〝アリウス〟潰すゾ!!!   作:あば茶

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本編前から付き合うことに成功した完璧で究極のヒナちゃん

 

 

 

 

 

「はい、あーん」

 

あーん………おっ?このミートボール旨いっすね

 

「でしょ?酒泉好みの味付けにしてきたから」

 

じゃあ俺からも………はい、あーん

 

「あーん………んっ、このだし巻き玉子も美味しいね」

 

俺もヒナ好みにしてきましたから

 

「………つまり、私が一番酒泉のことを理解していて」

 

俺が一番ヒナを理解しているってことっすね

 

「………大好きっ」

 

うおっと………外でいきなり抱きつくなんて、大胆ですね?

 

「だって好きなんだもん」スリスリ

 

 

 

 

 

 

 

 

「そ、そろそろこのロープを解いてほしいですわ………」

 

「お腹空いたよー!」

 

「これはちょっと……キツいですね☆」

 

「キツいですね☆………じゃないでしょ!?どうすんのよこれ!」

 

 

 

 

 

「うぅ……まだ頭がクラクラするよー……」

 

「我々が何をしたというんだ!ただゲヘナ学園の近くに温泉を掘ろうとしただけではないか!」

 

 

 

 

「ま、また依頼失敗……このままじゃ便利屋の評判が……!」

 

「あーあ、新しく用意した爆弾全部壊されちゃった………」

 

「わ、私がもっとお役に立てれば………ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

「………あの二人に目をつけられた時点で結果は決まっていたと思うけどね」

 

 

 

 

 

 

「………何これ?」

 

「凄いことになってますね……」

 

 

料理の準備をしようと食堂に向かっていたフウカとジュリ

 

その道中でとんでもない光景を見てしまった二人はドン引きしていた

 

縄で縛られてボロボロの状態で山積みにされている特級テロリスト達、そんな彼女達を放置して外のベンチで男女が楽しそうに食事している

 

「あっ……フウカ、ジュリ、こんにちは」

 

どうも、こんちわっす

 

「あっ、どうも…………じゃなくて、これってどういう状況なんですか……?」

 

 

何事も無いかのように平然と挨拶をしてくるヒナと酒泉

 

フウカは困惑しつつも、目の前の惨状について尋ねる

 

 

 

「外回り中にまたコイツらが暴れてるって報告が入ったから、どこかで昼食を取るついでに片付けてきただけだけど………」

 

「そんな〝ついで〟感覚で出来るようなことなんですか……?」

 

「………?」

 

「え?私がおかしいの?」

 

「た、多分ヒナさんにとっては当たり前の事なのかと………」

 

 

騒ぎ散らすテロリストを無視し、互いに〝あーん〟と食事を続けるヒナと酒泉

 

温泉狂いが文句を言おうと、便利屋という芸人集団が暴れようと、二人は自分達だけの空間を展開し続ける

 

 

「せ、せめて何か食べ物だけでも……そのだし巻き玉子を……!」

 

 

何かを口にする前に捕らえられてしまったハルナが懇願する

 

さっきまで無関心だったヒナはその言葉にようやく反応した

 

 

「─────それはつまり………〝酒泉が私の為に作ってくれた料理を横取りしたい〟っていうこと?」

 

「あっ、なんでもありませんわ」

 

 

ヒナは特に脅したわけでも声を荒げたわけでもなく、無表情にハルナを見つめた

 

なのにヒナの無表情に恐ろしい何かを感じたハルナは一瞬で黙り込む

 

 

(よ……よし!今がチャンスよ!縄も解いたし、隙を見てここから抜け出すわよ!)

 

(りょ、了解しました!)

 

(ええ~?大丈夫かな~?)

 

(………多分、無理だと思うけどね)

 

 

美食研がヒナと会話している間に、便利屋が小声でやり取りをする

 

アルは覚悟を決めたような表情で脚に力を込めるが、カヨコはどこか諦めたような表情をしている

 

 

(じゃあ……行くわよ!せーの─────)

 

────あっ、ヒナ。便利屋が逃げ出そうとしてますよ

 

各々の両足と両手の力の動き、それと目の動きからしてそこの物陰を曲がった後、全員で一旦別れてバラバラに逃げると思います

 

「心を読まないでちょうだいっ!?」

 

読んでるのは相手の筋肉の動きと視線だけです

 

「当たり前のように言わないでっ!?」

 

 

ガチャっと銃口を向けられ、ピタリと動きが止まるアル達

 

そう、これが迂闊に動けない理由の一つだ

 

キヴォトス人がその気になれば通常の縄での拘束など力ずくで抜け出せる(勿論、キヴォトス人用の拘束具も存在するが)

 

だが、仮に逃げ出そうとしても酒泉の〝眼〟がそれを許さない

 

殆ど未来予知に近いレベルの読みが絶対に獲物を逃がさない

 

下手に抵抗すれば二度目は攻撃がより苛烈になる為、大人しくせざるを得ない………というよりも、酒泉との時間を二度も邪魔されたヒナがぶちギレる

 

 

「えっと………風紀委員会に連絡しておきましょうか?」

 

「大丈夫、食べ終わったらこのままゲヘナ学園まで連れていくから」

 

「そ、そうですか………じゃあ、私達はこれで……」

 

「お、お邪魔しましたー………」

 

 

 

フウカとジュリは苦笑しながら立ち去っていく

 

その際に美食研究会の面々が助けを求めるような目で見つめてきたが、当然それを無視した

 

 

 

 

「……そういえば、もうすぐ戦術対抗戦だけど……」

 

ああ、シャーレ主催の………相手トリニティでしたっけ?

 

「うん、噂によるとトリニティ側の今回のメンバーが凄く豪華だって……」

 

豪華?

 

「えっと、確か………救護騎士団の団長と正義実現委員会の委員長、それと元ティーパーティーが出てくるんだって」

 

へえー、確かに豪華ですね

 

「それと………トリニティの〝天才〟と〝氷の魔女〟も出てくるとか」

 

……天才?

 

「どうやら次期ティーパーティー候補に勧誘されるくらい頭が良かった………らしい」

 

よく出る気になったな……氷の魔女も一緒だからか?

 

それにしても………めっちゃ本気でゲヘナを潰しにきてますね

 

なんでこんなやる気なんすかねぇ?

 

「毎回同じ結果だと学園同士の実力評価に差が出来ちゃうからじゃない?」

 

ああ……〝俺達の学校の方がつえーぜ!ざーこざーこ!〟………みたいな感じですか?

 

「うん、ゲヘナは好戦的な人が多いからね」

 

まあ、こっちはどうします?いつも通り風紀委員で出ます?

 

「それでいいと思う………あっ、ご飯粒ついてる」

 

おっ?どこですか?

 

「んっ………はい、これで取れた」

 

……あ、ありがとうございます……

 

「ねえ酒泉、私の口元にもご飯粒ついちゃった………とって?」

 

………う……うっす……んっ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これ絶対忘れ去られてますわね、私達の存在」

 

「い、今の内に逃げましょう!」

 

「アウトローのアの字もないね………」

 

「何が風紀委員だ!お前達だって色んな意味で〝開発〟してるのだから我々が温泉を開発するぐらい許してくれても─────冗談だヒナ委員長、その物騒な銃を下ろしてくれ」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

「────ということで、次の対抗戦は今までのよりちょっとだけ大変だと思うけど頑張って」

 

「「「……ちょっと?」」」

 

 

 

チナツとアコとイオリが同時に疑問を口にする

 

今、彼女達が聞いた相手チームのメンバーは五分の三がゲヘナ生の自分達でも聞いたことがあるような面子だった

 

 

 

「それ本当に戦術対抗戦なんですか?普通にゲヘナを侵略しにきたのでは……」

 

「相手も張り切ってるみたいだね」

 

「そんな可愛らしいレベルではないと思うのですが……」

 

「張り切ってるっていうか首を切りにきてるっていうか……」

 

HAHAHAHAHA!銀鏡さんも面白いジョークを言いますねぇ!

 

「その耳引きちぎってやろうか」

 

 

 

書類にサインをしながら室内のメンバー達に戦術対抗戦の事を伝えると、各々がピタリと手を止めてしまった

 

ヒナは何か変な事を言っただろうかと疑問に感じる

 

 

「……どうしてそんなに驚いてるの?」

 

「いや、だって………一人一人が格上みたいなもんだし………」

 

「……あ、あの……ヒナ委員長」

 

「どうしたの?チナツ」

 

 

 

そんな中、チナツがおずおずと手を上げる

 

その口からは弱気な一言が出てきた

 

 

 

「その……メンバーの一人が私で、本当によろしいのでしょうか……」

 

「……えっと……それはどういう意味?」

 

「私はアコ行政官のようなサポート力はありませんし、かといってイオリや酒泉のような戦闘力もありませんから…………その、他のメンバーに変えた方がよろしいかと」

 

 

 

俯きながら静かに語るチナツ

 

しかし、ヒナはチナツの纏う空気など気にせずに平然と答えを返す

 

 

 

「………?私はこの五人以外のベストメンバーは思い当たらないけど………」

 

「……え?」

 

「チナツの現場での冷静な判断にはよく助けられてる………それに、私のいない時とか勝手に突っ込んじゃうイオリを止めてくれるし」

 

「うっ……ご、ごめん……」

 

「そもそも、現場で戦える救護班ってだけでも貴重ですからねぇ………」

 

後ろに手当てできる人が居てくれるだけでも安心して突っ込めるんですよね

 

「皆さん……ありがとうございます!」

 

「……でも、結局敵の戦力がヤバいってことに変わりはないんだよな」

 

 

先程までの重い空気はすっかり振り払われ、話は戦術対抗戦に戻る

 

「ですね……あまり情報の無い人物もいますけど、メンバーに選ばれたということは実力者である事に変わりはなさそうですし……」

 

「どうしよっか………未知の敵とはあんまりサシでやり合いたくないな」

 

「酒泉に引き付けてもらう?二人ほど」

 

「いや、流石にそこまで任せるのは……」

 

「じゃあ、酒泉は正実の委員長と元ティーパーティーの担当をお願い」

 

「その二人っ!?」

 

オッケーっす

 

「そんな軽く答えていいの!?」

 

 

帰り何食べに行く?みたいな感じで軽く会話をする二人

 

イオリがつい大きな声を出してしまうと、それと同時に酒泉のスマホが鳴り響く

 

 

 

 

 

 

─────んお?シャーレから?

 

「何かあったの?」

 

いや、特に用事とか無かったはずですけど……取り敢えず出てきますね

 

「うん、行ってらっしゃい」

 

 

 

酒泉は席を立つと、〝もしもし〟と返事をしながら執務室を出ていく

 

 

 

 

「それにしても戦術対抗戦ですか………毎度のことですけど、万魔殿の連中が〝絶対に勝て!〟って煩いんですよね……」

 

「まあ……今でこそエデン条約なんてものを結べるくらいの関係にはなったけど、元々仲の悪かった相手だからね……」

 

 

 

 

 

 

 

先生?どうかし────っと、びっくりしたぁ……そんな焦ってどうしたんですか?

 

え?アビ・エシュフの弱点?回避の為の予測能力を他の行動に使わせれば隙が出来ますけど………あっ、もしかしてあの人拐われたんです?

 

あ、だとしたら気をつけてください。アビ・エシュフ以外にもアバンギャルド君っていう強いロボットも居るんで………いや、本当ですよ。本当にそういう名前なんですよ

 

 

 

 

 

 

 

「……そういえば、委員長は既に元ティーパーティー………聖園ミカと戦って勝ってたよね、どんな感じだったの?」

 

「……どんな感じっていうのは?」

 

「いや、この辺が強かったとか、こんな感じで苦戦したとか…………」

 

「…………」

 

「………委員長?」

 

 

 

 

 

 

 

 

……まあ、アビ・エシュフは屋上から落下させて重力を掛けさせながら戦えば攻略できますよ

 

え?地上の場合?だとしたら普通にエリドゥの予測を上回る行動を取るかエリドゥの予測を正面から破れるレベルのゴリ押しで何とかなりますよ

 

………具体的には?えっと……銃をバーン!ってやって、相手の回避先を機械の動きとアームを装着している部位の筋肉の動きを見て予測して、更にその予測すら上回られること前提で更に更に予測して……

 

 

 

 

 

 

「えっと……………強かった……よ?」

 

「な、なんのアドバイスにもなっていません………」

 

「ごめん………その、いつも通り終わらせてきたから……」

 

「まあ、そんな委員長も天然で素敵なんですけどねっ!!!!!」

 

「声デカっ………」

 

「強いていうなら………銃じゃなくて拳で決着をつけないといけないくらい頑丈だったよ」

 

「委員長に素手を!?それは……相当頑丈ですね……」

 

 

 

 

 

 

 

……え?他に現実的なアビ・エシュフの攻略法?いや、今言ったのも十分現実的だと思うんですけど……

 

いやいやいや!出来ますって!そっち美甘さんも居るんでしょ?行けますから!……え?だから、撃って、回避先を予測して、更にその先を予測して、更に更にその先を予測して…………

 

 

 

 

 

 

 

「うん、でも皆なら勝てるよ」

 

「委員長………うん!任せて!風紀委員の切り込み隊長の力を見せつけるんだから!」

 

 

 

 

 

だーかーらー、撃つでしょ?回避されるでしょ?それを事前に計算するでしょ?そこから更にエリドゥの計算の数手先を読むでしょ?

 

その中の最善手を選んだとしてもどうせすぐに計算し直してしまうんですから、更に一手読んで先回りしてしまえば────ええ……?他の方法……?

 

ええー…………いや、じゃあ直接お手本見せに行きますね。………だって説明するの面倒なんですもん、直接見せた方が早いですって

 

あ、ミレニアムとゲヘナでいざこざが起きないようにその辺はシャーレの権限で何とかしておいてください──────ヒナー!ちょっとミレニアムに行ってきてもいいですかー!?

 

 

「ミレニアムに?」

はい、なんか世界を救う為に必要な存在が拉致られたっぽいんで

 

「それは……前に酒泉が教えてくれた未来の事件?だとしたら最悪の場合、ゲヘナも巻き込まれちゃうね」

 

まあ、世界規模で巻き込まれますからね

 

「じゃあ、もうすぐ仕事も終わりだし時間になったら一緒に行こっか。………あっ、その前にマコトにも伝えておかないと」

 

うっす………アビ・エシュフ倒したらそのままデートします?

 

「する」

 

……あっ、でもその前にヒナの家に寄ってもいいですか?デート用のカバンとか置いてきてしまって……

 

「うん、私も一旦シャワーとか浴びてから行きたいし………一緒に浴びる?」

 

………お、お邪魔します…………さて!そうと決まれば今のうちに準備を────

 

「ねえ、デートの後はどうする?また泊まる?」

 

んー……そうですね、またお世話になってもいいですか?

 

「うん……それじゃあ、明日の登校の為に制服とかも全部私の家まで持ってこないとね…………あ、時間になった」

じゃあ、行きましょっか

 

「その前に………んー」

 

……行ってきますのちゅー?一緒に行くのに?

 

「私は酒泉とちゅーしないと定期的にバッテリーが切れちゃうから」

 

……んっ

 

「んっ……ありがとう、ところで………酒泉のバッテリーは大丈夫?」

 

………実は俺もバッテリー切れ寸前だったんですよね

 

「……んっ」

 

………ありがとうございます

 

「~~~♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「委員長?どうして委員長の家に酒泉のカバンがあるんですか?委員長?……委員長?私もバッテリー切れですよ……?私もお泊まりの準備できますよ?委員長……委員長……」

 

「……アコちゃん、涙拭きなよ」

 

「一日一回は涙流しますよね………」

 

 

 

 

 

 

 

──────────

 

────────

 

──────

 

 

 

 

 

「ねえ、酒泉」

 

はい?

 

「その…………あ、新しい下着……買ってあるん……だけど………うぅ……」

 

………あ、明日も学校あるんで……

 

「う、うん………」

 

……今週の金曜は……俺の家に泊まります?

 

「……うん、絶対に行く!」

 

 

 

 

 

 

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