〝アリウス〟潰すゾ!!!   作:あば茶

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正実モブちゃんに告られた酒泉君の話その3

 

 

「こっ……この服とかどうでしょうか!?」

 

おお……その綺麗な黒髪が更に引き立つような色の服ですね……

 

「じゃ、じゃあ……こっちは……?」

 

おっ!白い生地が良い感じに雰囲気とマッチしてますね!

 

「えへへ……じゃあ、次は────」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとうございましたー」

 

「ま、待ってください!わざわざ買っていただかなくても……」

 

んー?まあ、今日誘ってくれたお礼ってことで

 

「で、でも………」

 

じゃあ次は俺の行きたい所に付き合ってくださいよ、礼ならそれで良いんで

 

そうだなー……身体でも動かしに行きましょっか!久しぶりにボウリングとか行きたい気分っすねー

 

「……ありがとう……ございます……」

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────

 

────────

 

──────

 

 

 

 

 

 

 

「せー……のっ!」

 

あっ……ガター……

 

「結構難しいんですね、ボウリングって……」

 

まあ、力加減とか色々ありますからね……っとぉ!ストライクッ!

 

「じょ、上手ですね………あの!良ければ……その……私に投げ方のコツを教えていただけませんか?」

 

え?俺が?

 

「は、はい!その……直接身体で……」

 

うぇ!?

 

「駄目……でしょうか……」

 

……い、いえ……問題ないです

 

「あ……ありがとうございます!」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

「お待たせしましたー!こちらカップル限定の〝ボリューミースペシャルパフェ〟でーす!ごゆっくりどうぞー!」

 

デカすぎんだろ……

 

「写真以上ですね……」

 

……え?これ本当に二人だけで食べるの?

 

「た、頼んでしまったからには完食しないといけませんし……」

 

何故こんな無茶を……

 

「……その……酒泉さんと今後こういう関係になった時の為に、今のうちに練習しておこうかなと……」

 

………お、おう……

 

「………自分から言っておいてなんですけど、ちょっと恥ずかしくなってきましたね……えへへ」

 

…………と、とりあえず食べましょうか!

 

「はい!………で、では……あーん」

 

─────!?!!?!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────

 

────────

 

──────

 

 

 

 

 

 

「…………」

 

「……あの、ヒナ委員長?お気を確かに……」

 

「……て……ですら……のに……」

 

「……はい?」

 

 

 

 

「私ですらあんな表情の酒泉は見たことがないのに……なんでそう簡単に他の女の子に気を許しちゃうの?私だけじゃ駄目なの?調印式の時に護れなかったから?アリウス自治区に行く時に反対したから?お願い、もう二度と酒泉の邪魔しないから……私には酒泉しかいないの、だから……捨てないで……」

 

「……チナツ、なんとかできる?」

 

「………ここは触れない方が良いかと」

 

 

ヤバい(ヤバい)

 

 

どうも、病んだ姿も魅力的だと思ったけどやっぱりちょっと怖かった天雨アコです

 

現在、私達はとんでもない火種をぶちこんでくれやがった鈍感男の尾行をしています

 

それにしても……本当に正面からぶつかりますね、あの子

 

今まで彼の周りにはああいったタイプの女性は意外と居なかったので、結構たじたじになってますね………いえ、そういえばミレニアムの天童アリスという少女も同じようなタイプですね

 

 

 

「あの……ところで、酒泉さんはどういった女性がタイプなんですか?」

 

───え?お、俺?

 

「はい、その……参考にしたいので……」

 

 

 

……遠慮なく攻めますね……そんなに酒泉が魅力的なのでしょうか?

 

ていうか彼のあの表情はなんですか、デレデレしすぎでは?

 

ちょっと強くてちょっと気が利いてちょっと優しくてちょっとカッコイイところもあってちょっと頼りになるくらいで調子に乗らないでください

 

 

 

 

 

 

────俺の……好きなタイプ……か

 

「は、はい………」

 

………

 

「…………」

 

………わ、分からない……

 

「……へ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

〝どんな女性がタイプなのか〟

 

何も難しくない、至ってシンプルな質問

 

俺はその質問の答えが全く思い浮かばなかった

 

タイプ……つまり好きな女性……か

 

俺が好きな人といえば空崎さんだな、だけどあの人に向ける感情はどちらかと言うと……推しに対する憧れとかその類いの物だな。 もちろん〝ゲームのキャラ〟としてではない、一人の人間としてだ

 

あれ?そう考えてみると……俺って前世含めても一度も恋したこと無い?

 

………駄目だ、自分の好みが分からない

 

そりゃあ、エロ本とか読めば〝あっ、この人良いな〟とか思ったりするよ?けど、それはなんか恋愛面とは違うような……

 

こういうのって一緒に居て心地良く感じる人を想起していくのが手っ取り早いんだよな

 

まずは……一番付き合いの長い空崎さんからか

 

空崎さんとずっと一緒に居られたら……うん、普通に嬉しいだろうな

 

ただ、さっきも言った通り、俺が空崎さんに向ける感情が恋愛的な意味ではないことは自分自身が一番良く知っている

 

そりゃ、ずっと一緒に暮らしてたらそんな感情も生まれるんだろうけど────ん?

 

ずっと一緒……?

 

 

 

「……あ、あの?そこまで思い悩まなくても……」

 

………そうだ、俺には空崎さんを支えるという約束があるじゃないか

 

俺は誰かと付き合ったとしても、空崎さんとの約束を破るつもりはない

 

けど、それは自分の恋人よりも他の女性を優先するということであって………仮に本人が許してくれたとしても俺自身が不誠実だと感じてしまう

 

かと言って、これまで何度も何度も〝支える〟なんて口にしておきながら、いざ愛する者が出来たら〝やっぱ無しで〟なんて最低な無責任野郎になるつもりもない

 

でも、この人も真剣に俺のことを想ってくれてるし……それに応えないと失礼なんじゃ────

 

────いやいやいや、むしろまだ恋に堕ちてないのに〝とりあえず〟で告白を受け入れる方が失礼だろ、何を考えてんだ俺は

 

向こうも〝返事はすぐにじゃなくてもいい〟って言ってくれたし────いや、そうやっていつまで待たせるつもりなんだ?俺は……

 

相手にだって青春があるのに、その時間を優柔不断な俺なんかが奪っていいものなのか?

 

 

 

 

「……その……困らせちゃいましたかね?」

 

────いえ……すいません、ちょっと思い付かなかったです

 

「い、いえ!別に気にしなくても大丈夫ですから!」

 

……えっと、じゃあ……食事を再開しましょうか

 

「そうですね……」

 

 

 

 

………結局、食事を終えるまでに答えが出ることはなかった

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

「今日は突然の誘いだったのにお付き合いしてくれてありがとうございました!」

 

いや、俺も楽しかったんで……ありがとうございます

 

「……えっと……前にも言った通り、お返事はすぐにじゃなくてもいいので……」

 

……っす

 

「……このお洋服、ずっと大事にしますね」

 

っ………ぁ……ぁの……

 

「え、えっと……そ、それじゃあ!」

 

────っ……待ってください!

 

「は、はい!?」

 

あっ……突然叫んでごめんなさい……けど、どうしても伝えたいことがあって……

 

「つ、伝えたいこと……ですか?」

 

はい、その……俺の────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────俺の答え、聞いてくれますか?

 

 

 

 

 

 

 

「……出ていかなくてもよろしいのですか?委員長」

 

「………………………うん」

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