【悲報】皆がボクを狙ってる?~婚姻したら裸にされるし拐われそうになるし、挙げ句、狙われてるって誰得ですか?~   作:ペロりねった

112 / 203
112.みそぎの予行

 

 

「あの~(まわ)り、人が集まってて(こわ)いんですけど~?」

「何ですか、あなたたち。これは神聖(しんせい)儀式(ぎしき)(の予行)なんですから。下がりなさい」

 

岩居(いわい)さんだけズルい。私たちも検査をお手伝いします」

「ダメです。これからヌルヌルしてあそ──お体を(きよ)めなければならないのです。下がりなさい」

 

 サザレさん、いま本音がもれてませんでした?

 

介助(かいじょ)が一人二人は必要でしょう? お願いします」

「……仕方ありませんね~」

 

 いや、そこで折れないでほしいんだけど?

 

「ちょっと待って。介助なら(ささ)さんと打木(うちき)さんにお願いします」

「「「そんな~」」」

 

 羽衣(はごろも)さん、斎木(さいき)さんたちが悲鳴をあげる。

 

「我らでよろしいのですか?」

「そ、そのような大役(たいやく)を?」

 

 そんなに狼狽(うろた)えなくても……。

 

「あなたたちが一番信頼(しんらい)できますから」

「キョウ様……」

「なんと(うれ)しいお言葉」

 

 聞いた笹さん、打木さんが感泣(かんきゅう)してる。それほど?

 

「私たちもず~っとお(まも)りして来ましたよ?」

「そうだそうだ」

 

 気更来・羽衣の両名が()(とな)える。

 

「私たちはマキナ様、直々(じきじき)依頼(いらい)を受けて護ってるんだ」

「そうだそうだ」

 

 歩鳥(ほとり)斎木(さいき)のご両人も反論する。(らち)()かないな……。

 

「分かった。順番ね? まずは笹さんと打木さんにお願いするから。これ決定」

「「「くっ……」」」

 

 護衛・警護の四人がしぶしぶ退(しりぞ)いて……笹さん打木さんの後ろに並ぶ。

 

 女性陣──たぶん使用人館で働いてる人たちも並んでいく。あの~、今じゃないから、のちのちだからね?

 

「ちょ、ちょっと~。妻を(あら)う、のは──」

「…………」

 

 タンポポちゃんが異論(いろん)を上げるけどサザレさんのひと(にら)みで(だま)り、すごすご湯船に戻っていく。

 

「はぁ~……サザレさん。続きをお願いします」

(かしこ)まりました。では笹は右半身、打木は左半身をお願いします。わたくしは下半身を重点的に……」

「「「ズルい!」」」

 

 周囲から非難(ひなん)の声があがる。

 

役得(やくとく)です!」ってサザレさん、言い切ったよ。

 

「あ、あの~。スポンジ、とかじゃないんですか?」

 

 ブラックボトルのソープを手に取り両手でこねている。

 

「素手の方がよく感じますから」

「はあ……そうですか……」

 

 何を感じるんだ。異物(いぶつ)のこととかだよな。

 

「で、では……参ります……むふ~」

 

 大きく息を()くと(おそ)る恐るヌルヌルの手をボクの下半身に……。その手つきがやらし~んですけどぉ。

 

「そなた、なぜワシに知らせぬ?」

 

 そんな風呂場にサキちゃんが乱入してくる。

 

「あ、忘れてました」

 

 なんか引っかかってたけどサキちゃんの(こと)だったな。なんやかやで知らせるのを忘れてたわ。

 

「忘れるとは何事じゃ」

「マサキ様、お静かに。今、大事なところを──大事なところです」

「お、おう。そうか?……」

 

 サザレさんが一喝(いっかつ)するとサキちゃんの語威(ごい)が一気に落ちる。

 

「わしもヌルヌルやってみたいのじゃが?」

 

 何言ってんの、この人。

 

「ご遠慮(えんりょ)ください。儀式(ぎしき)(予行)の最中(さいちゅう)です」

「そ、そうか……」

 

 毅然(きぜん)とするサザレさんに(しお)れるサキちゃん。サザレさんはサキちゃんにも強権を持ってるよう。

 

「あの~、もうそろそろ良いんじゃないですか?」

「そうですか? 念入りにやりませんと」

「そうなんですね……」

 

 そんなに、くちゅくちゅやられると()みるんですけど?

 

 そんなことより、サザレさんの表情がヤバいんですけど……大丈夫かな。

 

「サザレよ、やりすぎではないか?」

「そんなことは……はっ! わたくしとしたことが……」

 

 サキちゃん、グッジョブ! サザレさんが正気に戻ったよ。

 

「笹さん、打木さん、ありがとう」

「「いいえ」」

「貴重な経験をいたしました」

 

「サザレさん、次は?」

「泡を流したあと、お湯で体を温め、お()しものを着付けます」

 

 もちろん、ボクはされるがままらしい。

 

 シャワーで(あわ)を流してもらうと浴槽(よくそう)()かる。そこまでサザレさんの介助つき。

 

「どうってこと、なかったね」

「そう思うか? 後ろを見よ」

「えっ?」

 

 洗い場の女性のみならずお湯に浸かる人たちまでボクを見ている。

 

「どういうこと?」

「そなたの(にお)いじゃ。それが女を(たかぶ)らせる」

「そう? それほど、でも……」

 

 (となり)のサザレさんを見たら、また顔がヤバくトロけてた。

 

「……サザレさん?」

「はっ! 申し訳ありません。わたくしも()れているつもりでしたが……」

 

 (かぐわ)しい香りとキョウ──つまりボクの匂いが混じって何とも自制(じせい)()かなくなるらしい。

 

 サザレさんとサキちゃんが居なかったらヤバかったのか。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。