【悲報】皆がボクを狙ってる?~婚姻したら裸にされるし拐われそうになるし、挙げ句、狙われてるって誰得ですか?~   作:ペロりねった

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124.タマ・ミナ、見つかる?

 

 

「〝あ〟ではない。なぜ、ミヤビ様たちのお相手をしておらぬ?」

「だって、モールに遊びに行きたいとか言いだしてるから、他にすること探してもらってるんだよ」

「そうなのか……ご承知(しょうち)ならばよい。それで、そなたは何をしておる?」

 

「ん? タンポポちゃんたちを見に」

「そうなのか? あまり彼奴(あやつ)らを甘やかすでないぞ?」

「全然、甘やかしてないよ? ボクは、びしびしやる教育パパですから……」

 

「とてもそう見えぬが……。まあ、べったりせぬことじゃ」

「もっちろん、分かってるって」

 サキちゃんが(うたが)わしげに顔を(ゆが)める。

 

「話は、それだけ?」

「いや、こちらに向かったと言うそなたの友じゃがのう、見つかった」

「ほんと? 良かった~」

「それが……良いとも言えぬ」

 

「え? それってどう言う?……」

(しら)せてきた者によると四国におる」

 

「は? どうして四国に」

「それが……リニアで九州まで行き過ぎ、早く戻らねばと(あせ)り近道だと(しょう)して四国に行ったのじゃ、と……」

 

「意味、分かんないけど?」

「わしも分からん。しかし、付き()う護衛がおるから、その(うち)こちらに来るじゃろう」

 

「そんな悠長(ゆうちょう)な。なんとか出来(でき)ない? ボクが迎えに行くよ」

「無理じゃ。あちらから連絡(れんらく)して()(かぎ)りは」

 

「そんなあ~。その護衛と連絡つくんでしょ?」

「いや、(かげ)とは単独(たんどく)(こう)が基本で、その裁量(さいりょう)を持っておる。その影も渡りをつけぬ(かぎ)りは所在を(つか)めぬのじゃ」

 

「そんな、厄介(やっかい)な……。護衛って影の人なの?」

「そうじゃ。その友が奇異(きい)な行動をしそうだと察知(さっち)して無理に同行したそうじゃ」

 

「その人を教えて(もら)うわけには……」

「無理じゃな。そちらは、そちらの流儀(りゅうぎ)がある。渡りをつけるには(いく)つも(つな)ぎを経由(けいゆ)するゆえ容易(ようい)にゆかぬ」

 

「ぐぬぬ~」ハイテク隆盛(りゅうせい)の世になんて時代錯誤(アナクロ)

 

危急(ききゅう)な連絡ではないゆえ、そやつに任せておれ」

 

 そう言い、サキちゃんは戻って行く……。これはもう、(おく)の手を使うしかないか……。

 

 サキちゃんを追いかけるように道を戻り、エレベーター前でサキちゃんが五階に上がったのを確認する。

 

 空いたエレベーターを喚ぶとボクも五階に上がる。行き先は護衛たちの部屋。ミヤビ様たちは……おとなしくテレビ観てる、な? よしよし。

 

「ちょっと、いい?」

「どうされました?」

「羽衣さんにお願いが……」

「へ? わたくし、ですか?」

 

 うん、と(うなず)いて部屋の(すみ)に呼ぶ。

 

「あのさ~、貸してほしいものが、あるんだ~」

「な、なんでしょう?」

 上目(づか)いで(たの)んでみると、どぎまぎして答える。

 

「そのメガネ、貸して?」

「ッ! ダ、ダメです……これは……」

「そんな~、貸してくれたら~、ご褒美(ほうび)、あげるのに~」

「ゴクリ……。い、いや、これだけはダメ! です」

 

「ちぇっ。仕方ない……。笹さん、ちょっと~」

「は、はい。なんでしょうか?」

 

 一番ゆるそうな羽衣さんがダメなら……。代わりに笹さんに(たの)もう。

 

「笹さんは、ボクの忠義の人、だよね~?」

「もちろんです……。ですが、いつものキョウ様ではありませんな」

 

 チッ。気づいちゃうか~。まあいい。

 

「なら、ボクのお願い、聞いてくれるよ、ね?」

「それは……もちろん。(こと)次第(しだい)によりますが」

「そんなこと言わないで、ね? ちょ~っと──」

「ダメです」

「──えっ?」

 即、否定? なんでよ~?

 

「そんな……そのようなキョウ様は、キョウ様ではありません」

「な、ボクはキョウだよ。いつものボクだよ?」

「いいえ。そのような()びるキョウ様は、キョウ様ではありません!──」

 

 あ~、そっちね?

 

「──いつも毅然(きぜん)……とは、してらっしゃいませんが、人に媚びたりはしない」って論破(ろんぱ)される。

 

「わ、分かった。単刀(たんとう)直入(ちょくにゅう)に言うね……。笹さん、メガネ貸して」

「ぐっ! そ、それは……ダメ、です──」

 苦渋(くじゅう)の表情で笹さんが(こば)む。ど~してよ~? 

 

「──お(やかた)様より決して渡してはならぬ、と申し付けられておりますので……」

「ちぇっ。サキちゃん、先回りしてたか~」

「何か?」

「いえ、こっちの話。ねぇ~、友達が大変なんだよ。あのメガネがあると、きっと助けて、見つけてあげられるんだよ。お・ね・が・い♡」

 

 自分でやってて寒けがする。かなり、メンタルが(けず)られた~よ。

 

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