【悲報】皆がボクを狙ってる?~婚姻したら裸にされるし拐われそうになるし、挙げ句、狙われてるって誰得ですか?~   作:ペロりねった

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107.お散歩しよう

 

 

 本館へ戻ってくサキちゃんを見送る。さて、これからどうしよう?

 

「みんな~もう起きないと」

 

 取りあえず午睡(ごすい)真っ盛りの幼女たちを起こす。

 

「う~ん、まだ眠い……」

「もうちょっと……」

「眠いよ~」

 

歩鳥(ほとり)さん、斎木(さいき)さん、もう起きてるでしょ? ベッドから降りてよ」

 

 タンポポちゃんたちにワンピースを着せながら護衛の二人を起こす。

 

「ばれてましたか……」

「もうしばらく、この感触を~」

 

 まったく、斎木さんは危機感ないね~?

 

「もう、斎木さんは用済み。チェンジ、だね?」

「そ、それだけはご勘弁(かんべん)ください」

 

 ベッドに頬ずりする大きい子をちょっと(おど)したら飛び起きた。

 

 ボクは解任するつもりもないし、そんな権限もないけどね?

 

「それで、何して遊ぶの?」

 

 タンポポちゃんたちに訊いてみる。

 

「ん~、考えてない」

「ん~?」

「そんなの何でもいい」

 

 あ~左様(さよう)ですか……。

 

「それじゃ、部屋に戻って勉強のお復習(さらい)とか、しない?」

「え~~っ?」

「もう朝、やったよ~」

「ん~? やった」

 

「朝はうるさくしたし、お復習は大事だよ?」

「そんなの明日もやるんだし構わないわよ」

「そうそう」

「ん~? そう」

 

 ん~、タンポポちゃんの意見に引きずられてるっぽいな~。おいおい慣らしていくか~。

 

 って、ボク、住み込む気分でいる……。

 

「仕方ない。ボク、屋敷の周り知らないから案内して?」

「それなら良いわよ」

「案内する」

「する……」

 

 タンポポたちに用意した衣服を持って部屋を出る。使用人の館を()て本館二階・タンポポたちの部屋に荷物を置く。また一階に降りて遊歩道へ出る。

 

 護衛や警護のみんなは置いてきた。新任の(ささ)さん、打木(うちき)さんが付いてくるって言うと気更来さん、羽衣さんまでが対抗意識を燃やして付いてくるって言う。

 

 すると、護衛の歩鳥(ほとり)さん、斎木(さいき)さんまで来るって言い出して、きりがないので全員(こば)んだ。

 

 壁内(へきない)にいるうちは安全でしょう。

 

 

「ね~? キレイでしょ~」

「そうだね」

「これ」

「キレイに咲いてるね。チューリップ」

「見て見て」

「ツツジも咲き始めたね」

 

 皆と歩いてみると、とんでもなく広い。遊歩道から庭園に歩いていく。これ手入れが大変だわ。

 

 辺縁(へんえん)に杉が並ぶところがあり、バラのアーチを抜けると藤棚(ふじだな)四阿(あずまや)なんかまで(しつら)えられている。

 

「これ、ちょっと飲み物でも持ってくれば良かった」

「そ、そうね。今度は持って来ましょ?」

「うん、持って来る」

「軽食もいるわね」

 

 水仙に囲まれた四阿(あずまや)によって休憩する。

 

「まだまだ奥にもありそうだね?」

「この奥には何もない」

「そう農場しかない」

「ない……」

 

「え~、農場まであるの?」

「そうよ」

「そうなの。でも、つまんない」

「ウシがいる。こわい……」

 

 もしかしたら、壁の中でコミュニティができてる? 壁内ではある程度、自給自足してるのか。そうしてないと生活できない気がする。

 

「また今度、農場に行ってみたいな」

「え~っ、見るところないよ?」

 

 

「これ、そなた、何をしておる」

 

 休んでいるところに護衛二人、戸隠(とがくし)さん、角師(かくし)さんを引き連れミヤビ様が足早にやってくる。

 

 四阿(あずまや)の前まで来られると、ガサガサ後ろから音がする。振り返ったら笹さんと打木さんがいた。

 

 二人とも黒服が草まみれだし落ち葉の欠片(かけら)やら付けてるし。どこにいたんだよ。

 

 てか、あとを付けて来てたの? いつの間に? こわいよ、特殊部隊。

 

 みる間に四阿(あずまや)腰壁(こしかべ)を跳び越えてボクたちの前に立ち、ミヤビ様たちと対峙(たいじ)した。

 

 ミヤビ様の護衛も前に進んでミヤビ様の盾になる。まさかの事態に息を()む。びっくりするよ。

 

「あの、ミヤビ様。どうかされましたか?」

「どうもこうもない。なぜ母家(おもや)()ぬ?」

 

 護衛の挙動(きょどう)(どう)じもせずミヤビ様が問う。あ~、そんな話もあったね?

 

「そのお話は先ほど聞いたばかりでして、その、このような重大な用件は、マキナと相談いたしまして、ご返答いたしませんと、ですね?」

「何を()うておる。マキナとわらわは愛友(マブだち)じゃと言うておろう。わらわの言うことはマキナも反対せぬ」

 

 あれ? これってもしかして……かな~り一方的じゃね?

 

「キョ~ウ?」

「ん……」

「う~」

「何、みんなどうしたの?」

 

「「「…………」」」

 

 皆から返事がない。居心地悪い、とか?

 

「ミヤビ様、一度マキナと話しておきますので、また(のち)ほど──」

「何を悠長(ゆうちょう)な。今! すぐ! 訊いてみよ」

 

 ん~困ったね。

 

「まだ、勤務中と思われますので、もう少しお待ちいただければと考えます」

「分かった──」

 

 分かってくれた……ホッ。

 

「──わらわが、直接話す」

 

 え~~っ! 全然分かってなかったヨ!

 

 お付きの黒服・角師(かくし)さんから手荒に携帯を奪うと操作し始める。

 

「お待ちください! 分かりました。わたくしから連絡いたします」

「ならば()(もう)せ」

「はぁ~~」

 

 ボクは思いっきりため息をついた……。

 

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