【悲報】皆がボクを狙ってる?~婚姻したら裸にされるし拐われそうになるし、挙げ句、狙われてるって誰得ですか?~   作:ペロりねった

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104.サキちゃんの叱責?

 

 

「それで、これは一体どー()うことじゃ?」

「え~なんと言いますか──」

 

 装甲車は暴徒の波を泳ぐように駐車場を走り抜け、帰途(きと)()く。

 

 その車内、乗車状況は行きと違う様相である。

 

 中央の広場? と言うか通路には気更来(きさらぎ)さん、羽衣(はごろも)さんが(ひざまず)いている。

 

 その後ろにボクの護衛、歩鳥(ほとり)斎木(さいき)羽徳(ハノリ)煌太女(こうたいじょ)殿下──ミヤビ様の護衛、(ささ)さん、打木(うちき)さんまで(ひざまず)いている。

 

 そして、サキちゃん──皆がお(やかた)様と呼ぶ人の真ん前でボクも同じく座らされている、床に。

 

「──なぜ、ボクも床に座らされてるのか、分からないんですけど~?」

「はあ~……その黒メガネはどうした? どうして、わしの携帯にメールできる? 装甲車(くるま)()んだそうじゃが、どうやって?──」

 

「ちょっと、そんなにいっぱい答えられない」

「ふむ……まず、そのメガネはどうした」

 

 おずおずと気更来(きさらぎ)さんが手を()げる。

 

「わたくしが渡しました。館内の見取り図があれば案内しやすいかと思いまして」

「分からぬ。なぜ、キョウが案内(あない)する? 貴様(きさま)が案内《あない》すればよかろう?」

 

「ええっと、その……その時は前を見れない状況でして、ですね?」

「前を見れない? 意味が分からん……」

「あの~僭越(せんえつ)ながらご説明いたしますと──」

 

 そう言い羽衣さんがボクのスカートを(まく)る。

 

「きゃ! 何すんのよ~」

「ぶふっ!」とスカートの中身を見たサキちゃんが吹く。

 

「と、このような、媚態(びたい)が目の前にあるとですね、前を見れなくてですね?」

 

「意味がわからん。貴様らが前を歩けばよかろう? ん~ん?」

「あ~、えっと、キョウ様を(かつ)いでおりましたので前を向いてしまいますと、その媚態(びたい)が目に入って正気ではいられませんから……」

「なぜ担ぐ。単直(たんちょく)(もう)せ」(✳️『単直(たんちょく)』単刀直入の略)

 

 そこから、一からの説明が始まる。

 

「──なるほど、元凶は羽衣、貴様だな? それでキョウよ、なぜ斯様(かよう)なことができた? そなたは、そこまで調整(コーデ)されておらん」

「ええっと、コーデって何?」

 

「はぁ~そこからか……。まあ良い。できてしまったものを本人に分かろうはずもない……か?」

 

 そういってサキちゃんは(くう)をにらみ物思いに(ふけ)る。

 

 ちょっと~、そこで話やめられると首すじがムズ(がゆ)くなるんですけど~?

 

 とは言え、ご立腹なサキちゃんに訊けるはずもなくボクは言葉を()みこんだ。

 

「そのメガネを返せ。そなたには早い。まったく、計画を修正せねばならん……」

「あの~、返さなきゃダメ? 計画って何?」

「そなたには関係……あるが、まだ話せん」

 

 それきりサキちゃんは(だま)ってしまう。

 

 ()く泣くサングラスを気更来(きさらぎ)さんに返し、ボクたちは座席に着いた。

 

 余計に乗り込んだ護衛や警護と、特殊部隊な笹さん、打木(うちき)さんは立ちん坊だ。

 

 あ”~、あれがあればアレやコレやができたのに~。

 

 直近では、タマ・水無(ミナ)現況(げんきょう)(のぞ)け無事なのか確認できるし、逐一(ちくいち)マキナの様子を()れるかも知れないし。

 

 ああ、そうそう。放置できないのでサガラ・クルーも車に乗せ、モールから離れたところで投棄(とうき)した。

 

 降車の間違いじゃないかって?

 

 だって、本当に()り降ろしたから投棄でしょ? やったのはボクじゃないよ?

 

 他の車、むくつけき特殊部隊の車に乗ったから、そっちの人たち。だからしょうがない。

 

 行きより少し時間が掛って喜多村本家楼壁(ろうへき)に着く。通過儀式を()て壁の中へ。

 

 車から降りて迎賓(げいひん)館へ戻ろうとするところをサキちゃんに止められる。

 

「もう、そなたは母屋(おもや)()よ」

「え? どうして」

 

「そなたを放置できなくなった。許可なく本館を出ること(まか)りならん」

「え~! 迎賓(げいひん)館のお風呂がボク、良いんだけど?」

 

「風呂などどこでも同じじゃ」

「ええっ~? 違うよ?──」

 

 そこからボクのお風呂愛が炸裂(さくれつ)してしまい()くし立ててしまう。

 

「あ~分かった分かった。風呂()好きにせよ」

「それじゃ。本館──母家(おもや)のソープ使っていい?」

 

「ソープ?……ああ~アレか。そなた、(をなご)の中でアレを使うと(ひど)い目に()うぞ?」

「酷い目って何さ?」

 

「もっとヌルヌルにされる、別のもので……まあ、それも(たの)しいかも知れぬが……」

「そ、そう? 別のものが分からないけど、マキナは別に普通だったよ」

 

「あやつは慣れておるからじゃ。まあ、今夜、使ってみれば分かる。おお! 今度はわしも一緒に入る。風呂の(とき)は知らせよ」

「…………」

 

 なんだよ。サキちゃんも楽しみにしてるじゃん。

 

 

「はあ~、つ・か・れ・た……」

「あの、キョウ様。荷物はどこへ」

「もう、適当に置いておいて? ボク寝るから。なんか精神的に疲れちゃって……」

 

「お()しのままでは、寝苦しいでしょう? ()がれたらどうです」

「そうだね……」

 

 ベッドに寝転びながら、のろのろエプロンドレスを脱ぐ。

 

「ちょっと、下着くれない? ボクサーパンツが良い」

「はい、どうぞ」

「ありがとう──って、なんで居るのさ?」

 

 顔をあげたらパンツを差し出す気更来さんと、荷物を物色(ぶっしょく)する羽衣さんが目に入る。

 

 まあ、歩鳥さんと斎木さんが来ても不思議(ふしぎ)じゃなかったんだけど、その二人も何やら荷物を物色してる。点検してると思いたい。

 

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