でヘリの真下に向かって射線上から逃れようとするが、その間にもシロコ*テラーは謎の空間から取り出したアサルトライフルで足元を狙ってくる

 

心なしか一撃一撃のスピードが上がっている気がするが……あれは黒見さんのオーラか!?そんなところまでゲーム性能再現しなくていいから!!

 

 

 

「……逃げても苦しむ時間が増えるだけ」

 

───うるせぇ!俺は死にたくねえんだよ!

 

「……そう、でもこの場を乗り越えてもどの道キヴォトスの未来は決まっている」

 

───その決まってる未来なんて皆で何度もぶっ壊してるんだよっ!

 

「…………っ」

 

 

シロコ*テラーの手が止まった瞬間にスナイパーライフルで銃を持つ手を撃つ

 

銃を手放してはくれなかったが、ヘリの真下に移動する時間さえ稼げれば十分だ

 

………だが、その直後にシロコ*テラーが謎の空間に姿を消す

 

ヘリが使えないなら直接か、そう思って周囲を見渡して警戒する

そして数秒後、俺は先程のように背後────ではなく、右側にスナイパーライフルの弾丸を放つ

 

 

「────っ!?」

 

 

 

次の瞬間、謎の空間の中で驚愕したような表情のシロコ*テラーの額に弾丸が直撃する

 

そのまま姿を現した彼女の腹に蹴りを一発入れて突き飛ばす

 

残念だったな!周囲を見渡した時点で〝極小の空間の歪み〟を発見していたんだよぉ!

 

まあ………ここまでイキッておいてなんだけど、ワープとかの小細工無しの真っ向勝負に持ち込まれたら普通に危ないだろうな………

 

いや、危ないっていうか確実に負けるな、さっきの戦いのダメージ抜きにしても

 

 

「………どこまで知っているの?」

 

 

敵の行動を警戒していると、シロコ*テラーがそんな事を尋ねてきた

 

知っている……?どれの事だ……?

 

 

 

 

 

「私が色んな武器を出現させた時も貴方の横にワープした時も貴方は大して驚いていなかった………それどころか、最初から此方の手の内を知っていたかのようにすぐに対応してきた」

 

「貴方は何者なの?各サンクトゥムに姿を現して何をしようとしていたの?他の世界の事を知っているの?だから事前に対策できていたの?」

 

「私達の事を知っているの?その世界の末路も知っているの?この世界の未来も知っているの?」

 

「貴方はどうして私達の世界には存在してなかったの?それとも存在してたの?もし存在していたなら……もし全てを知っていたのなら……どうしてそれを教えに来てくれなかったの?」

 

「貴方が教えてさえくれたら………皆を失うことも、先生が〝あんな姿〟になることも──────っ!」

 

 

 

 

 

そこまで喋りかけ、何かを感じ取ったシロコ*テラーが後ろに下がる

 

さっきまでシロコ*テラーが立っていた場所に弾丸が通り、すぐにその持ち主の方へ視線を向ける

 

 

「あら?先程は私からのデートのお誘いを断ったのに、別の女性とは楽しくお喋りですか?」

 

………デートするだけなら鉛弾も戦闘ヘリも必要無いでしょう──────狐坂さん

 

「そうでしょうか?キヴォトスではデート中に鉛弾を撃ち込まれる可能性だって有り得ますよ?」

 

 

クスクスと笑いながらゆっくりと俺の隣まで歩いてくる狐坂さん「ワカモ……とお呼びしてもよろしいのですよ?」怖いよ心読まないでよ

 

 

……ところで……狐坂さんがこっちに居るって事は……

 

 

「……ええ、手遅れでした」

 

 

……やっぱそうか、時既にって訳か

 

「こっちの〝私〟は捕らえた、だから後は………貴方だけ」

 

 

そう言いながらヘリを謎の空間に消し、右手にショットガン、左手にアサルトライフル、そして空中にドローンを浮かばせるシロコ*テラー

 

その目は真っ直ぐ俺を捕らえている

 

 

「どうやら彼女は貴方に夢中のようですが……」

 

なんか狙われてるっぽいですね……

 

「おや……今日だけで初対面の女性を二人も引っかけたのですか?見た目にそぐわず罪作りな殿方ですねぇ……」

 

誰がモブ顔だってぇ!?

 

「そこまでは言っていませんけど……」

 

 

目の前に敵が居るのにも関わらず、思わず叫んでしまう

 

……なんか……病んでない狐坂さんとこうして普通に軽口叩き合ってるの、違和感あるな……

 

 

「……さて、お喋りしている暇は無さそうですよ?」

 

 

敵のドローンが怪しく光り、両手の銃も此方を向く

 

 

「敵の狙いは貴方さm………貴方です、攻撃を食らわないように私の後ろに隠れて────」

 

────いや、俺に構わず自由に立ち回ってください………自分の身は自分で護れますから

 

「……よろしいのですか?」

 

ああ、それと………援護に関しても心配しないでください

 

少し狐坂さんの動きを〝視たら〟すぐに〝合わせます〟ので

 

「……ふふっ……では、エスコートはお願いしますね?」

 

………はいよ、じゃあ────

 

 

 

 

 

 

 

────〝クロコ〟潰すぞ!

 

「………私の名前はシロコ」

 

あっはい

 

 

 

 

 

 

 

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