【悲報】皆がボクを狙ってる?~婚姻したら裸にされるし拐われそうになるし、挙げ句、狙われてるって誰得ですか?~   作:ペロりねった

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132.板ばさみ? 引っ張りだこ?

 

 

「ちょっと~、キョウちゃんの部屋見たいな~」

「うん、見せて」

「う、それは……」

 ボクの部屋はいろいろ見せられない状態(じょうたい)なのよね~。

 

「さあ義兄上(あにうえ)(もど)りましょうぞ」

「キョウ、帰るのよ」

「うん、かえろ」

「かえる……」

 レニ様、タンポポちゃんたちが()っついてくる。

 

「あの、その……それは、ここの責任者に()いてみないと、なんとも」

「怪しい……」

「うん、怪しい」

 まあ、(うたが)われるよね~。

 

「何も怪しくないよ。あの……古い家だから仕来(しきた)りとかいっぱいあって、ね?」

「ふぅ~ん。まあいい。夕食は一緒に食べられるよね? その時に聞かせて」

「そうそう」

 

「あ~……それも、どうかな~なんて……」

「ますます怪しい……」

「そうだね。いったい何を(かく)してるの?」

「うんうん」

 二人が疑念(ぎねん)を深めちゃった……。

 

「それは……」

義兄上(あにうえ)、もうよいではありませぬか? 戻りましょう。そなたら、義兄上(あにうえ)を困らせるでない」

 

「うっ。ま、まあ、あとで聞くよ」

「キョウちゃん……遠い人になった……」

「じゃ、じゃあ、あとでね?」

 あとでって言っても、良い言い訳が何も浮かばない。

 

 物思いに(ふけ)りつつ、レニ様タンポポちゃんたちに引き()られ本館に戻る。

 

 

 ◆

 

「ねえ……」

「分かってる」

 

 水無(ミナ)悪巧(わるだく)みしている。それをタマも分かっている。

 

「こっそり付いてかない?」

必至(ひっし)

 

 タマ水無(ミナ)は、部屋に(もど)るふりして距離を()けキョウのあとを()ける。

 

 キョウたちは屋敷(やしき)──迎賓(げいひん)(かん)の端まで行くと両開きのドアを抜けて行く。

 

「──思い出したけど」

「なに?」

羽徳(ハノリ)殿下(でんか)の第一正室(せいしつ)

「うん」

 

山級(やましな)怜瓊(レイニ)って言う」

「それが?」

「レイニってレニに似てない?」

「ああ、確かに。それで?」

 

「それだけ」

「ガクッ──そのレイニ様があのレニ様だと?」

「まだ確証がない」

「まあね」

 

(おく)(こも)ってるからレイニを見た人がいない」

「ふう~ん」

「うわさでは豊かに()った(かみ)(あで)やかな着物を着てる」

「ふんふん」

 

背丈(せたけ)は一六五センチらしい」

「まあまあの身長だね」

「でもアレ(﹅﹅)は、ちっちゃ──キョウちゃんより低い」

「あ~、キョウちゃんは──」

 

「自称一六〇センチ。でも、本当はギリ一五五」

「あ~、キョウちゃん思ったより低いかな~なんて思ってた。見栄(みえ)っぱりだよね。それが?」

「そのキョウちゃんより低い」

「まあ、そうだったね」

 

「私は一六三センチ」

自慢(じまん)か! 私も一六〇はあるから」

 

 などと取り()めのない話に脱線(だっせん)して使用人の屋敷を抜けて行く。

 

「こ、こんにちは」

「え、ええ、こんにちは?」

 そこでは使用人との接触(せっしょく)もままある。

 

「ここはなに? キッチンにランドリー。使用人の働くところ?」

「うん」

「こんなところに住んでないよね」

「おそらく」

 

「あ! こけた」

「むう」

「す、すばやいね、タマちゃん」

 タマは幼女の転倒(てんとう)を見るやドアの()いた部屋に飛び込む。水無(ミナ)(あわ)ててタマに(なら)う。

 

想定(そうてい)ずみ」

 ドヤ顔のタマに水無(ミナ)がイラっとする。

 

「ここって居室(きょしつ)だね」

「うん」

 (しの)んだ部屋はベッドが並び質素(しっそ)な家具しかない。二人は、しばらく待機してやり過ごす。

 

「もういいかな?」

「尾行再開」

 使用人の部屋から出るとまた、(かべ)沿()って二人は歩み始める。

 

 

 渡り廊下(ろうか)手前の(とびら)越しに見ているとキョウたちは壁方向に向いている。

 

「あれ? あそこ、ドアか何か?」

「かもね」

「消えた」

「急ぐ」

 キョウたちが壁に消える。二人は、両開きを開けて消えた場所へ渡り廊下を急ぐ。

 

「これなに? 壁の中に消えた?」

「エレベーター」

「ああ、エレベーターか」

「建物に合わせて装飾(そうしょく)されてる」

 

「は~、なるほど」

「二階に停まってる」

「部屋は二階かな」

「断定不可能。また動きだした」

 エレベーターの動きを観察していると二階から上へと動き出す。

 

「五階か~。二階とどっちよ」

 エレベーター表示が最上階五階で止まる。

 

「五階。責任者に会いにいった」

「そうか。二階で待ってるとキョウちゃんと会えるかな?」

「たぶん会えない。レニ様がレイニなら部屋は最上階」

「ああ~、そこに戻ろうって言ってたから」

 

 突如(とつじょ)、タマが歩きだす。

 

「タマちゃん、どこ行くの」

「……おしっこ」

「なんだ……私も行く」

「早くして」

 

 まったくマイペースな二人である。

 

 

 

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