〝アリウス〟潰すゾ!!!   作:あば茶

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〝戦闘〟終わったゾ!!!

 

 

 

 

 

ワカモの弾丸が、酒泉の弾丸が、左右からシロコ*テラーを襲う

 

謎の空間に姿を消したシロコ*テラーはワカモの背後に姿を現し─────銃を握る手を酒泉に撃たれる

 

それと同時にワカモが後ろに回し蹴りを放ち、シロコ*テラーが腕でガードする

 

シロコ*テラーは多少仰け反るものの、即座にドローンを操作して狙いをワカモに定める

 

そしてドローンの銃口から弾丸が発射される────直前にいつの間にか右側から接近していた酒泉がシロコ*テラーに右手のスナイパーライフルの銃口を向ける

 

酒泉の攻撃を防ごうとシロコ*テラーは自身の手元に盾を出現させ─────酒泉の左手のアサルトライフルによってドローンを攻撃され、銃口を逸らされる

 

 

「ブラフ……!」

 

「気の利く殿方は好印象です……よっ!」

 

 

一歩踏み出すワカモを迎撃しようと盾の向きを変えるが、ワカモはその盾の上に足を乗せてシロコ*テラーの頭上を飛躍する

 

 

 

─────挟むぞ!

 

「ええ!」

 

 

 

酒泉がシロコ*テラーの背後に回り、ワカモと同時に接近戦を仕掛ける

 

酒泉の拳の威力はヘイロー持ちに比べると大したことがないが、その一発一発がクロコの反撃の初動を妨害するかのように放たれる

 

強引にでも隙を作ろうとシロコ*テラーは謎の空間からショットガンとアサルトライフルを取り出して両手で構える

 

────瞬間、酒泉の足払いと同時にワカモのスナイパーライフルによる射撃がシロコ*テラーを襲う

 

武器を持ち変えるタイミングを狙った二人の連携攻撃が完璧に決まり、初めてシロコ*テラーにまともなダメージを与えることに成功する

しかしシロコ*テラーは手榴弾を取り出し、それを地面に投擲して二人に距離を取らせる

 

そのまま爆煙が広がり、その裏に隠れてシロコ*テラーは新たに二機のドローンを出現させる

 

更に武器を出現させようとするシロコ*テラーを見て、これ以上手数を増やされる前に再び接近戦に持ち込もうとワカモが駆け出す

 

ドローンの銃口から放たれる弾丸を走りながら回避するが、その内の数発がワカモの脚部を狙う────が、ヒットするより前に酒泉の放った弾丸と衝突する

 

 

────危険な弾は全部引き受ける!だから何も気にせずに………好きなだけ〝破壊〟してきてください!

 

「─────っ」

 

 

 

破壊、それはワカモという人間を形成する重要な要素

 

もし〝趣味は何ですか〟と聞かれたら〝破壊と略奪です〟と答える程に何度も行ってきた行為

 

何かを達成する為の〝手段〟として破壊するのではなく、〝目的〟そのものが破壊すること………その無秩序さ故に恐れられてきたワカモ

 

そんな自分に、今日出会ったばかりの少年が〝全部解放しろ〟と言わんばかりの台詞と共に最高のサポートをしてくれている

 

まるで長年連れ添ってきたパートナーかのように、何も言わずとも己の考えを理解してくれている

 

 

「ふふっ……うふふふふっ!」

 

 

ワカモの笑みと同時に走る速度が急加速する

 

ドローンの攻撃がワカモに掠りはしても、自身の行動を一瞬でも止めるような位置の攻撃は全て酒泉が防いでいる

数発程度ならば酒泉がその卓越した射撃技術で相殺し、いざとなれば酒泉自身も前に出て敵の注意を集める

 

 

(私のやりたい事を瞬時に察し、それを自身の身体を張ってでも支えてくれる………)

 

 

自身の攻めの為の〝眼〟ではなく、味方のサポートの為の〝眼〟

 

ワカモの100%の実力を120%発揮させる戦い方

 

その為に培ってきた酒泉の全てが、今、たった一人の少女の為だけに捧げられている

 

 

「ああ……貴方様は本当に─────」

 

ワカモが大きく飛躍し、空中でスナイパーライフルを構えて銃口をシロコ*テラーに向ける

 

 

「─────女性を悦ばせるのが得意な殿方ですねっ!」

 

 

そのまま一発の弾丸を放ち、シロコ*テラーの額に弾丸が飛んでいく

 

……が、その直前に再び空間を歪ませて姿を消す

 

敵の狙いは酒泉だと判断したワカモは即座に後ろを振り向く────瞬間、背後に感じる気配

 

 

(罠……ですか!)

 

 

ワカモの考えを逆手に取った作戦、それに嵌まったワカモは相討ち覚悟で後ろを振り向き、この後自身を襲うであろう痛みに備える

 

 

「────っ!」

 

 

だが、痛みを感じたのはシロコ*テラーの方だった

 

シロコ*テラーの狙いに気づいていた酒泉は最初からワカモの背後を注視し、空間が歪むと同時にスナイパーライフルの弾を放っていた

 

 

「……まったく……貴方様は────」

 

 

ワカモがシロコ*テラーの腹部に蹴りを入れ、そして────

 

 

「────何度私の心を射止めれば気が済むのですかっ!」

 

 

 

────二発目の弾丸がシロコ*テラーの額に直撃した

 

 

「……っ……少し厄介……」

 

更なる追撃が来る前に飛び退き、距離を取るシロコ*テラー

 

彼女の雰囲気が少し変わり、その眼は明確な敵意が込められていた

 

敵が本気を出していないことなど最初から分かり切っていた酒泉とワカモは警戒心を強める

 

 

「………っ」

 

 

……だが、直後にシロコ*テラーの動きがピタリと止まり、二人に向けていた敵意を抑える

 

 

「足止めが突破された………ここは退く」

 

 

自身の背後に謎の空間を出現させ、後ろに倒れ込んで中に入るシロコ*テラー

 

逃がすまいと放った弾丸はそのまま何もない空間をすり抜け、その奥まで向かっていく

 

それから数秒沈黙が続き、銃を下ろした酒泉が一言

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────あの能力ズルくね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────

 

────────

 

──────

 

 

 

 

 

どうも、身体中がズキズキしている折川酒泉です

 

お、終わった……やっと終わった……!ようやく一つ目の山場を乗り越えたぞ……!

 

 

「……彼女、中々に厄介でしたね」

 

 

そう言ってスナイパーライフルを背に仕舞う狐坂さん

 

いや、マジで助かりました……狐坂さんがいなかったら普通に負けてました……

 

 

「貴方こそ見事なエスコートでしたよ……随分と女性の扱いに長けていらっしゃるのですね?」

 

誤解を招く言い方やめません?誰かに聞かれたらキヴォトスから居場所が消えるんですけど?

 

「あら、でしたら私と二人でキヴォトス中を巡るのはいかがでしょうか?」

 

それ逃亡生活ですよね?巻き込まないでくれません?

 

「まあ……二度も女性からのデートの誘いを断るなんて……」

 

 

此方をからかうようにクスクス笑ってくる狐坂さん

 

………さて、ある程度身体も休めたところで、そろそろ先生の援護に─────と思って建物を見上げると爆発と共に機械の塊がバラバラになって吹き飛んでいた

 

おとなのちからってすごい、ぼくはそうおもいました

 

 

「……さて……それでは私はこの辺りでお暇させていただきましょうか」

 

あれ?もう行くんすか?

 

「ええ、これでもお尋ね者ですので………今回の共闘、中々に有意義な時間でしたわ」

 

 

そう微笑むと、狐坂さんは俺の向かう場所とは別方向に歩き出した

 

 

「今回の一件だけで判断するのは早計ですので、これからもじっくりと貴方様のことを見守らせていただきますわ………いえ、まだまだ貴方様ではなく貴方ですね」

 

さっき戦闘中に貴方様呼びになってましたけど………

 

「………あまり女性をからかってはいけませんよ?」

 

狐坂さんは恥ずかしさを隠す為か、狐面を被ってそのままどこかへ去っていった

 

………よし、俺も急ごう

 

 

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