〝アリウス〟潰すゾ!!!   作:あば茶

70 / 514
if世界~ミレニアムルート~その5

 

 

 

 

────……ねえ、調月さん。本当にこれ言わないと駄目なんですか?

 

「そうよ、こういうのは形からよ」

 

────……

 

「……何を躊躇っているの?貴方はこういうシチュエーションが大好物だった気がするのだけど」

 

────そりゃそうですけど……でも……名前が……

 

「……?」

 

────……ま、まあいいや。とりあえず戦闘シミュレーションスタートって事で……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────折川酒泉!インフィニットアバンギャルド君、出るッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

《残存敵勢力、残り28体》

 

 

────トゥ!!!

 

 

《残り27体》

 

 

────ヘアー!!!

 

 

《残り26体》

 

 

 

ここは調月さんが作り上げたシミュレーション装置の中、大きさ的には一般人の住む一軒家をまんまるにした感じだ

 

モニターは当然全方位、周りの画面には敵がうじゃうじゃと涌いている

 

あ、因みに俺が今乗っているインフィニットアバンギャルド君という機体は実在していません。このシミュレーション空間内で機体だけ再現して、上手く性能通りの代物を作れそうであれば現実でも採用する……そんな風にやらせてもらってます

 

 

《上空に新たな戦力出現、残り30体》

 

 

 

その自動音声に釣られて空を見上げるとそこには新たな敵ロボットが追加されて……何で敵ロボットの顔もアバンギャルド君なんだよいくらなんでも気に入りすぎだろ

 

……まあ、ここはとりあえずアバンギャルド君の両肩に装着されているビームブーメランでも投げとくか

 

 

 

────モウヤメルンダッ!!!

 

 

 

ぶん投げたブーメランは2体のロボットを貫通し、此方に戻ってくる際にも更にもう2体を貫通した

 

 

 

《上空戦力殲滅、残り26体》

 

 

さて、このまま他の奴等も順番に片付けて────

 

 

 

《敵対勢力、一斉出現》

 

 

 

なんて舐めた事を考えていたら大量のアバンギャルド君顔のロボットが涌いてきました

 

出現と同時に一斉に射撃を行ってくるアバンギャルド軍団、それをブーメランの投擲と手持ちの刀(ビーム製ではない)で防ぐものの、このまま守りに徹していたらどのみちジリ貧だ

 

ならここは……攻めの一択!近づいて近接戦闘に持ち込む!

 

 

 

────うおおおおっ!?弾幕濃すぎだろ!?何やってんの!?

 

 

 

駄目だ!このままだと落ちる!落とされる!

 

お、落ち着け……!俺は戦○の絆だってガン○ム無双だってプレイしてきたじゃないか!エ○バに関しては常に最上位階級だったろうが!

 

 

────漸くたどり着いたぜ!

 

 

 

くらえい!インフィニットアバンギャルド君の切り札!両手両足隠しサーベル!

 

 

────コユキ!1!このバカヤロウ!!1!1

 

 

 

今日の俺の弁当を梅干し一色に染め上げたアイツへの怒りを込めて!お前を討つ!

 

 

 

《残り23,21,18,16……15体》

 

 

 

面白い程にすぱすぱと切れていく敵アバンギャルド君達を踏みつけながら前進する

 

俺達は後何体斬ればいい?俺達は後何回アバンギャルド君を壊せばいいんだ?調月さんは何も言ってくれない

 

 

 

《残り13,11,8,5……3体》

 

 

 

アバンギャルド君の命が……吸われていきます……!

 

もう駄目だ、俺はこれ以上アバンギャルド君を傷つけたくない

 

 

 

────撃てませn……やっぱり撃っちゃうんだなぁ!これが!

 

 

 

《残り2体》

 

 

 

────お前がニコルを!ニコルを殺したあああああ!!!

 

 

 

 

《残り1体》

 

 

 

────ハイネエエエエエエエエエ!!!

 

 

 

《ミッションコンプリート》

 

 

 

機械の無機質な声と共にモニターが全て暗くなり、画面には100点と表示される

 

……これで終わり、か

 

 

 

 

────僕達はどうしてこんな所まで来てしまったんだろう

 

「酒泉、今日の貴方のテンションは……その……随分とおかしいわね」

 

────すいません、錯乱が少しアスランしてました

 

 

 

 

この機体に乗ると頭がクソコテみたいになるのは気のせいだろうか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「多分この改造案はボツね」

 

哀れなりインフィニットアバンギャルド君、シミュレーションの段階であまり実用的ではないと判断されてしまったか

 

まあ、あんな全身刃物な機体なんて俺だって自分から乗りたくないしな

 

 

「やっぱり当初の予定通りライジングアバンギャルド君かイモータルアバンギャルド君のどちらかで行くしかないわ」

 

 

……あの2体、何となくフリー○ムとジャ○ティスに似てる気がするんだよな

 

でも〝ライジング〟だの〝イモータル〟だの付く機体は種シリーズには存在してないし完全に別物だろうな、俺のただの思い込みよ

 

 

「……もうすぐ調印式だけど……完成はギリギリになりそうね」

 

────当日の輸送方法は?

 

「運送会社を装った大型トラックに積んでトリニティまで運ぶわ」

 

随分と単純な方法だがそれが一番良いだろう、別に調印式を見に行く分には〝他校の生徒は来るな〟なんて決まりはないしな

 

ただ……アリウスの襲撃が始まったら俺がアバンギャルド君に乗って暴れることになるし、その辺りの話はトリニティ側から詳しく問い詰められるだろうな

 

 

 

「それと長距離射撃用の武装だけど……エンジニア部のおかげでなんとか完成までは漕ぎ着けたけど、それを搭載するとアバンギャルド君が通常のパフォーマンスを発揮できる最大積載量を越えてしまうから切り離して使用する事になったわ」

 

────つまり持ち運び式ってことですね

 

「射程距離は7km、アリウスの使用する巡航ミサイルの強度が分からないから火力を優先した結果、エネルギーチャージ式の単発武装にしたわ。再度発射するには1時間程掛かるから巡航ミサイルを撃ち落とした後はその場に放置してから戦闘に参加しなさい」

 

使用できない武器を抱えながら戦っても無駄に機体が重くなるだけだもんな……それならしゃーない

 

……まあ、原作のアバンギャルド君はめちゃくちゃ強かったし多少のハンデを背負っても大丈夫だとは思うけど……念には念をだ、俺の好きな言葉です

 

 

 

「……それと、もう1つだけ」

 

────はい?

 

「貴方の身が危なくなったら機体の武装を全てパージして真っ先に逃げなさい」

 

 

強く咎める様な目で正面から射抜かれて言葉に詰まってしまう

 

俺は機体が破壊されようと生身でも戦い続けるつもりだったのだが……それを見透かされたような気分だ

 

 

「貴方は目的の為なら自己犠牲すら厭わない人間よ、もし調印式でもその悪癖が発揮されるようなら……私は貴方を調印式には行かせないわ」

 

────わ……かりました

 

「……本当に?」

 

 

 

一歩踏み出して下から顔を覗き込んでくる調月さん、その表情は完全に俺のことを疑っていた

 

あと身体にムニュって何か当たってる様な気もするが俺は知らない、何も知らない、この感触の正体は分からないけど何となく意識してはいけない気がする

 

 

 

「調印式には私やトキも向かうけど……貴方の事だし私達の制止を振り切って勝手に無茶な事をするかもしれないわ」

 

────……絶対にしません、約束します

 

「……口約束にだけはしないでちょうだい」

 

 

 

それだけ言うと調月さんは俺から離れてくれた……が、未だにどこか納得してなさそうだった

 

……調月さんには何度も迷惑を掛けてきたし、その度にこうして心配そうな顔をさせてしまった

 

それでもこの人は俺を支え続けてくれたし、何度も助けてくれた

 

俺の力になれるようにまずは権力を手に入れようとミレニアムで実績を積み上げてくれたり、少しでも資金を集めておこうと働き始めた俺と一緒に調月さんも働いてくれたり……

 

因みにそのバイトは今時珍しいツルハシでカンカンするタイプの炭鉱掘りのバイトだったが、俺の隣でツルハシを振ってる調月さんの力の方が強いと知った時はショックだった……あと何故か調月さんに対抗心燃やしてバイトについてきた明星さんは2分でダウンしてた

 

懐かしいなぁ……作業着を着た調月さんと泥だらけになりながら働いたあの日が

 

 

 

 

『────調月さん、俺と一緒にキヴォトスを救ってください』

 

 

 

 

……いや、あの第一声から本当によくここまで信頼関係を築くことができたな。初対面の時なんて明らかに変質者を見るような目をしていたのに

 

俺達が出会ったのは調月さんがまだミレニアム学え……ミレニアムサイエンススクールの1年生で俺がまだ中坊だった時の話だ

 

あの日は────

 

 

 

 

「そういえばさっき話した長距離狙撃用の兵器だけど……今は私達の基地の地下武器庫に保管されているから一応現物を確認しに行ってみたらどうかしら」

 

────えっ!?いいんですか!?

 

 

 

 

まあ、過去の回想なんてどうでもいいよね!過去編なんて流行らない流行らない!

 

そんな事より新兵器!男の子ならそっちの方が気になるよなぁ!?

 

 

 

────……あ、でもその前にエンジニア部にお礼を言いに「駄目よ」

 

────……え?でも「駄目」

 

「……駄目、だから……特に白石ウタハ」

 

────……な、なぜに?

 

「……だって、すぐ貴方をセミナーから引き抜こうとするから」

 

 

 

 

 




ハイニューもう一度下方しろ(憤怒)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。