本編前から付き合うことに成功した超絶ハイパーつよつよヒナちゃん
ミカの拳がヒナを地面に叩きつける
そのまま頭に銃口を突きつけて零距離で放ち、倒れているヒナを頭から勢いよく蹴り飛ばす
壁を突き破り、瓦礫に埋もれるヒナ。ミカは面倒そうに呟く
「なんでゲヘナの風紀委員長さんがこんな所に居るのかは知らないけどさぁ………私の邪魔しないでくれるかな?私は早くサオリ達を追わないといけないんだから」
ミカはそう言って立ち去ろうするが─────
「………はぁ~……」
ガラッと瓦礫を退かす音を聞いて呆れながら振り替える
「……いい加減、しつこいんだけど?」
ミカはゆっくりと立ち上がるヒナに一瞬で近づき、顔面に膝を入れる
そのままヒナの髪の毛を掴み、何度も何度も何度も顔から地面に叩きつける
今度は背中に銃口を突きつけ、連続で弾丸を浴びせる
そしてゴミを捨てるかのようにポイっと手放すと、サオリ達を追う為に歩き出した────
「…………大人しくしてなよ、弱い癖に」
────が、再び背後からヒナが立ち上がる気配を感じ、足を止める
「貴女だって風紀委員長としてのプライドをへし折られたくないでしょ?私にこんなにボロボロにされちゃってさ☆」
ミカは自身の愛銃を降ろすと、拳を構えながら何も喋らないヒナにゆっくりと近づく
「そんな惨めな姿で必死に立ち上がっちゃってさぁ………本当に死んじゃうよ?それとも、ゲヘナである貴女がトリニティである私に負けるのが悔しいから立ち上がるの?」
俯いているヒナの前に立つと、拳をハッキリと上に挙げる
「あっはは☆もう返事をする気力もないくらいにボロボロになっちゃったのかな?まあ、いいや………先に邪魔をしてきた貴女が悪いんだし、酷い目に合っても文句はないよね?それに貴女、ゲヘナだし☆」
もう何度目になるのか、ミカの拳がヒナの顔面に突き刺さる
そのまま吹き飛ばされそうになったヒナの髪を掴んで、無理やり自身に引き寄せてからまた殴る
何度も何度も………何度も何度も何度も何度もヒナを殴り、溝尾に膝を入れてから近くの壁に叩きつける
ミカはヒナの細い首を掴み、力を込める
「貴女がいけないんだよ?私がアリウスを追う邪魔をするから………」
手加減という言葉を知らないのか、魔女のような笑みを浮かべてより力を込める
「じゃあね☆ゲヘナの弱い委員長さん☆」
そして、その手はヒナの首を折る─────
「………もういい?満足した?」
「……………は?」
──────ことはなく、ヒナはあっさりと返事をする
ヒナは呆気に取られるミカの腕を掴むと、自身の首からゆっくりと離れさせる
「……っ!?なに……これ……っ!?」
自分以上の力で無理やり腕を離されたミカは、驚愕しながらも一度後ろに下がる
「……びっくりした……なぁっ!!!」
それでも動きを止めることなく、今まで以上に拳に力を込めてヒナの顔を殴り付ける
しかし─────
「………え?」
先程と違い、吹き飛ばされるどころかビクともしない
まるで頑丈な石を殴っているかのような感覚に陥り、唖然と佇むミカ
そんな彼女の腕を退かしてヒナは平然と口を開く
「じゃあ、今度は私の番ね」
そしてヒナの幼い手がミカの顔に近づく
瞬間、今度はミカが大きく吹き飛ばされる
瓦礫を貫通し、何度か地面を転がりながら漸く勢いが収まる
「っ………ぅ……!」
何が起きた、何で自分が吹き飛ばされている
………いや、それ以上に─────痛みに耐えられなかった
アリウススクワッドから集中砲火を食らおうと、アリウス生からサーモバリック手榴弾を食らおうと、痛みに耐えながら真っ直ぐ敵に突っ込むことができたミカ
そんな彼女が、たった一人の少女の幼い手に耐えられなかった
「……大丈夫?一人で帰れるくらいには手加減したつもりだけど……」
「………っ!ムカつくなぁ……!」
挑発を受けたミカはヒナに向かって駆け出す
……もっとも、ヒナは挑発のつもりはなかったが
「これなら………どうっ!?」
ヒナのお腹に拳がめり込み、その拳と入れ換えるようにサブマシンガンをヒナのお腹に突きつける
ミカは引き金を引き、弾が空になるまで撃ち続ける
身体を少しだけくの字のように曲げ、再び俯くヒナ
「……はぁ……やっと終わった?」
ミカはゆっくりとサブマシンガンを離し、今度こそ倒したであろうことを確認しようとする
「ねえ、攻撃終わった?」
「………は?────っ!?……っぅ…!」
一歩足を下げた瞬間、今度はミカの腹に鋭い一撃が入る
この痛みも耐えることができず、ミカは踞ってしまう
「なん……で……!」
「………?」
何の話だ、そう言うかのようにキョトンとするヒナ
しかし、ミカは立ち上がってすぐに反撃に出る
「この………!」
効果無し、それでも攻撃の手を緩めない
ミカがヒナを殴る、全く動かない
ヒナがミカを殴る、数メートル先まで殴り飛ばされる
ミカがヒナを蹴る、何事も無かったかのように数歩下がる
ヒナがミカを蹴る、衝撃が周囲を走ると同時に蹴り飛ばされる
「……もう終わりにしない?」
「っ……舐めないでよ……ねっ!」
この日一番の力を込め、今度こそとミカが駆け出す
勢いと自身の腕力を乗せた渾身の一撃をヒナの顔に放ち、そのまま足を踏み込んで殴りとばそうとする
(………入ったっ!!!)
確かな手応え、ヒナの顔から流れる血
これで漸くサオリ達を追えると、目の前の少女に怒りを感じながらもこの先の行動を考える
まずはサオリを始末して、次は─────
「えいっ」
「がっっっっっっ!!?」
─────そこまで考えたところで、この日一番の〝耐えられない痛み〟がミカの顔を襲う
ミカはそのまま地面に後頭部から叩きつけられ、拳と地面の板挟みにされる
それでも諦めまいと、拳が顔から離れた瞬間に起き上がろうとし─────
「……っ……ごっっっっ!!?」
─────二発目の拳がミカを襲った
ミカを中心に地面にクレーターを作り、ゆっくりと手を離すヒナ
「本当は銃で戦うつもりだったけど………貴女のような頑丈な相手は拳の方が早いと思って………」
顔から血を流して白目で気絶するミカ
そんなミカを置いて〝興味などない〟と言わんばかりに去ろうとするヒナ
「なん………で………」
その言葉はミカ自身が辛うじて絞り出した言葉だが、何を問うているのかは本人にも分からなかった
何で勝てなかった、何でゲヘナがこんな所にいるの、何でこんな事になってしまったのか、何であんな馬鹿げた計画を立ててしまったのか
どの意図で発したのか分からなかったヒナは一言、自分なりに解釈してこう答えた
「〝なんで〟って………酒泉が待ってるから?」
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──────んで、アリウス自治区で襲ってきた聖園ミカをヒナがボコボコにして
道中のアリウス生もヒナがボコボコにして
バシリカ辺りでまた戦闘になった聖園ミカもまたヒナがボコボコにして
アンブロジウスとバルバラをヒナがボコボコにして
ベアトリーチェもヒナがボコボコにして、でも流石に一筋縄ではいかず…………もう一度ヒナがボコボコにしてくれました
「貴様らの風紀委員長は化物か何かか?」
あ゛?人の恋人化物呼ばわりしてんじゃねえよぶち殺すぞタヌキ
「す、すまん………」
こちらの殺気を感じ取ったのか、普通に謝罪してくる羽沼さん
全く……温厚な俺(ここ重要)に感謝してほしいぜ……
「……しかしだな、こうも毎回似たような報告をされると……」
だって………全部本当のことですし………
「……………今回より前の報告をしてみろ」
前の?えっと………確か─────温泉開発部をボコボコにして……美食研究会をボコボコにして……便利屋をボコボコにして……
あっ、その時の帰りにヘルメット団しばいてましたね
「………次は?」
アリウススクワッドボコってましたね、あとユスティナで人間ヌンチャクやってました
「よし、やはり化物だ」
あ゛?
「すまなかった」
たくっ……あんな可愛い人が化物なはずないだろ、どうみても天使だわ。それか小悪魔ちゃん
………まあ、ヒナに嫌がらせしなければそれでいい。この人にいちいち突っ掛かるのも面倒だ
「それにしても………よくあの風紀委員長の心を射止められましたね、どんな告白をしたんですか?」
別に……特に面白い話でもないですよ
「あっ!私もそれ聞きたーい!」
「ほら、イブキも聞きたがってるんですから教えてくださいよ」
「そうだぞ、子供の要求ぐらい聞いてやったらどうだ!キキキッ!」
棗さんが余計なことを言ったせいで面倒な事になった
この人達は相変わらずイブキさんに甘いなぁ………羽沼さんだけは今度パシってやる
………どうしても言わなきゃ駄目?
「きーきーたーいー!」
「そんな勿体ぶる話でもないでしょう………」
「ほら、さっさと聞かせろ!」
………あれは俺が中坊だった頃の話、なんやかんやあって俺は空崎さんを支えることを決意した
「なんやかんや?」
「なんやかんや……」
「はしょりすぎだぞ、貴様」
とにかく!俺はヒナの役に立とうと色んなことをしてきました!
先に書類仕事を片付けたり先に現場に向かって目標を鎮圧したりと、自分に出来る範囲のことをひたすら繰り返しました
「ほう……一途ですね」
「いいなー……私にもいつかそんな人が来てくれるのかなー……」
「イ、イブキ!?認めん!私は認めんぞ!」
………続けますよ
ある程度時が経ってヒナの卒業が近づいた日、俺はこんなことを言われました
〝……私が卒業した後も……私のこと、支えてくれる?〟………とね
「これは………間違いなく告白ですね」
「あ、あの化物がそんな甘ったるい言葉を……おえええええ……」
「それでそれで!?なんて答えたの!?」
勿論OKしましたよ
「まあ、当然でしょうね………貴方も彼女を支えていたということは、満更でも─────」
〝あ、でも俺以外にも空崎さんを支えようとする人が現れたら全然その人に頼ってもいいですからね?〟
………そんな言葉と共に
「おいクソボケ」
「酒泉ひどい!」
「キキキキキッ!よく言ったぞ!折川酒泉!」
そしてその日の夜、事件が起きました
「……事件?」
さっきの俺の言葉を聞いたヒナは俯きながらこう言いました………〝今日の放課後、時間ある?〟と
特に断る理由もなかった俺は放課後になると誘われるがままにヒナの家に向かい、そして………
「そしてー?」
「どうした?早く言え!」
「………あっ(察し)」
………この話、止めません?
「………食べられたんですか?」
「食べるって何が?お菓子?」
「………そういう事か」
よし、今日はここまで!続きはまた来世で!
「食べられたんですね」
じゃあ!失礼しましたー!
「逃げた……」
「ねーねー!酒泉は何を食べたの?」
「………イブキにはまだ早いですよ」
「え~!?教えてよー!」
「もう少し大きくなったら教えますよ…………ほら、マコト先輩も説得してくださいよ」
「…………」
「マコト先輩?………まさか、今のネタを使って嫌がらせしようだなんて考えていませんよね?」
「……一瞬考えた、だが止めた」
「………おや、意外ですね」
「当然だろう!あんな化物カップルに手を出したら一日どころか半日以内にゲヘナが崩壊するわ!」
「化物カップル………まあ、確かにその通りですね。彼も結構大概ですから………」
「トリニティに出現したヒエロニムスの単独撃破………とても生身の人間の出す戦果とは思えませんね」
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「……お帰り、変な事されなかった?」
大丈夫ですよ、ヒナ
ちょっと雑談してただけですから
「………一応、マーキングしておく………んっ」
風紀委員の執務室にて、ヒナが酒泉の頬に軽く口付けをする
酒泉も特に抵抗することなく、頬を差し出す
「ぐっ……がああああああ………!」
「どうしましょう……アコ行政官が悲しきモンスターのような声を発しています……」
「アコちゃん……もう諦めなよ、最初からアコちゃんに勝ち目なんて無かったんだよ」
イオリとチナツに慰められながらも、なお酒泉を睨むことを止めないアコ
歯を食いしばり、目は血走り、とても人間とは思えないような唸り声を発している
「……酒泉からもやって?」
……ここで?
「………駄目?」
…………んっ
「んー………えへへ」
酒泉も先程の御返しのようにヒナの頬に口付けをする
ヒナはほにゃりと笑顔が溶け、酒泉に抱きつく
暫くその温もりと匂いに包まれながら、顔をすりすりと擦り付ける
「ぎっ……ぎいいいいい!」
「ア、アコちゃんがまた暴走モードに入りかけてる!」
「行政官!落ち着いてください!委員長のベストショットですよ!」
「チナツ!それは酒泉も一緒に写ってる写真だ!」
「フーッ!フーッ!フーッ!フーッ!フーッ!」
「ああ!?ま、間違えました!」
周囲の騒音など聞こえていないかのようにひたすら酒泉にくっつくヒナ
酒泉も少々くすぐったそうにしているが、自分から離れるような行動はしていない
「ん……やっぱり落ち着くね、酒泉の匂い」
そうですか?ヒナの方が良い匂いすると思うんですけど……
「……女の子に匂いの話をしちゃ駄目よ、場合によってはセクハラになるんだから」
あっ……すいません
「でも、私に対してだけは許される」
へえ……そうなんですか
「うん、キヴォトスには〝折川酒泉のみ、空崎ヒナの匂いを嗅いでもセクハラにはならない〟って法律があるから」
じゃあ、俺だけやりたい放題ですね
「ちなみに………〝空崎ヒナは折川酒泉を独占しても何の罪にも問われない〟っていう法律もある」
じゃあ、俺もやられたい放題ですね
「えへへー………」
ヒナの腕により力が入る
ぎゅっと身体を引き寄せ、そのままぬいぐるみを抱きしめるように包み込む
「滲み出す混濁の紋章、不遜なる狂気の器、湧きあがり、否定し、痺れ、瞬き、眠りを妨げる─────」
「ぎょ、行政官?何を言ってるんですか?」
「気にしないでください、酒泉を消し去る為の詠唱を唱えているだけですので」
「ちゅー」
……お?もう一回やるんですか?
「うん、もうすぐ休憩時間も終わっちゃうし………その前に補充しておかないと」
名残惜しそうに時計をチラッと見るヒナ
酒泉も少ししゃがみ、ヒナの頬に再び口付けをする
「委員長!裏切ったのですか!?私をっ!!売ったのですか!?委員長おおおおお!!!」
「うわあああ!!アコちゃんが弾けた!」
「私はこんなんじゃ満足できませんっ!」
「顔が凄いことになってますよ!行政官!」
「くそっ!チナツ!こうなったら無理やり外に連れていくよ!」
「は、はい!」
「やめろ!HA☆NA☆SE!委員長!委員長おおおおおお!!!」
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誰も居なくなった執務室で、酒泉の膝の上に乗りながらヒナはモジモジと指を合わせる
「……ね、ねえ……酒泉……今日は、その……早く仕事終わりそうだね」
───ん?ああ、そうですね
「………えっと……明日、土曜日だよね?」
はい、合ってますよ
「……………」
……えっと、それが何か?
「……あの、今日………泊まらない?それで、あの……また先週と……同じことを……あぅ……」
……え?それって……
「……その……今日、酒泉と………し、したい……」
……あ、ああ~……その、帰りにコンビニで〝アレ〟買っときますんで……
「………う、うん」