〝アリウス〟潰すゾ!!!   作:あば茶

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〝オリシュ〟目覚めるゾ!!!

 

 

 

 

「フウカさん!上から瓦礫が────」

 

「そんなの関係ないわ!このまま突っ切る!」

 

 

フウカの運転する車の数十メートル先に瓦礫の雨が降り注ごうとしている

 

だが、フウカはそれを見ても速度を落とすことはなくむしろより強くアクセルを踏み込む

 

 

「あ、危なかった……ぺちゃんこにされるところだった……!」

 

「相変わらずナイスドライブですね、フウカさん☆」

 

「うわっ!?ハンバーガー落としちゃった!?」

 

「どこから取り出したのよそれ!」

 

 

機械が爆ぜ、火の海が広がる

 

そんな道中を恐れずにいつも通りのテンションで通り抜ける美食研究会の生徒達

 

唯一違うのは今回車を運転しているのはフウカだということ………それも拉致されてではなく、自分の意思で

 

 

「もうすぐ目的地に着くわ!そこからはアンタ達の出番よ!」

 

「ふふっ……まさかフウカさんが自ら私達を車に乗せてくれる日がくるなんて……」

 

「余計なこと言ってると振り落とすわよ!」

 

 

いつも以上に強い口調で言い返すフウカ

 

その先には固く閉ざされた隔壁があり、それを見て一仕事終えたかのように胸を撫で下ろす

 

 

「────っ!」

 

 

だが、大きな爆発音と共に一際大きな瓦礫がその隔壁前に複数落下してくる

 

 

「アカリさん!」

 

「任せてください☆」

 

「全部使わないでね!ちゃんと端末破壊用に残しておいてよ!」

 

「分かってます……よっ!」

 

 

その瓦礫の山に向かってアカリが鞄の中に入っている大量の爆弾を鞄ごと投擲する

 

爆発音が連続で鳴り響き、爆煙が晴れる……が、全ての瓦礫を破壊する事はできず、幾つか亀裂が走っている状態で残っていた

 

 

「やたら頑丈ですわね……こうなったら残りは直接────」

 

「いいえ!これで十分よ!」

 

「……はい?何を────きゃあ!?」

 

 

再びアクセルを踏み、一度止めた車を急加速させる

 

そのまま亀裂の入った瓦礫に突撃し、激しい衝撃と共に瓦礫をぶち破った

 

 

「……きょ、今日は随分とパワフルですわね……」

 

「はい!到着!早く降りて準備を!」

 

「うぅ……頭打っちゃった……」

 

「は、吐きそう……」

 

「もたもたしないの!」

 

 

激突時の衝撃で頭を打ち付けたり胃から何かが出そうになった面々を無理やり起こし、シャッターの前に立たせるフウカ

 

 

「こちら給食部、愛清フウカ!中継端末前まで到着したわ!」

 

『はいはーい、こちら最東端。おじさん達の方も準備オッケーだよー………最西端の方はどんな感じ?オペレーターの子達に現場まで来てもらってるから時間が掛かりそうだけど……』

 

『こちら最西端担当の早瀬です!現在数人のオペレーターと移動中!間もなく解除装置前に到着………っ!見えた!』

 

『お?結構早かったね?』

 

『敵が第3エリアに集中していたお陰で問題無く到着しました!いつでもいけます!』

 

『そっか……よし、それじゃあタイミングはおじさん達に合わせてね?フウカちゃん達もそれでいい?』

 

「問題無いです!」

 

『じゃあ……行くよ?3……2……1────』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『0ッ!』

 

 

通信機から何かが破壊される音が響くと同時にフウカ達の目の前の隔壁が開かれる

 

 

「今よ!お願い!」

 

「皆さん!いきますわよ!」

 

 

アカリが最後の爆弾を部屋に投げ込むと同時に各々が銃を構える

 

目標は目の前の中継端末、絶対に外すまいと短い時間の中で慎重に狙いを定める

 

そして────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「自爆シーケンス、停止しました!」

 

「アトラ・ハシースからのハッキングも止まりました!」

 

「……ありがとうございます」

 

 

ウトナピシュティム内に残ったオペレーター……アコとアヤネから報告を受け、静かに礼を言うリン

 

その横には今にも倒れそうなほど疲れ切っているモモカとアユムの姿が

 

 

「な、なんとか……なりましたね……」

 

「で、でも……オペレーターの人員を割いてまで解除装置を破壊しに行くなんて………」

 

「オペレーターの中で直接的な戦闘に長けている者はユウカさんとカヨコさん、それと彼女達についていける程の平均的な戦闘能力を持つ者がハナコさんだけでしたので」

 

 

自身もハッキングへの対応で疲労しているであろうにも関わらず、リンは疲れを見せずに平然と答える

 

だが、休む暇もなく次はヒマリとリオに話しかける

 

 

「ヒマリさん、ウトナピシュティムの状態は?」

 

「演算機能や通信システム以外全体的にボロボロですね……この2つも無傷という訳ではありませんし、全て修復するとなると確実に間に合わなくなりますね」

 

「ならばその2つの完全修復に集中を、それ以外の機能は全て放棄して構いません」

 

「………ですが、そうすると脱出シーケンスの作成に時間が────」

 

「────それなら問題ないわ。貴女が演算機能を修復中、私が同時進行で脱出シーケンスを作成すればいいだけよ」

 

 

ヒマリは隣に座っているリオに視線を移し、その眉間に皺を寄せる

 

 

「……自分が何を言ってるのか分かっているのですか?それはつまり、不完全な状態の演算機能を使って脱出シーケンスを組み立てると……そう言っているのですよ?」

 

「足りない部分は私が自分の知識でどうにかすればいいだけの話よ」

 

「簡単に言いますね……」

 

「……40%、これは脱出シーケンスの完成度よ。このまま演算機能の完全修復を待っていては確実に自爆まで間に合わなくなるわ」

 

「───っ」

 

「半分にも満たない完成度のシステムを今すぐ完成させてそれを23人分用意する………出来るかどうかじゃない、やらないといけないのよ」

 

 

互いに視線をぶつけ合い、数秒間無言の時間が進む

 

先に口を開いたのはヒマリだった

 

 

「……信じていいんですね」

 

「途中で演算機能の修復が完了すればそこから更に作業効率が上がるわ………この意味、分かるでしょう?」

 

「………面倒で回りくどい貴女らしい言い方ですね!」

 

リオの伝えた言葉は単純

 

〝私も頑張るからそっちも頑張れ〟……そんなシンプルな応援だった

そこからは互いに言葉を発することなく、無言でコントロールパネルを操作しはじめた

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒナとシロコテラー、互いの放った弾丸が互いの頬を掠める

 

それに動じることなく互いに大きく踏み込んでから一気に距離を近づける

 

至近距離で突き出されたヒナの拳をシロコテラーが受け止めた瞬間、その小さな身体から放たれたパンチとは思えない程の衝撃がシロコテラーを襲う

 

 

「返せ」

 

「返せない」

 

 

シロコテラーはヒナの拳を受け止めたまま蹴りを放つが、ヒナはその腕で蹴りを受け止める

 

両手を封じられたヒナと違い片手が空いているシロコテラーはその手に持つ銃をヒナの額に向ける

 

だが、その瞬間ヒナは蹴りを受け止めている腕を下ろしてから屈むことでシロコテラーの体勢を崩し、その銃から放たれた弾丸を回避する

 

ヒナはお返しとばかりにシロコテラーの顎下にデストロイヤーを突きつけるが、その銃口をシロコテラーに掴まれて無理やり逸らされる

 

 

「……返して」

 

「……同じことを言わせないで、もう返せない」

 

 

シロコテラーの腹部を蹴り飛ばし、デストロイヤーで追撃を加えるヒナ

 

咄嗟に防ごうと腕を構えるが、僅かに反応が遅れて数発が肩に直撃する

 

折川酒泉との戦闘、そして────突然の覚醒

 

シロコテラーの体力は彼女が自分で想像している以上に消耗されていた

 

 

「……返せないなら……死んで償って」

 

「待って、ヒナ!1人で戦うのは────」

 

『先生!止まってください!』

 

 

1人でシロコテラーに襲いかかるヒナを止めようとする先生

 

そんな彼の上空から突如ミサイルが降り注ぐが、アロナの張ったバリアによってそれは防がれる

 

 

(今のミサイルを放ったのは……)

 

 

シロコテラーはヒナと戦闘中、なら残りは

 

 

「……それは」

 

 

視線の先には大人のカードを取り出しているプレナパテス

 

〝先生〟であるならば当然所持しているであろうそれは酷くボロボロだった

 

 

〈………〉

 

 

今度はタブレットを持って画面をタップするプレナパテス

 

すると、ヒナと戦闘中だったシロコテラーのスピードが上昇して一気にヒナの目前まで迫る

 

シロコテラーから振り下ろされた拳を先程のように腕で受け止めようとし────ガードしたヒナはそのまま殴り飛ばされた

 

 

「っ……!」

 

 

突然敵の身体スペックが上昇した事にヒナは驚愕するものの、体勢を立て直してすぐにシロコテラーに向かう

 

 

(今のは……生徒の強化か!だとしたら今のヒナだけじゃ……!)

 

 

「シロコ!ヒナの援護を!」

 

「……わ、分かった」

 

目の前の敵がもう1人の自分だと受け入れきれていないのか、未だに困惑しているシロコ

 

だが、先生の指示を受けてから数秒後には気を取り直してシロコテラーに向かった

 

先生も後ろから援護しようと大人のカードの力で自身の周囲にマシンガンタレットを出現させるが、直後にプレナパテスの方にもマシンガンタレットが現れる

 

 

「……大人のカードには大人のカードを……か」

 

〈────〉

 

 

同時にタレットが起動し、同時に弾が放たれ、全弾同じ位置で衝突する

 

完全に互角────そんな考えが先生の脳裏に過った瞬間、足元に違和感を覚える

 

 

「……は?砂?」

 

 

先程までただの硬い床だった場所が砂漠に変化していた

 

ヒナとシロコも突然の地形変化に戸惑い、唖然としている

 

その中で唯一行動を続けていたのはプレナパテスの能力を知っていたシロコテラーのみ、彼女は勢いよく踏み込んでヒナとシロコに接近する

 

ヒナは咄嗟に下がって回避しようとするが、先程までとは勝手が違う足場に翻弄されてバランスを崩しかける

 

シロコは流石アビドス生と言うべきか、突然砂漠の地形に切り替わっても慣れ親しんだ環境なら問題無いと言わんばかりに足に力を込める

 

そしてシロコテラーを迎撃しようと駆け出す────直前、再び地形がただの床に戻る

 

 

「な───っ!?」

 

 

普通の床を走るには力を込めすぎた脚、その直進スピードはシロコの想定を上回った……否、上回ってしまった

 

途中で脚を止めた頃には既にシロコテラーの横を通り過ぎており、シロコテラーはそのままシロコの背中を蹴り飛ばす

 

更についでのようにバランスを崩したヒナにも弾丸を浴びせようとするが、ヒナは咄嗟に羽で自身の身体を覆ってガードする

 

 

「ヒナ!砂漠での戦闘ならシロコの方が慣れている!地形が変化している間はシロコをメインに────」

 

 

指示を出す頃には既にヒナは立ち上がっており、先生の言葉など一切聞こえていないかのようにシロコテラーに向かう

 

 

(っ……駄目だ、冷静さを失っている……!)

 

 

瞳に殺意を込め、ひたすら攻撃を繰り返す

 

相手を殺す事しか考えていない生徒の姿を見て先生は心苦しそうに歯噛みするが、そんな彼にも容赦なくプレナパテスの大人のカードの力が襲いかかる

 

プレナパテスの上空に戦闘用のヘリが出現し、その銃口が先生に向けられる

 

 

(説得する暇すら与えてくれないのか………いや、当然か。こうなったらヒナが正気を取り戻すには目的を達成するか、もしくは────)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(────酒泉の生存を確認すること………頼んだよ、酒泉)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

「また無茶してたね」

 

────無茶しないと勝てない相手だったんですよ………まあ、結果だけ見れば勝ちとは言えませんけど

 

「……勝負には勝っても試合には負けちゃった感じかな?」

 

 

痛いところを突いてくるな……今頃シロコテラーは先生やこっちの世界の砂狼さんと戦闘中だろう

 

説得はできなくてもせめて足止めはと思っていたが……それすら出来ないとは申し訳ない

 

空崎さんは……決戦に参加してるのかな?それとも別のエリアで戦っているのか……

 

 

 

「……ねえ、酒泉君」

 

────ん?

 

「どうしてあそこで手を止めたの?」

 

 

 

連邦生徒会長は何かを試すような視線をぶつけてくる

 

……恐らく、俺がシロコテラーと戦っていた時の事を言っているのだろう

 

 

 

「誤解されないように先に言っておくけど、私は別にあの子に手を差し伸べた事を責めてる訳じゃないの。むしろ酒泉君のその優しさはとても誇れるものだと思う」

 

「でも、酒泉君の意識が最後まで保たれていたとしても相手がその手を握ってくれたとは限らないし、もしかしたら隙を狙われて攻撃だってされていたかも」

 

「先生達の元へ急ぐならあのまま引き金を引くのがベストだった、それなのにどうして────」

 

────だって、悲しいし

 

「……悲しい?」

 

────あのままプレナパテスの想いを知ることもできず気絶して……そんで起きたらいつの間にか戦いが終わっててプレナパテスも居なくなっている

 

────……そんなの、あんまりじゃないですか

 

「………うん」

 

 

大切な人に別れの言葉を言えず、その最期を見届けることすらできない

 

……そんな理不尽を自分の手で押し付けるなんて、俺にはできない

 

残す側も残される側も何も知らないまま二度と会えなくなるなんて、きっと胸が張り裂けそうなほど辛いはずだ

 

 

 

────あ

 

「どうしたの?」

 

────そっか、あの人は俺だったのか

 

 

 

改めて自分の思いを見つめ直し、1つの事実に気づいた

 

俺もシロコテラーも〝故郷〟には二度と帰れない、その世界の大切な人達にも二度と会えない

 

何の準備もしていないのに、覚悟なんて少しも出来ていないのに、突然〝日常〟というありふれた当たり前の物を奪われた

 

怒りをぶつける暇も不幸を嘆く余裕も無く、ただその身に降り注いだ理不尽を無抵抗に受け止めることしかできなかった

 

だから、俺とあの人は同じ────違う、1つだけ違う点が残っている

 

あの人にはまだプレナパテスがいる、まだ〝話せる〟んだ

 

肉体が滅びかけ、残された意思も消えかけ、それでもシロコテラーを見守ろうと色彩に己の全てを汚されながらも尚立ち続ける

 

そんな生徒思いの先生が残っているじゃないか

 

………プレナパテスは既に死んでいる、死人を蘇らせる方法なんて俺は知らない

 

それでも連邦生徒会長がアロナという存在に変わったように、百合園さんの意識だけが別の空間に飛ばされた時のように、クズノハが未知の世界に存在しているように

 

もしかしたらプレナパテスの〝魂〟だけを救う方法なら存在するのかもしれない

 

……かもしれない……が……現状でそれを知る術は存在しない

 

つまり────俺には助けられない

 

……それならば、せめて

 

 

 

 

────……連邦生徒会長、俺は後どれくらいで目覚めます?

 

「……やりたい事が見つかったって感じの顔だね」

 

────はい、やらないといけない事が見つかりました

 

「……それなら丁度良かったね、もうすぐ目を覚ますと思うよ………とんでもない頭痛と一緒に」

 

────うへぇ……

 

「酒泉君の身体……というよりも眼は限界に近いよ、そんな状態でさっきみたいな無茶をすれば────」

 

────大丈夫です、次戦う時は多分1人じゃないんで……さっきみたいに酷使する事はないと思います

 

 

 

この後襲ってくるであろう痛みを想像して意識を取り戻すのが億劫になりながらも、受け入れるしかないと諦めて肩を落とす

 

そんな俺の様子を見て連邦生徒会長はくすっと笑うが、そのあと突然落ち込んだかのように目を伏せる

 

 

「前に〝生徒さん達のことをよろしくお願いします〟って伝えた事があったけど……結果的に押し付けた形になっちゃったね」

 

────……押し付けた?

 

「この世界の生徒さん達のことも、別世界の生徒さんのことも………」

 

────……なんか勘違いしてますけど、ミレニアムの事件以降は全部自分から首を突っ込んだ事ですよ

 

「……本当に?私の言った言葉のせいとかじゃない?」

 

 

この人は今更そんなことを気にしてるのか……あ、そうだ

 

 

────じゃあ、もし罪悪感を感じてるだったら全部終わった後なんか奢ってくださいよ

 

「……え?」

 

────適当に甘いものでも……スイーツ詰め合わせセットとかでもいいですよ

 

「……ごめんね、お礼がしたくても私は酒泉君には会えないから……」

 

────だから〝全部終わった後〟って言ってるじゃないですか……貴女がなんでこんな所に居るのかは知りませんけど、やる事やったらさっさとキヴォトスに帰ってきて俺に美味いもん食わせてくださいよ

 

「酒泉、君……」

 

 

こっちだって原作知識フル活用して頑張ってんだ、これぐらいの我儘を言ってもバチは当たらないだろ

 

 

「……ふふっ……うん、分かった。じゃあ、もし私がキヴォトスに帰れる日が来たら、その時は………とびっきり美味しいものをご馳走するね」

 

────言いましたね?言質は取りましたよ?約束ですからね?

 

「うん、約束する………というよりも、酒泉君はそれでいいの?命を懸けて戦ったご褒美が食べ物って……」

 

────別に珍しいことでもないでしょ、多分美食研の人達も同じこと言いますよ

 

「そういう問題じゃないんだけどなぁ……ねえ、他に欲しいものとかないの?」

 

────んー……今のところ特には?

 

「えー?それだけだと私の気がなぁ……そうだ!それじゃあ私が〝あーん〟してあげよっか!」

 

────スイーツは自分のペースで食べたいので遠慮しておきます

 

「い、一瞬で断られた……」

 

 

 

糖分を摂取する時はね、誰にも邪魔されず自由で……なんというか救われてなきゃあダメなんだ

 

……というのは冗談で、別に誰かと食べるのも嫌いじゃない

 

でも俺は身体中に甘味が伝わるあの瞬間をじっくりと味わいたいんだ

 

 

 

「むぅ……連邦生徒会長からの貴重な〝あーん〟だよ?」

 

 

糖分の方が貴重ですぅ~

 

………なんて答えようとしたが、何故か声が出てこない

 

もしかして……アレか?

 

 

「……あれ?」

 

 

なんか連邦生徒会長の顔がぼんやりしてきた

 

意識も寝落ち寸前みたいな状態だし、連邦生徒会長の声もあんま聞き取れなくなってきた

 

 

「……そっか、もう時間なんだね」

 

 

あー……なんか考えるのが面倒になってきたなー……

 

 

「ちょっと寂しいけど、いつまでもお喋りしてる訳にはいかないしね……」

 

 

やばい……眠い……

 

 

「次、会う時は………死にかけじゃない時がいいな」

 

 

お昼寝に……ちょうどいい……ばしょ、は……どこ……かな……

 

 

「おやすみなさい、それと………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「行ってらっしゃい、酒泉君」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

頭痛が痛い……じゃなくて頭が痛い

 

一瞬だけトンカチで割られたような痛みを感じ、その後はひたすら倦怠感が襲ってくる

 

そしてそれ以上に目が痛い………が、シロコテラーとの戦闘で研ぎ澄まされた状態から解除されてはいないようだ

 

だが、俺の直感が告げている……〝長続きしないぞ〟と

 

……この目は結局なんなんだ?もしかして俺にも百合園さんみたいに特別な能力が────いや、俺にヘイローは無いしそれはあり得ないか

 

まあ、それを考えるのは今度でいいか。それより今は………どんな状況だ?あの戦いの後、俺はどうなった?

 

自分の身体を触って直接確認してみるが、特に鉛弾を撃ち込まれた形跡はなかった

 

………俺はシロコテラーに見逃されたのか?

 

何故俺にトドメを刺さなかったのか、何故俺を放置したのか、何故エグゼイドに変身できたのか……なんちゃって

 

こんな状況にも関わらずふざけた事を考えながらも、ズキズキと痛む身体を無理やり立ち上がらせる………よっこいしょういち!

 

さて……ビーム兵器は無事、バッテリーは残り僅か

 

スナイパーライフルとアサルトライフルは普通に使える……が、ポーチの弾は僅か

 

今からウトナピシュティムまで補給しに戻るか?

 

……いや、今が決戦の最中なら時間は残されてないな

 

戦況を確かめる手段も無い、それなら………

 

行くしかあるまい!デュエル開始の宣言をしろ!磯野!

 

デュエル開始いいいいいいいいい!!!(自己完結)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………うぇ、マジで頭いてえ……

 

 

 

 

 

 

 

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