目が覚めたら、ウマ娘でブタさんだった。というか、調理済みっぽい? 名前が 作:小林司
お待たせしております。
今回、本作初のレース模写となります。拙い表現ですが、お読みいただけると有り難いです。
と、言うわけで、 有馬記念です。本日、第68回 有馬記念の日ですので、出走時間に合わせて投稿します。
本日、12月の第三日曜日。
年の瀬の気配を感じる今日この頃、いよいよ年末最後のグランプリ『有馬記念』が開催される。
今回の有馬には、生徒会からグルーヴ副会長が出走する。
彼女が出走するということは、同じチームに所属する生徒会長ともう一人の副会長も現地で応援するのは当然のこと。もちろん、両寮の寮長もだ。
えっ? 私も中山レース場に行って応援するのかって? そんなわけないでしょう……。
これで私まで行ってしまったら、誰が学園の留守をするのだろう?
というわけで私は学園での留守を任されている。
こういうときに限ってトラブルが起きるのが最早お約束。今回こそ何も起きなければ良いのだが……。
今日は日曜日。
金曜日を最後に学園はお休みだ。それでも、閉鎖されるわけではない。
とはいえ年末だ。今日のレースを最後に二週間のお休み。その次のレースは来年になる。
年末年始を実家で過ごす生徒は昨日・一昨日のうち、遅くても今日には帰省する。
そんなことを考えながら、校内を巡回していると、ジャージ姿の娘とすれ違った。
明らかに、これからトレーニングに行く格好だが、この時期に?
『キングヘイロー、4連勝ならず!』
校舎の一角、壁に新聞部の作る新聞が貼られている掲示板まで来た。
「おお。仕事が早いねぇ……」
昨日のレース結果に関する記事が貼られている。
『来年のクラシック世代の一人、キングヘイロー。デビュー以来3戦3勝の好成績で、今回も断トツの一番人気に推されていたが、最後に差しきられて惜しくも二着。4連勝とはならなかった』
まあ、私が元居た世界でも『競バに絶対はない』と言われていたし、それはこの世界でも同じなんだろう。
しかし、『○番人気』とはどういうことなのだろう?
彼方の世界では『バ券の売上』によるものだが、この世界ではそもそも賭け事ではないので、何をもって決めているのだろうか……。
「あ。お疲れ様です」
ふと、声掛けられてそちらを向く。
「ああ、ステイゴールドさん。帰省ですか?」
制服姿で、大きめのキャリーバッグを引いている。
「はい。これから実家へ向かいます」
「有馬記念は見ていかないんですか?」
「今回はパスします。あまりゆっくりしていると間に合わなくなりますから」
一旦言葉を区切った。
「それに、来年は私も走る側です。その為にも……」
なるほどね……。
ステイゴールドさんを見送り、そろそろ出走時刻となる。
応援しないわけではないが、それに集中している余裕もない。
生徒会室に戻り、書類の処理を始める。
その傍らに、テレビを起動したスマホを置く。
『さあ。今年20回目、今年最後のG1ファンファーレです!』
実況の声。丁度良い時間だったらしい。
そして
♪~
♪~!
は? なにこれ?
変なファンファーレに思わず画面を注視。
なんか、演奏隊とは別に、白い服のサングラスを掛けた人*1がトランペットを吹いていた。
しかし、自由に吹いていて、ファンファーレなんだけど、まあ、変な感じでした。上手い喩えが見付かりません!*2
『さあ枠入は順調のようです。極めてスムーズですね。西陽に向かって今年も各ウマ娘ポジション争いということになりそうです』
『第42回 有馬記念、ゲート開いてスタートしました』
お。始まった。
って、いかん。仕事だ。仕事。
応援したいのは山々だが、仕事を残したままでは、
『マーベラスサンデーは後方から四人目、五人目といったところ。シルクジャスティスと一緒に行っています』
よし。この一枚を片付ければ、一先ず終わり。
レースはいよいよ終盤!
『3コーナから4コーナ。エアグルーヴ、メジロドーベルも来ている、メジロドーベルもそして来ている、その後方からマーベラスサンデーであります。さあ、第4コーナまもなくカーブ。中山の直線は短い』
『タイキブリザード先頭、メジロドーベル来ている。そしてエアグルーヴが先頭に立ったか、エアグルーヴが僅かに先頭に立ったか』
マジで!
『エアグルーヴ先頭に立った、エアグルーヴ先頭に立った。外の方からマーベラスサンデー、外からマーベラスサンデー。エアグルーヴ、マーベラスサンデー。さあ、この二人の争いか-』
うん? 何か来たぞ。
『シルクジャスティスもやって来た、シルクジャスティスもやって来た。エアグルーヴかマーベラスサンデーか、エアグルーヴかマーベラスサンデーか? シルクジャスティス! シルクジャスティス! シルクジャスティス! シルクジャスティスの末脚が炸裂したか!』
『シルクジャスティスの末脚が、ゴール前、僅かに強豪を押さえた感じがいたします! シルクジャスティスは左手を上げています!』
最後に差しきられて惜しくも三着か。
1着…シルクジャスティス
2:34.8
2着…マーベラスサンデー
アタマ
3着…エアグルーヴ
クビ
走ったことのない私が言うべきことではないと思うが、よく頑張ったと思う。
彼女が帰ってきたら労いの言葉を掛けるべきだろう。
コンコン
ん? 扉がノックされる音だ。
「開いています、どうぞ」
「失礼します……」
ゆっくり扉が開く。
誰だ?
「どうかなさいました?」
「えっと、ですね……。昇降口の窓ガラスが割れているのを発見しました」
ガラスが?