【悲報】皆がボクを狙ってる?~婚姻したら裸にされるし拐われそうになるし、挙げ句、狙われてるって誰得ですか?~   作:ペロりねった

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122.やっかいな白い人

 

 

「って、なんで白い人までベッドに入って来るのさ?」

「お(そば)でお(まも)りせねばと思いまして。それから白い人ではなく戸隠(とがくし)です。戸隠ハイリ」

「ああ、そう……。〝とがくし〟って、どこかで聞いたような……」

「お忘れですか? ショッピングモールで御下命(ごかめい)(はい)した」

 

 あ~、なんかそんな人、居たね? 御下命って大層(たいそう)なものじゃなかったんだけど?

 

「それで、その戸隠さんが何故(なぜ)ここにいて、ベッドに入ってくるのさ?」

「ですからキョウ様をお護りするために」

「別にベッドに入ってこなくていいでしょ?」

 

「実はわたくしもアレを()てもんもんとしてしまって、ですね……」

「今すぐベッドから出ろ!」

 

 戸隠さんをベッドから()り落とす。

 

「そんな、ご無体(むたい)な~」

「自室──は無いからトイレで(しず)めてきてください」

 

 また、厄介(やっかい)な人に(なつ)かれたようだよ。

 

「その……タンポポちゃんたちも……観ちゃった、よね?」

「……いや、眠くて寝ちゃってた……残念」

「ん、……ねん」

「なんか、むずかしいこと、聴いてたら……」

「そ、そう」

 

 観られてたら、こっちが残念だったよ。よかった~、観られてなくて。

 

「それはもう、ハノリ様から取り出した──」

「みんな、耳を(ふさ)いで!」

「なに?」

「ん?」

「──精液は質・量とも申し分なく。列席した方々(かたがた)は感心なさってましたよ?」

 

 やっぱり、ろくでもない情報だった。

 

「中でも、レイニ様が驚愕(きょうがく)されて──」

「いや、もういいです」

「──モールでの卓越(たくえつ)した指揮(しき)ぶりに、その見目(みめ)(うるわ)しさ、崇敬(すうけい)(あたい)します。我が君には、あなた様が相応(ふさわ)しいと(けっ)しました。さらにさらに男の性能の高さ──」

 

 もう、やめて?

 

「まだ~? 耳、ふさいでるの」

「ん? まだ?」

「もういいよ。ともかく、ベッドはダメです」

「そうよ、キョウを妻にしてからにしなさい」

「しなさい……」

 

「皆様はどのようにしてキョウ様を妻に?」

「それは……女の魅力(みりょく)?」

「──ブフッ」って吹いたらタンポポちゃんににらまれた。

 

「ほうよう(りょく)~?」

 いや、マナちゃんは(かか)えられてる方だよね?

 

「ちゃんとお世話してる~」

 いや、お世話はボクが……考えるのやめとこう。

 

「……なるほど~。納得しました──」

 いや、納得するとこなんてあった?

 

「──自分を(みが)包容(ほうよう)力を身に付け、お世話を勉強し研鑽(けんさん)いたします」

 

 では、と言って戸隠さんはベッドの前に座りこんだ。

 

「もしかして、ずっとそのまま座りこむつもり?」

「いかにも」

「はぁ~~。分かった。今夜だけ、一緒に寝ていいから」

「ほ、本当ですか?」

 

 まあ、夜通し座りこまれても(たま)らない。ボクのメンタル的に。

 

「みんな、許してあげてね?」

「仕方ないわね~」

「ないわね~」

「うん、しょうがない」

 

 

「ふぁあ~」

 

 すっきり目が覚めた。部屋を()け出して大丈夫だったかな?

 

「戸隠さん、起きて。部屋に戻ろうか? 心配してるかも知れない」

「そ、そうですね?」

 

 そお~っとベッドを脱け出しエレベーターへ。五階に上がり部屋に向かうとドアの辺り襦袢(じゅばん)姿の(ひと)がいる。

 

「おはようございます──」

「おはようございます、義兄上(あにうえ)

 

 ん? 変なこと言う人だな~、っと部屋に入って行く。

 

義兄上(あにうえ)どこに行かれてたのじゃ?」

「──は? その言葉。もしかして……レイニ様?」

 

 立ち止まって振り返る。ボクより少し──(こぶし)一つくらい低い背丈(せたけ)。ショートボブ。レイニ様らしい……。

 

「そうじゃ、()がレイニ──レニと呼んでくだされ義兄上(あにうえ)

「え~~っと、なぜに兄上? ですか」

「夕べは感服(かんぷく)いたしました。ハノリ様()兄弟(﹅﹅)となったからは兄・弟でよいではないですか?」

 

 ん?……ん~ん?……どんな理屈(りくつ)

 

「そ、そうですか? ならば、位が上のレイニ様が兄なのでは?」

「いやいや、位とか(とし)とかは関係ございません。それからレニとお呼びくだされ」

 

「はあ~? で、では、わたくしもキョウとお呼びください」

「いえいえ、滅相(めっそう)もない」

「いえいえ、それじゃボク──わたくしが困りますから──」

 

 これ、いつまで続けりゃいいの?

 

「あの~、その辺でお止めになり、ハノリ殿下(でんか)の元へ()かれては?」

「おお、そうじゃの~。ささ、義兄上(あにうえ)

「あ、いや、その~」

 

 レイニ様がボクの腕を取って──正確には腕を(から)めて寝室に引っ張っていく。

 

 いったい、ど~なっちゃったの? レイニ様。

 

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