【悲報】皆がボクを狙ってる?~婚姻したら裸にされるし拐われそうになるし、挙げ句、狙われてるって誰得ですか?~   作:ペロりねった

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101.チャリ──なんじゃと?

 

 

「『ピンポンパンポ~ン』ご来店の皆様にお知らせします。ただいま暴徒(ぼうと)が店内に侵入しようとしております。落ち着いて階上へ移動をお願いいたします。繰り返します。ただちに買い物をおやめになり整然と──」

 

「くっ! 外は突破されそうじゃの~。キョウよ、煌国(こうこく)の存亡はそなたに掛かっておる。覚悟するのじゃ」

「そんな問題? なんか(こと)を大きくしてない?」

「はっはっはー」

 

 一度言ってみたかった、とぶっちゃけるミヤビ様。あのね~?

 

 やむなくスリングを取って試着コーナーに(こも)る。

 

 外では悪巧(わるだく)みが(ささや)かれている。聞きたくないけど聴こえてくる。

 

「それで、キョウに着せてどう突破すると言うのじゃ?」

神騎御輿(チャリオット)で行きます!」

「おう! あれか?」

 

 羽衣(はごろも)さんの言葉に気更来(きさらぎ)さんが(わか)って感嘆(かんたん)する。なんだよ、チャリオットって?

 

「チャリ……なんじゃと?」

「意味わからん……」

不双(ふそう)語でオーケー?」

 

 歩鳥(ほとり)さんと斎木(さいき)さんは理解できず不満をもらす。

 

「大《おお》雑把(ざっぱ)に言うと騎馬(きば)戦の騎手(きしゅ)をキョウ様にやっていただく」

「大雑把っていうか、そのまんまだ」

「早くそう言え」

 

「それじゃ馬の頭が密着(みっちゃく)度が高くて不公平だ。それに三人しか支えられなくて一人あぶれるだろ」

「待てまて。誰が三人で馬をやると言った?」

「騎馬戦の馬は三人だろ?」

 

「機動力を高めるため四人で馬をやる」

「なるほど……それなら……」

「どっちにしろ頭二人が得じゃないか?……」

「……う~ん」

 

 なんて低レベルな論争(ろんそう)なんだ。それに騎馬戦って何。学校の体育祭とかでやるアレか?

 

「地の利で喜多村警護の我らが頭なのは当然」

「待て! お(そば)(はべ)る我らに頭は任せろ」

「そなたら、どうでもよい。それで突破できるのであろうな?」

 

「もちろん。キョウ様のお姿を目にしたものはその神々(こうごう)しさに吐血(とけつ)して戦意喪失(そうしつ)すること間違いない! たぶん」

「「たぶん、かよ!」」

 

 羽衣さんの言い分に歩鳥さん、斎木さんが突っ込んでる。吐血ってなんだよ! ボクって血を()くほど見たくないってこと?

 

「ま、まあ、屋上に逃げてもジリ貧だ。キョウ様の威力でなぎ倒そう」

「仕方ない」

是非(ぜひ)もなし」

「破れかぶれ」

 

 ちょっと~、いま看過(かんか)できない言葉があったけど?

 

 しかし、こんな姿を見せたからって威圧(いあつ)できるかな? むしろ呼びよせるんじゃあ?

 

 姿見で確認する……。あ~、自分でもくらくらする。

 

「ほんとにやるの?」

 

 カーテンのすき間から顔だけ出して()いてみる。

 

 着替えておいてなんだけど……。食い込んでるし、はみ出てるしスケスケだし……死にたい。

 

「ちょ、ちょっと見せてみよ──ふぐっおっ!」

「ミ、ミヤビ様?!」

 

 倒れかかるミヤビ様を護衛が支える。

 

「何やってんです……うぐっ!」

「おいおい──ふぬぅううっ!」

「お前らオーバーなん──ぐはっっっ!」

「なんだよ~、ヒドい! 着替えさせといて!!」

 

 ボクを見てみんなが倒れた。

 

「た、確かに……これは……最(キョウ)……最終兵器(スーパーウェポン)。いや、完殺兵器(リーサルウェポン)、じゃ」

「そんなに~?」

 

 こんな姿(さら)したんじゃ、ますます外を歩けなくなる。「あの」に「痴態(イタい)」って付けられるよ?

 

「歩鳥、斎木よ。頭は任せる。とても我らでは……」

「ダイジョブか? 後ろを取ってもかな~りヤバめ、だぞ?」

「くっ。頭の()くに任せて付いていくだけだ」

 

戸隠(とがくし)角師(かくし)。我らの露払(つゆはら)いをせよ」

「はっ! (おお)せのままに」

御意(ぎょい)!」

「我らも加えてください」

 

 ミヤビ様が直参(じきさん)の護衛に(ちょく)を下すと、特殊部隊な人たちも加わると表明する。

 

「そうか、やってくれるか?」

「「はい! お(まか)せください」」

「では、頼む」

 

 護衛の二人がミヤビ様にひれ伏し、特殊部隊な人たちも(なら)っている。

 

 やっぱ、やるんだ、ね?

 

「じゃ、じゃあ出るからアッチ向いてて……」

 

 他所(よそ)を向いたのを確認して試着コーナーから出る。でもコレって支払い終わって無いけど良いのかな~?

 

「斎木」

「おう! 歩鳥!」

「おう! やるぞ」

 

 変な気合いの元、護衛の二人が並んで(かが)む。

 

「やるか」

「おうよ!」

 

 その二人が後ろに伸ばした手を(うつむ)いた喜多村警護の二人が取る。

 

「じゃ、じゃあ……乗る、よ?」

「おう!」

「バッチこい!」

「や、優しくお(なが)い、します……」

「いや、それはおかしい。まあ、いいけど」

 

「キョウ、きれい」

「キレイ……」

「ちょっと、写真を……」

「タンポポちゃん、やめて。見たら悶絶(もんぜつ)。いや、悶死(もんし)できる」

「ちぇっ、一枚だけ」

 

 一枚だけでもヤ~~!

 

五神(ごしん)合体! 神騎御輿(チャリオッツ)・ア・ゴー‼」

 

 四人編成の馬に乗ると羽衣さんが変な掛け声をかける。

 

 それもやめて?

 

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