〝アリウス〟潰すゾ!!!   作:あば茶

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FOX小隊が実装されてないせいで七度さん以外の名字が分かりません

そのせいでヒナよりもミカよりもサオリよりもリオよりも先にお狐さん達が名前で呼ばれることになりました、あーあ


クソボケ、いなりを食らう

 

 

「おいなりさんうめぇ」

 

「ほんと?それならよかった」

 

 

前回のあらすじ、普通の歓迎会でした

 

ふふっと笑いかけてくるピンクの髪色をした少女、暖かさと優しさを感じさせるその笑みを前にし、顔が近いのもあって一瞬ドキッとさせられる……と同時にどことなく懐かしい気持ちにもさせられる

 

この雰囲気はなんというか……身近というか……母親的な……あれだあれ……えっと……

 

 

「……なるほど、これがバブみか」

 

「?」

 

 

キョトンと首を傾げるニコさんに〝気にしないでください〟と告げてからおいなりさんを頬張る、貴女に母性を感じてましたなんて馬鹿正直に伝えると間違いなくこの場で袋叩きにされるので黙っておこう

 

いやしかしこのおいなりさんは本当に美味いな、今まで食ってきた中で一番美味い、具体的にどれくらい美味いのかと言うと一口中に運ぶ度に大声で〝うまい!うまい!〟と叫びたくなるくらい美味い……んぐっ!?

 

 

「んごごごごご……」

 

「大丈夫?お茶飲む?」

 

 

少々急いで食い過ぎたせいか、喉の奥でおいなりさんが詰まってしまい息苦しさが襲ってきた

 

するとニコさんが背中を擦りながら冷たいお茶を手渡してくれたのでそれを一気に流し込んだ

 

 

「っはー……すみません、助かりました」

 

「どういたしまして、そんなに焦らなくてもおいなりさんならまだまだ沢山あるからゆっくり食べようね?」

 

「お母さ……ん゛ん゛!はい、ありがとうございます」

 

「子供じゃないんだから落ち着いて食べなさいよね、話し合う前に死んじゃったら元と子もないんだから」

 

「そうだよ、酒泉よりも子供っぽいクルミでも静かに食事できるんだから」

 

「そうそ────どういう意味よそれぇ!?」

 

 

わーわーきゃーきゃーとキャットファイトならぬフォックスファイトを始めるクルミさんとオトギさん

 

いいぞ、もっとやれ。女の子同士のガチ喧嘩はドロドロしてて見れたもんじゃないが、ただのじゃれあいならば大歓迎&大歓喜だ

 

……にしても、SRTにもちっちゃくてわんぱくそうな金髪狐が生息してたんだな、実は百合園さんの親戚だったりしない?

 

 

「成る程、このナイフは確かにそこらの代物とは違うようだな……見たところ相当使い込まれているな?」

 

「あ、はい。三、四年前からずっと使ってますんで……何回か打ち直してもらってるのもありますけど」

 

 

ユキノさんは何をしているのかというと特に二人の喧嘩を止めようともせず俺の武器を興味有り気に眺めていた、それでいいのかFOX1

 

あ、ちなみにFOX小隊を名前で呼んでる理由は本人達が〝名前でいい〟と言ってくれたのでそのお言葉に甘えさせていただきました、はい

 

 

「遠目から見るだけではただの小さめのミリタリーナイフにしか見えないが……こうして触れると少し肌が触れただけでも頑丈さが伝わってくるな」

 

「中々いいでしょう?一本8万円のところを三本まとめて買えばなんと18万円ですよ、まあ特注品なんで俺以外買えないっすけど」

 

「……それ高くない?」

 

「その分滅多に壊れないんで長い目で見ればお得ですよ、弾とか防いだりしてたら流石に細かい傷は付きますけど」

 

「そもそもナイフは弾を防ぐ用じゃなくない?」

 

「…………っ!?」

 

「なに〝衝撃の真実を聞かされた〟みたいな顔してんのよ」

 

 

そんな……だ、だって俺のナイフはいつも弾を弾いて俺の命を守ってくれてるし……

 

そ、それに攻撃面でも役立つし……キヴォトス人の肉体までは簡単に切れないけど、それでも皮を割て痛みを走らせて隙を作るくらいなら……

 

 

「その使い方は跳んでくる弾の位置を正確に把握できる君だからこそ成立するものだ、想定されている用途とは違う」

 

「……俺の戦い方、調べたんですか?」

 

「接触する相手の情報を事前に調べておくのは常識だろう」

 

「なるへそ」

 

そういや今回は不知火さんの頼み事とやらの内容を訊く為にこんな山奥まで来たんだったな……それとFOX小隊のその後が気になったからってのもあるけど

 

 

「さて、食事も済ませたところでそろそろ本題の方に移ると……」

 

「酒泉君、またおかわり作ってきたんだけど食べる?」

 

「えっ!?マジで!?いいんすか!?ありがとうございます!」

 

「おいなりさんプラス30個!?ちょっと気合い入れすぎじゃない!?」

 

「酒泉君があまりにも美味しそうに食べてくれるから、つい……」

 

「〝つい〟じゃない!私達こんなに食べきれないわよ!?」

 

「大丈夫です!俺が全部食うんで!」

 

「お、おお……流石は男の子の食欲……」

 

「……よし、食べながらでいいから聞いてくれ」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

「あむっ……サーモバリック弾?ああ、確かカイザーが管理してるやつっすよね?子ウサギ駅地下に作られた格納庫に隠してあるとかなんとか」

 

「やはり把握していたか、私達と不知火室長の関係を知っているのならその可能性もあると思っていたが……そうだ、サーモバリック弾は未だカイザーの元に置かれている」

 

「おいなりさんうっま……それはちょっと怖いですね、あんな連中に持たせてると何されるか分かったもんじゃないですし」

 

「ああ、だから私達はサーモバリック弾を無力化する為に格納庫最深部のオペレーションルームに潜入しようと試みた……が」

 

「……なーんかセキュリティがガッチガチになってるんだよね、当然の事ではあるんだけどさー」

 

 

〝面倒だなー〟とぼやいてから口を尖らせるクルミさん、声色だけなら緊張感無さげに見えるが、その顔付きからは不機嫌さを感じられる

 

まあ、カイザーなんて組織の名を聞いて良い顔をする生徒の方が少ないだろうしその反応も仕方ないだろう、奴等は〝子供を食い物にする大人〟の典型的な例なのだから

 

 

「私達さ、そのサーモバリック弾を押さえてから自首するつもりなんだよねー」

 

「……っ、やっぱそうでしたか」

 

「あれ?知ってたの?」

 

「はい、不知火さんが〝自分達を裁く証拠を集めに行くのに何を喜んでいるのやら〟ってぼやいてましたよ」

 

「あはは、やっぱりそんな反応になるよね」

 

「……その、皆さんは恨んでないんですか?」

 

「恨む?……何が?」

 

「不知火さんをです」

 

 

特に気にした様子も見せずただ笑うだけの二コさん、他のメンバーも大した反応は見せない

 

今まで散々不知火さんに利用されてきたのに特に言うことはないのか、それだけが気になってついその事を訊ねてしまった

 

 

「だって、SRT復興をチラつかせられて色んな事をやらされたんでしょ?その事にムカついたりしないんですか?」

 

「……それは少し違うな、確かに君の言う通り不知火室長は私達に様々な指令を出してきた。時に己の正義を曲げ、時に己の手を汚し……だが、それらは全て私達自身で選んだ道だ、彼女はあくまで私達に〝選択権〟を与えたに過ぎない」

 

「断ろうと思えば断れたしね……それでも私達は室長に従う事を選んだけど」

 

「……ムカつくけど、室長は私達を脅した訳じゃないし。あくまで〝SRT復興を目指すならこういう道もある〟って提案しただけ」

 

「私達は自分の意思で彼女の悪事に加担したの……だから、私達も室長と同じく裁かれないといけないと思ったんだ」

 

 

律儀な人達だな、少しくらい言い訳をしても許される立場だろうに……まあ、斯く言う俺も全責任が不知火さんにあるとまでは思っていないが

 

この人達にとって不知火さんはSRTに手を伸ばしてくれた数少ない人でもあるんだろうな

 

 

「んで、その不知火さんはなんで俺に協力を求めたんですかね?確かに以前〝何かあれば手を貸す〟みたいな事を言った記憶はありますけど……」

 

「ああ、その事に関してだが……そうだな、先ずこれは伝えておこう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「折川酒泉、君はカイザーに狙われている」

 

 

 

 

 

 

 

 

「……俺が?」

 

「ああ、格納庫に潜入する為にカイザー周りの調査をしている内に明るみになった事実だ」

 

 

どうして俺が狙われなきゃ……って思ったけど幾つか心当たりがある

 

まず一つは最終編で返り討ちにされた逆恨み、流石にこの線は薄いだろう

 

次にカイザーが俺の持っている情報を恐れた可能性、カイザーと防衛室が手を組んでいる事を知っていた俺に対する警戒、こっちの線の方がまだ有り得そうだ

 

 

「最悪自分達の企業機密を全て握られているかもしれないと、不知火室長とカイザージェネラルを脅した一件で警戒されたのだろう」

 

「まあ、やっぱそっちですよね……でも、それが何の関係が────あっ」

 

言葉を出し切る前に一つの考えが頭を過り、口を閉ざす

 

ユキノさんと視線を合わせてみれば先程までのキリリとした表情が崩れ、申し訳なさそうな表情に変わっていた

 

……予想通り、か

 

 

「カイザーのセキュリティが強化されているとはいえ、それでも強硬突入も出来なくはない……だが、その場合の懸念点はカイザーが証拠隠滅を謀るかどうかだ」

 

「流石のカイザーでも証拠隠滅の為に仲間と市民ごと爆弾をドカーン!……なんて事はしないと思いたいんだけどねー」

 

「でもアイツら負の信頼があるから絶対無いとは言い切れないのよ……実際に仲間を切り捨ててるし」

 

「……オペレーションルームを制圧して、そこでサーモバリック弾を無力化できれば後は強引に進められるんだけど」

 

 

カイザーならやりかねない、その意見には完全に同意だ

 

キヴォトスには世界観に許されてるだけの犯罪者なんて生徒含め幾らでもいるが、カイザーはその中でも特に悪辣な部類に入るであろう連中だ

 

そんな連中が市民達の足元に爆弾を埋め込んでるなんてとても安心して暮らせるもんじゃない

 

 

「あの日の制圧任務以降私達は君と共闘した事はない、強いて言うなら映像媒体で君の戦術対抗戦での活躍を視聴したぐらいだ……それだけでも、君の実力がカイザーごときに後れを取らないであろう事を理解するには十分だった」

 

「……だとしても、こんな事を君に頼むのは間違っているのだろうな。それを分かっていながら助力を求めようとするなんて可笑しな話だ」

 

「それでも言わせてくれ……折川酒泉。私達の全身全霊を懸け、この命に代えてでも君を守ると約束する、だから────」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「頼む、格納庫に潜入する為に囮に「あ、いいっすよ(快諾)」なってく……え?」

 

 

予想通りの依頼内容、特に断る理由も無かったので食い気味に返事をするとユキノさんはポカンとした表情で見つめてきた

 

しかし成る程、道理で不知火さんが極秘任務扱いして先生を頼らない訳だ……だってあの人俺が囮になるの許してくれなさそうだもん

 

囮役はもちろん俺が行く(卑劣並感)

 

 

「……いやいやいや、返事早くない!?アンタ自分が何言ってるのか分かってるの!?」

 

「カイザー潰す、皆ハッピー、俺の財布も不知火さんからの謝礼でハッピー」

 

「そうだけどそこじゃない!」

 

「紙幣に囚われた機兵共ノックダウン!ドラマティックに奪い取るサーモバリック?腹の肥えた成金成敗!一線越えたバイ菌にsay!good-bye?」

 

「韻を踏むな!!!」

 

「Foooooo!!!」

 

「Foooooo!!!」

 

「アンタもなに乗ってんのよオトギ!!ハイタッチしてんじゃないわよ!!」

 

 

シロコさん、プラナ、父さんな、今日からラップで食っていこうと思うんだ

 

今度から俺の事はチェケラとでも呼んでくれ、多分暴走して或人社長に破壊されるだろうけど

 

 

「……で、本当にいいの?これ結構危ない任務なんだけど」

 

「急に真面目になるんじゃないわよ……」

 

「いやーやっぱちゃんとすべきところはちゃんとしないとね?」

 

「……そうだよ酒泉君、これは重大な話なんだよ?そんなすぐに決めちゃっていいの?」

 

「なんで急にしおらしくなってんですか、そっちからお願いしてきたんでしょ?」

 

「そう、だけど……もし、流れ弾とかが───」

 

「大丈夫です!俺昔リンチされて身体中穴だらけにされたことあるけど生きてたんで!最悪頭と心臓守ってりゃ耐えられますよ!」

 

「うん、それドヤ顔で言うことじゃないね」

 

 

オトギさんに呆れ顔でツッコまれるが俺としては本気で誇れることだと思っている、必ず耐久1残るのはもはや才能と言っていいだろう

 

どうも、キヴォトスで貴重な特性・がんじょう持ちのポケモン、折川酒泉です。多分ステロ撒き要員にはなれると思います、パオジのつららで怯ませるのだけはやめてください

 

 

「皆さん心配しすぎですよ、流れ弾程度なら自分で何とか出来ますし最悪囲まれても大丈夫です。……それともなんです?もしかしてさっきの〝守ってくれる〟ってのは嘘だったんですか?それか────皆さんプロなのに自信が無い、とか?」

 

「……ふっ……言ってくれるな」

 

 

挑発するようにニヤリと笑みを向ければ、意外な事にユキノさんも笑いながら返事をしてきた

 

それでいい、それでこそSRTのトップ精鋭部隊に相応しい……俺SRTのこと詳しくないけど

 

 

「今一度誓おう、私達の命に代えてでも君を守ると。だから頼む、私達に力を貸してくれ」

 

「勿論……ただし、一つだけ条件を付け加えさせてください」

 

 

命に代えてもとかそんなのはまっぴら御免だね、俺はもう二度と死にたくないし誰かを悲しませるのも嫌だ

 

当然他の人の死だってこれ以上目の前で見たくない、見たい死に方があるとしたら悔いのない人生を送って天寿を全うした人が笑顔で死んでいく姿だけだ

 

だから────

 

 

「命に代えてもとか命を懸けてとかそんなのは全部無しです、全員で生きて帰りますよ」

 

「……ああ!」

 

 

力強く、そして覚悟を持った目で頷く小隊一同

 

一度彼女達の動きを見ている身からすればその立ち姿だけで頼もしさを感じられる

 

 

「さて、次は作戦会議だが……実は既に一つ手を考えてある」

 

「流石、仕事が早いっすね」

 

「まずは〝格納庫付近で折川酒泉を捕えた〟と報告する、そうすれば君を拘束する為に一旦セキュリティゲートを開けて外に出てくる筈だ」

 

「送り届ける?……でも、誰がどうやって?」

 

「…………変装が得意な奴の力を借りる」

 

 

俺の質問を受けたユキノさんは眉間に皺を寄せ、心底悔しそうに拳を握りながら答えた

 

な、何をそんなに怒って……いや、悔しがっているんだ……?

 

 

「本来ならこんな手段など選びたくなかった……だが、しかし……彼女以上の適任は……ぐ、く……ぐぅ……!」

 

「ユ、ユキノちゃん!落ち着いて!」

 

「まーた発作起こしてる……私達の手なんてとっくに汚れてるし今更でしょ?」

 

「そうそう、それにどうせ渡した情報も違法取引された盗品の絵画の情報だし?」

 

「だ、だとしてもだ……彼女に頭を下げるのもこんな手を使うのも今回が最初で最後だ……」

 

「……あの、その変装が得意な人というのは一体……」

 

「……すまないが彼女の名前は教えられない、それと変装前の姿もな。それが協力してくれる条件なんだ」

 

「え、えぇ……」

 

「だが、君を安心させられる腕だけは持っていると断言は出来る」

 

 

な、なんかよー分からんがユキノさんは自分の信念に反する事をしてしまったらしい

 

そんなヤバい奴と手を組んでしまったのだろうか……ま、まあ俺だって便利屋と協力したことあるしそこまで気落ちしなくても

 

 

「と、とりあえず了解しました……じゃあ次は潜入した後の流れを教えてください」

 

「ああ、任せてくれ」

 

 

彼女達の信念、俺を狙うカイザーの企み、謎の変装人の存在、めちゃくちゃ美味かったおいなりさん

 

様々な思惑が入り乱れたこの会議は、俺にとって新たな戦いのゴングとなった

 

 

「ところで酒泉君、またおいなりさんのおかわり作ったんだけど……食べる?」

 

「食べまぁす!」

 

「いつの間に作ってたのよ……」

 

「……ねえ、今日の二コなんか気合い入りすぎじゃない?」

 

「……ああ」

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

「うーい、帰ったぞー」

 

「ん、お帰り」

 

 

昭和のおっさんみたいに土産を片手で持ちながら帰宅するとシロコさんがとてとてと出迎えに来てくれた

 

 ……うん、やっぱ〝おかえり〟を言ってくれる人が居るって幸せなんだな、仕事帰りの父さんも同じ気持ちだったのだろうか

 

 

「今日はどこに────ん」

 

「ん?どうした?」

 

「……獣臭い」

 

 

急に言葉を止めたかと思えば鼻を近づけてスンスンと匂いを嗅いでくるシロコさん

 

獣臭いとはなんぞや、今日は特に動物と触れ合ったりしてないぞ……いや、お狐さんとは会っていたけど別にあの人達獣臭くないし

 

むしろあの空間は良いにお……この発言はアウトか?アウトだな止めておこう

 

 

「そうだ!シロコさん、今日は手土産があるんだ」

 

「土産?」

 

「そうそう……じゃーん!いなり寿司でーす!」

 

 

プラスチックの容器に詰められたいなり寿司10個……が2ケース、勿論二コさんお手製だ

 

これがもう本当に美味しくて美味しくて、なんかもう細胞が求めてるんじゃないかってレベルで食い過ぎてしまった。誇張抜きで三十個以上は食ってた気がする

 

 

「……そんなテンション高くするほどの物じゃないと思うけど」

 

「まあまあ、食ってみたら分かるって……おーい、帰って来たぞーぷりゃなー」

 

《んー……いまのわたしは……さんばいつよいです……》

 

「この前は二倍じゃなかったか?」

 

 

充電台に刺さってるタブレットに挨拶するとプラナがうつらうつらしながら返事をしてきた、もしや起こしてしまっただろうか

 

かくんかくんと半分夢の世界に入り込んでいそうな様子だったのでそっとしておいてあげよう……良い夢見ろよ!

 

 

「今日は何処に行ってたの?」

 

「んー?ちょっと山登りしにな……シロコさん、俺ちょいと着替えてくるから代わりにいなり寿司分けといてくれ。俺6個シロコさん7個で、それとプラナの分も7個残しといてくれ」

 

「ん、早くしないと酒泉の分も食べる」

 

「デザートにくろくまアイスも買ってきたぞー」

 

「ん、ずっと待ち続ける」

 

「それでよし」

 

 

耳をピコピコさせながら台所に駆ける現金な狼、その背中を見送ってから自室に戻りクローゼットを開ける

 

部屋着は……ジャージでいっか、どうせ明日も休みだし今日は一日中この格好でいよう

 

 

「二連休たまんねぇ……ん?」

 

 

前世では当たり前に取れていた筈の二連休に感動を覚えているとさっき毛布の上に雑に投げ捨てたスマホからピコンと音が鳴った

 

画面を開けばモモトークにメッセージが送られており、名前のアイコンのところには見慣れぬ二文字が書いてあった

 

 

二コ:こんばんは酒泉君、ちゃんと真っ直ぐ帰れた?

 

 

「……二コさん?」

 

 

……そういや今日最後にFOX小隊の皆とモモトーク交換したんだった

 

若干此方を幼子扱いしてる様な冗談混じりのモモトークに〝迷子になって泣きかけたけどなんとか帰れました〟とこれまた冗談混じりに返す

 

すると二コさんから狐が〝がんばったネ!〟と言いながら跳び跳ねているスタンプを返された

 

 

「……まさか本当に心配してる訳じゃ────あ、来た」

 

 

もしや俺の頭が残念過ぎてガチ目に心配されてたんじゃと勝手に落ち込みかけていたその時、再び二コさんからモモトークを送られてきた

 

内容は〝今通話しても大丈夫?〟という旨、何か伝え忘れた事でもあるのだろうかと首を傾げながらオーケーのスタンプを返す

 

すると数秒後、突如トークルームの画面が通話用の画面に切り替わった

 

 

『もしもし?酒泉君?』

 

「はい、酒泉です……どうかしました?」

 

『ちょっと話したいことがあって……ごめんね?時間取っちゃって』

 

「なーに、女の子との通話ならいつでも大歓迎ですよ」

 

『もー、あまり先輩をからかっちゃ駄目だよ?』

 

 

発言を咎められるも、声色が優しすぎてあまり怒られている感がない、勿論向こうも本気で怒っている訳ではないだろうが

 

それはそうと本題に……と言おうとしたらところで、先に声を発したのは二コさんからだった

 

 

『実は酒泉君と二人きりでお話ししたくて……本当は歓迎会の時に伝えられたらよかったんだけど、中々二人になる機会がなかったから』

 

「……二コさんこそ俺のことからかってます?」

 

『ふふっ、どうだろうね?』

 

 

男の子をドキドキさせるような言葉を言いやがって……勘違いしちまっても知らんぞ────!

 

……という冗談はさておき

 

 

「で、二コさんが話したいことってなんです?」

 

『うん、ユキノちゃんの事でちょっとね』

 

「……ユキノさんの?」

 

『あ、いや、私達全員の事でもあるんだけどね?でも一番大きく影響を受けたのはやっぱりユキノちゃんだから……』

 

 

すん、と急に静かになるスピーカー

 

数秒だけ微かに深呼吸する音が聞こえ、再び二コさんの声が聞こえてきた

 

 

『実は、ずっとお礼が言いたくて』

 

「…………礼?」

 

 

 






サオリ「だったら今すぐアツコを……ミサキを!ヒヨリをここに連れてこい!そうすれば復讐なんて今すぐやめてやる!」

卑劣川酒泉「よし分かった……穢土転生の術!」

ヒヨリ「……あ、あれ?私は死んだ筈では……」

酒泉「槌永ヒヨリ」

ミサキ「……最悪、せっかく楽になれたと思ったのに」

酒泉「戒野ミサキ」

アツコ「……ごめんねサッちゃん、一人にしちゃって……苦しかったよね?でももう大丈夫だよ」

酒泉「秤アツコ、皆お前の家族だ」

サオリ「み、みんな────」

卑劣川酒泉(ナルトス仕様)「こいつらも爆弾にしてやんよ!!ぎゃはははははは!!」

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