〝アリウス〟潰すゾ!!!   作:あば茶

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〝アリウス〟話すゾ!!!

 

 

 

 

 

「う……うわあああああん!すき焼き弁当ですううううう!これ食べてもいいんですかぁ!?」

 

ああ!おかわりもあるぞ!

 

「ふぇっ!?そ、そんな……こんな都合の良いことが起こるなんて……うわああああん!きっとこれが最後の晩餐になるんですうううう!この後死ぬほど辛い戦いに巻き込まれるんですうううう!」

 

 

なんだこいつうるさっ

 

食べるのか泣くのか喜ぶのか悲しむのかどれか一つにしてほしい

 

 

「キヴォトス中が混乱してるのに……よくお店開いてたね?」

 

ああ、シャーレの一番下にあるコンビニ………エンジェル24って所で買ってきました、トリニティに向かう前にね

 

営業はしてませんでしたけど店員さんは居たんで、金渡して商品貰ってきました

 

秤さんも……ていうか皆さんもどうぞ?あの人のお腹に全部吸収される前に……ね

 

「そっ……そんな事しませんよ!?皆さんの分はちゃんと残しておきますから!」

 

 

泣き叫びながら弁当を食うという妙に器用なことをしていたせいで米粒を顔中にくっつけている槌永さん

 

ああもう……顔拭けって……

 

「あっ……ははりにふいへふへはへんは?代わりに拭いてくれませんか?

 

 

厚かましっ、食べる手を止めて自分で拭けばいいだけだろ……

 

………ほら、顔近づけなさい

 

 

「えへへ……ほへはいひはふお願いします

 

 

年上なのに手の掛かる妹を相手にしているような感覚を覚えながら、ハンカチを槌永さんの頬に「………私がやる」────あ、戒野さんに取られた

 

「ほら、口閉じて」

 

「ミ、ミサキちゃん?なんだか顔が怖────痛い!痛いです!強く擦りすぎですよぉ!?」

 

 

壁の汚れを落とすかのようにゴシゴシと拭きまくる戒野さん

 

うわっ……口元真っ赤になってんじゃん……めっちゃ痛そう(止めはしないけど)

 

 

「……ねえねえ酒泉」

 

ん?なんすか秤さん

 

「私も拭いて?」

 

 

そう言いながら顔を近づけてくる

 

一瞬〝何を〟と思ったが、秤さんも頬に米粒を付けていた

 

……いや、槌永さん拭くのにハンカチ使われてるんで無理です

 

 

「……ミサキ、私も手伝うよ」

 

 

そう言うと秤さんは槌永さんの頭をガシッと掴んで固定した

 

戒野さんのハンカチ攻撃から逃れる手段を失った槌永さんは涙目で助けを求めてくるが………偶然埃が目に入ったので何も見ていない、本当に偶然です

 

 

「は、離してください~!」

 

「ミサキ、チャンスだよ」

 

「ほら、拭いてほしいんでしょ?遠慮しなくていいからさ」

 

「な、なんでこんな事を……あっ!?もしかして二人とも嫉妬して────痛いです痛いです!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………平和ですね

 

「……ああ、少し前までキヴォトス崩壊の危機だったのにな」

 

 

 

数時間前までキヴォトス中で命を懸けた戦いが行われていたのに、目の前の光景はそんな事を微塵も想起させない

 

……まあ、この後また戦うことになるんだけどな

それはアトラハシース内だけの話じゃない……地上でも敵が再び湧いてくるのだ

 

だから皆にはもう一踏ん張りしてもらうことになる

 

 

「酒泉………皆のあんな笑顔を見ることができたのは全てお前の────」

 

ずっとベアトリーチェの暴力に耐えながらも、それでも進み続けた錠前さん達自身の力ですよね

 

「────……ズルいぞ、先に此方の言おうとしていたことを封じるなど……」

 

 

 

先手必勝、何度も礼を言われるとむず痒くなるからな………

 

俺はただ、決戦前に自分の〝覚悟〟を決める為に皆に会いに来ただけだからな

 

………〝覚悟〟って変な意味じゃないぞ?ブルアカユーザーは〝覚悟〟って聞くとすぐに変なことを考えるからな……

 

その……なんていうか……こうして色んな人の顔を見てきて自分の護りたいものを再確認したいんだよ

 

〝まだ僕には帰れる所があるんだ〟的な?そんな感じだ

 

 

 

「………かつて互いに怒りをぶつけあって殺しあった私達が」

 

こうしてキヴォトスの為に戦っている……

 

「昔の私に言っても信じられないだろうな」

 

それどころか自分自身に銃口向けられるんじゃないですか?

 

「……違いない」

 

 

ふっ、と笑う錠前さんに釣られて俺も笑みが溢れてしまう

 

……いや、本当にこんな冗談を言い合える仲になるなんてな

 

「……あの時の私達はあまりにも〝外〟のことを知らなすぎた、それなのに最初からこの世界に希望など無いと決めつけて……」

 

そんなこと言ったら俺だってアリウスのことを何も知らなすぎましたから………アリウス自治区に侵入して初めて視野が広がりましたよ

 

……まあ、互いに幼かったってことで、ここは一つ

 

「………そうだな」

 

 

互いに懐かしむように過去を振り返る

 

なんか……アニメの最終回を見てるような気分になってきたな……

 

そう考えるとアトラハシース攻略した後に皆に会ってくれば良かったのか……?そのまま最後は風紀委員会に戻って画面が白くなってエンディングが流れて……みたいな?

 

 

「……酒泉」

 

……はい

 

「………」

 

………

 

「……違うな……」

 

……はい?

 

 

 

突然俺の名前を呼んだかと思えば、一人で何かを考え込む錠前さん

 

何が違うんだ……?

 

 

 

「……いや、酒泉が敵の拠点に乗り込むと聞いた時から何か送り出す言葉を考えていたんだが………しっくりくるのがあまり思い浮かばなくてな」

 

ああ、そういう………別に気の利いた言葉とか無理して考えなくてもいいですよ?

 

「……そう、だな………ならここは自分の考えていることを素直に口に出すとしよう」

 

 

そういうと錠前さんは俺の前に立ち、両肩を掴んで真っ直ぐ見つめてきた

 

 

「酒泉、必ず帰って来てくれ………この言葉は〝恩返しがしたい〟とか〝罪を償い切れていない〟だとか、それだけの意味ではない」

 

「私はまだお前と話したいし、お前と……その……色んな場所に足を運びたいとも思っている」

 

〝遊びに行きたい〟って言うのが恥ずかしくて言い方誤魔化したでしょ

 

「……………とにかく、これだけはハッキリ言っておく」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「絶対に死ぬな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「に、肉焼き終わったら……米と一緒にかっこみてえなぁ~~~……!!」

 

 

かっこめば善し!

 

 

「好きな野菜……挟んでイイんすか!?」

 

挟んで善し!

 

 

「体重増やしてええんか!?」

 

 

増やせば善し!

 

 

では、これより─────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────第n回!!!風紀委員によるBBQを開始する!!!

 

 

「「「「「おおおおおおおおおおっ!!!」」」」」

 

「……お、おー」

 

「恥じらうヒナ委員長……素敵です……!」

 

「……ていうか、なんでバーベキュー?」

 

「酒泉君が〝決戦前に一騒ぎしよう〟って……」

 

こういうのは最終決戦前のテンプレっすよ!

 

兎と戦車のヒーロー達だってやってたんですから!

「だ、誰……?」

 

 

 

 




便利屋ヒナちゃんの感想がいつもの数倍来ててビックリしました、(曇らせ)やっぱ好きなんすねぇ!

人の心とかないんか?
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