〝アリウス〟潰すゾ!!!   作:あば茶

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大切な人も守れないオリ主いる?いねえよなぁ!?

 

 

 

『先生!再び地形に変化が!』

 

「そうはさせない!」

 

 

アロナの警告が聞こえると同時に先生は大人のカードの力でミサイルポッドを空中に出現させ、全弾をプレナパテスに放つ

 

だが、ミサイルは幾つかプレナパテスを避けるように曲がり、曲がらなかったミサイルも展開されたバリアによって防がれる

 

 

『……損傷、無し。空間生成開始』

 

 

A.R.O.N.Aの冷静な声と共に無傷のプレナパテスが爆煙から姿を現し、即座にタブレットを操作する

 

そして、地形が再び切り替えられた

 

 

「……っ!やっぱ簡単には突破できないか!」

 

 

シッテムの箱の……アロナの防御性能は先生自身が一番良く理解している

 

アロナとA.R.O.N.A、存在自体に多少の差異はあれど基本的な能力は殆ど同じ

 

ならば当然防いでくるだろうと予想は出来ていた……が、それを簡単に突破する手段は持ち合わせていなかった

 

更に、地形が砂漠に変えられたことでもう1つの戦場にも変化が訪れる

 

 

「……っ……また地形を……」

 

「……この程度、私には関係ない!」

 

 

先生が軽く視線を横に逸らせば、丁度タイミング良くヒナとシロコが隣まで吹き飛ばされてきた

 

だが、ヒナだけ怒りを滲ませた表情ですぐに立ち上がって再び駆け出した

 

 

「………さっきよりもこの地形に適応した動きになっているのは流石……だけど、まだぎこちない」

 

「うる、さいっ!」

 

 

砂漠での戦闘に慣れているが、強化されたシロコテラーに比べると身体スペックが足りていないシロコ

 

強化されたシロコテラーにも食らいつける程の身体スペックがあるが、不慣れな地形での戦闘のせいで100%の力を発揮できないヒナ

 

上手く噛み合わない、シロコテラーだけが満足に動けるこの状況

 

ヒナやシロコの身体に少しずつ生傷が増えていく

 

 

「……っ……後ろから援護する」

 

 

シロコがドローンを左右に展開してシロコテラーを挟むようにミサイルを放つが、シロコテラーはそれを後ろに飛び退いて回避してから一旦距離を取る

 

シロコテラーが地面に着地すると同時にヒナはデストロイヤーの銃口を回避先に向け、全ての弾を撃ち出す勢いで引き金を引く

 

……が、その直後に砂の地面が硬い床に変化し、それを足場にシロコテラーが勢いよく横に跳ぶ

 

 

「───っ!」

「……砂場なら遠くに跳べないとでも思った?」

 

 

シロコテラーはそのまま円を描くようにヒナに接近し、その背中に銃口を向ける

 

ヒナは羽を咄嗟に背で重ね合わせ攻撃を防ごうとするが、シロコテラーはその羽を掴んで自身の元にヒナの身体を引き寄せる

 

更に抵抗しようとしたヒナの足を自分の足で払い、背中から地面に打ち付けられたヒナの頭部に銃口をくっつける

 

そしてシロコテラーが引き金を引くと同時にヒナの頭部に激しい痛みが走った────が、全弾を撃ち切る前にシロコテラーはヒナから離れた

 

その直後、先程までシロコテラーが立っていた場所をアサルトライフルの弾が通過する………シロコによる援護射撃のお陰でヒナが受けるはずだったダメージが抑えられた

 

 

「……貴女の好きにはさせない」

 

「………無駄、実戦経験の差が離れすぎている」

 

 

流れるように接近戦を始めるシロコとシロコテラーだが、素人目から見ても理解できるほどにシロコの方が追い詰められていた

 

 

「貴女も可哀想に……下手に抵抗しなければ何も知らないまま消える事が出来たのに」

 

「……私は認めない!〝砂狼シロコ〟は絶対に先生を傷つけたりはしない!」

 

「〝砂狼シロコ〟の本質は〝世界を死に導く神〟……そこに貴女の意思は関係しない、遅かれ早かれ貴女は世界を滅ぼす」

 

 

パワー、スピード、技術、身体の耐久

 

そして武器のリロードスピード、その全てでシロコテラーに軍配が上げられていた

 

 

「貴女じゃ私には勝てない」

 

「ぐっ───!?」

 

 

シロコテラーの膝がシロコの腹部に入り、そのまま踞る

 

そんなシロコの顔をシロコテラーは容赦なく蹴り飛ばし、即座に追撃を加えようと銃を持つ手を上げる

 

 

(大丈夫……この体勢なら間に合う……!)

 

 

銃口が向けられる頃には既に立ち上がっていたシロコはそのまま身体を逸らして回避しようと足を動かす……が、足に謎の重さを感じて止まってしまう

 

その一瞬の隙を狙われ、正面から全ての弾を食らってしまったシロコは身体が後ろに仰け反る

 

 

「───水!?」

 

 

視線を下ろした際に視界に映ったのは辺り一面に広がる海────その浅瀬だった

 

背中がずぶ濡れになりながらもシロコが視線をプレナパテスに向けると、そこにはタブレットを操作した後であろう立ち姿が

 

 

「なんで……っ!」

 

「〝砂漠にしか変えられない〟と言った覚えはない」

 

 

地面が再び硬い床に戻る

 

まるでゲームのステージセレクトのように戦場を切り替えるプレナパテスを止めようと、先生が大人のカードを振る

 

すると上空に戦闘用ヘリが姿を現す────同時に、それと似たようなヘリがプレナパテス側からも出現する

 

 

『先生!あのヘリ、私達の物と同じタイプです!』

 

「なら攻撃方法も……!」

 

 

互いのヘリから射出されたミサイルが同時に激突し、熱と共に爆発が広がる

 

全く同じ位置に放たれたミサイルは生徒達には一切降り注がれなかった

 

 

(私の手が全てバレている………最初から分かり切っていたことだけど)

 

 

プレナパテスは戦闘開始時からずっと先生に合わせるかのような行動を選んでいる

 

どのタイミングでどの兵器を使うのか

 

プレナパテスは〝先生〟であるが故に〝先生〟の考えなど我が事のように理解していた

 

 

(やっぱり自分同士の戦いは一筋縄じゃいかないな……せめて他の子の力を借りることが出来れば!)

 

「シロコ!ヒナ!一旦下がって!ここは一度、防御を固めて────」

 

「……ん、分かった────っ、待って!ゲヘナの風紀委員長が……!」

 

 

先生の声に反応して大きく後退するシロコ、その一方で先生の指示とは逆に正面に踏み込むヒナ

 

1人でシロコテラーに近づき、身体を回転させて回し蹴りを放つ

 

シロコテラーはそれを両腕をクロスして受け止め、その強化された肉体で数メートル後ろに飛び退く

 

 

「逃がさない……!地形ごとに戦闘スタイルを変えるのなら、ずっと張り付けばいいだけ……!」

 

 

近接戦闘以外の択を潰そうとシロコテラーの腕を掴みに行くヒナ

 

シロコテラーとの間の距離が残り数歩程度まで近付いた瞬間────突如、出現した謎の建物にヒナが閉じ込められた

 

 

「これは……市街地か!?」

 

 

その建物は何処にでもあるごく普通の一軒家だった

 

シロコテラーはその建物の中に手榴弾を2つ投擲し、数秒後に窓から爆発の衝撃が溢れる

 

その影響で壁や天井などが破壊されるが、直後にその建物は一瞬で姿を消し、跡には爆煙と焦げた床だけが残された

 

 

「────っ、ヒナ!」

 

 

その爆煙の中から羽で前方を覆ったヒナが飛び出し、シロコテラーに襲い掛かる

 

流石はゲヘナ最強の生徒と言うべきか、身体には多少の傷を負っているものの、戦闘不能状態に陥る程のダメージは受けていなかった

 

 

「この程度の爆発で────カ゛ハッ!?」

 

 

だが、最初からそれを予期していたかのようにシロコテラーが拳を構える

 

突撃してくるヒナの腹部にカウンター気味に拳をめり込ませると、嘔吐いているヒナの首を掴んで更に腹部に弾丸を浴びせる

 

 

「…ぅ……づ……!」

 

「冷静さを失っている貴女では相手にならない」

「うる、さい……っ゛…酒泉、を……返、せ!」

 

「……もう、何度も聞いた」

 

 

銃のリロードを終えたシロコテラーはヒナにトドメを刺す為に一歩また一歩と近付いていく

 

「やらせないっ!」

 

 

距離を取って下がっていたシロコもヒナを助けようと一気に駆け出す……が、先生は見逃さなかった

 

シロコテラーの視線が一瞬だけシロコに向けられたのを

 

 

(ヒナを囮にしてシロコを釣ったのか!?)

 

「───アロナ!シロコとヒナにバリアを!」

 

『で、ですが……!それだと先生が───』

 

「私はいいからっ!」

 

『……わ、分かりました!』

 

 

先生は咄嗟にシロコとヒナにバリアを張る……が、代わりに無防備になった先生に対してプレナパテスが空中から出現させたミサイルが降り注ぐ

 

先生も大人のカードの力でタレットを召喚し、幾つかのミサイルを空中で迎撃する事に成功する

 

 

(撃ち漏らしッ!?しまった────)

 

 

だが、撃ち抜くことが出来なかった2発のミサイルが先生の元に飛来し、そして────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2発とも、針のように鋭い青い光に貫かれた

 

 

先生が立っている位置から数メートル離れた場所で撃ち抜かれたミサイルは空中で爆発を起こした

 

 

「───っ!?」

 

だが、青い光はそのまま止まる事はなく一直線に突き進み、今度は銃を握るシロコテラーの手を撃ち抜く

 

3枚抜き────計算され尽くしたかのようなたった1発の弾が戦況を変えた

 

 

「……今のは……」

 

 

シロコテラーは倒れ伏すヒナと立ち尽くすシロコから距離を取ると、その弾が飛んできた方向を見据える

 

 

 

 

 

────ちょっとさぁ……これはあんまりじゃないか?

 

 

 

 

その男の目には血涙の跡が残っており、身体のあちこちも負傷していた

 

 

 

 

────俺を無理矢理ナンパして2人きりでのデートを強制してきたかと思えば、1人で勝手に帰りやがってよぉ……

 

 

 

 

だが、そんな事を一切感じさせない程に、男は堂々とその足で立っていた

 

 

 

 

────しかも1日も経たねえ内に全く別の男女引っかけて、今度はそっちとデートだぁ?ちょっと目移りすんのが早すぎるんじゃねえか?

 

 

 

 

 

コツ、コツと

 

そのボロボロの身体で一歩ずつ歩いていくと、男はヒナの前で足を止めた

 

その背は、まるでヒナを守る盾の様で

 

 

 

 

────そんなことするクソボケなんて……背中から刺されても文句言えねえよなぁ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……しゅ、せん?」

 

────ここかぁ?祭りの場所は……なんちゃって

 

 

 

 

 

 

 

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