【悲報】皆がボクを狙ってる?~婚姻したら裸にされるし拐われそうになるし、挙げ句、狙われてるって誰得ですか?~   作:ペロりねった

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106.なんか増えました

 

 

「だ、大丈夫……。なんかどんどん負担(ふたん)が増えて胃がきりきり(いた)くなっちゃって……」

「も、申し訳ありません。我らがご負担であれば、この腹かっ(さば)いてお()びいたします!」

「ううっ……やめて。それが負担になるんだってば」

 

 今度の警護は……なんか重い。(ささ)さん、打木(うちき)さんが(うずくま)るボクを(かか)えてくれる。

 

 でも、肩はいいけど胸さわってる~。なんか()まれちゃってるよ。

 

貴様(きさま)ら、キョウは一般人ぞ? 過剰(かじょう)忠誠(ちゅうせい)心労(しんろう)を掛けると心得(こころえ)よ」

「そうだそうだ。ゆるゆるやってればキョウ様はいいんだから」

「いや、お前は(ゆる)みすぎ」

 

 羽衣(はごろも)さんに気更来(きさらぎ)さんが突っ込む。

 

「わ、分かりました。ゆるゆる、ですね?」

「な、なんとかやってみます……」

 

 (ささ)さんと打木(うちき)さんが(しお)れてしまった……。ボク、悪くないよね?

 

「まあ、それでキョウよ、(はよ)母家(おもや)に来るのだぞ? でん──ミヤビ様がお待ちじゃ」

「……は?──」

 

 今なんて言った?

 

「──ええっと、ミヤビ様はもうお帰りになったのでは?」

「いや、居座(いすわ)──んぉほん、キョウと初床(はつとこ)をすませねば帰らぬと(もう)されてな……」

「初床、って何?」

 

「あ~有り(てい)に言えば初夜(しょや)儀式(ぎしき)、じゃな」

「……あの~意味が分からないんですけど~?」

「申しておられたろう。妻の一人にすると。ミヤビ様は二人の妻を男家(めと)っておられるが、まだお子が()られぬ──」

 

 サキちゃんの話ではボクの子種(こだね)で子を成したい御意向(ごいこう)らしい。それはダメでしょ?

 

「サキちゃん、ミヤビ様って煌家(こうけ)(かた)ですよね?」

「そうじゃ。よく分かったの~」

 

 サキちゃんを呼びよせ小声で話す。

 

「ダメでしょ? ボク、一般人だよ。その〝いと(とうと)き〟お(かた)の相手なんかできないよ?」

(かま)わん。ご本人がキョウが()いと申されておる。なあに、妻たちはいわゆる政略結婚。生まれた子はどちらかの子として育てられる──」

 

 その配偶(はいぐう)者たちは子種に問題があって、(いま)妊娠(にんしん)(いた)っていないという。

 

「──じゃから、その(かた)の代わりに種を仕込むだけの話じゃ」

「それってボクがお子を育てられないんだよね?」

「まあ……そうなる、かの~」

 

 サキちゃんが虚空(こくう)に目をやる。

 

「そんなのイヤだよ。精子提供でできた子は仕方ないとしても肌を合わせた人の子を育てられないなんて」

「そなた……。その気持ちは素晴らしいが、世の中には違う道理が(まか)り通っておるのじゃ。(あきら)めよ」

「それじゃあ、本館には行かない。どうせ来週には新都に帰るんだし面倒(めんど)くさい」

「そなた……(こら)えよ。それに帰れぬやも知れぬぞ?」

 

調整(コーデ)を間違ったかの~」とサキちゃんが小さく(なげ)く。

 

「なんで帰れないのさ?」

「そなた監視(かんし)衛星(えいせい)接触(アクセス)したじゃろ?」

「何それ?……あ~! (そら)のあれか~」

「そう、それじゃ。隣国(りんごく)、つまり不双(ふそう)から攻撃を受けたと、彼方(あちら)から抗議(こうぎ)されておる」

 

「え~? こっちを(のぞ)いてるヤツが悪いんじゃん。()ち落としてやる。黒メガネ貸して?」

「今度はそうは()かん。カウンターを受けて脳が焼き切れるぞ?」

 

「まったく物騒(ぶっそう)なヤツじゃ」って、また(なげ)かれた。

 

「えっ? そんなに危険?」

 

 神妙(しんみょう)にうなずくサキちゃん。

 

「やるならば多重に防壁(ぼうへき)を張って……と、何をしゃべらせる。あのメガネでは実現できぬ。やめておけ」

「そうなんだ~。……ってことは、それが出来るメガネもあるんだね?」

「…………」

 

「しまった」って表情で、もうしゃべらぬとばかりにサキちゃんは口を(つぐ)む。

 

「話を戻すが、犯行者を(さが)しておる。国内・隣国ともに、じゃ。そなたは益々(ますます)喜多村より出て行けぬようじゃぞ?」

「そんな~」

「まあ、ここに居て子作りしておればよい」

「じゃあ学校は? 友達にも会えないの?」

 

「友達くらいなら()べばよい。学校はこちらで準備するか、自宅学習になるのぉ」

「と、そうだ。友達がこっちに向かってるの。喜多村で保護して欲しい」

「ほぉう? 今朝言っておったこと、じゃな?」

「そうそう」

「分かった。手配しておこう」

 

 ほっ……これで一安心。無事だといいけど……

 

 

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