【悲報】皆がボクを狙ってる?~婚姻したら裸にされるし拐われそうになるし、挙げ句、狙われてるって誰得ですか?~   作:ペロりねった

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159.みんなに囲まれて

 

 

「──それで、タバサさん? とはどんな関係?」

 

 食の進まないマキナの口に料理を突っ込みながら()く。

 

「それは──んぐ……遠縁で先輩、だな」

「そうなんだ~。マキナの妻になったキョウです。よろしくお願いします」

「うん、聞いてるよ。こちらもアリサがお世話なりました」

「いえいえ。それで、ツバキちゃんは誠臨(せいりん)なんだね? 何年生?」

「う、うち? 三年……」

「へえ~、じゃあもう卒業だね? 香具羅(かぐら)メイって知ってる?」

「……メイ? 知ってるけど、あいつが何?」

「ちゃんと学校、行ってるかな~って」

「確かに……休みがちだけど学園に来てる。それが何? てか、あいつとどんな関係?」

「ちょっと病院であって、ね~?」

 ツバキちゃんは「病院?」って(いぶか)しげにしてる。

 

「んぐっ……そうなんだ……いろいろあったんだ」

 説明が面倒なのでマキナの口に料理を突っ込みつつ話を振る。

 

「学校に通ってたら良いんだよ、確認しただけ」

「ふうん……」ってツバキちゃんは疑問に思いつつも納得してる。

 

 目前の幼女ーズやアヤメ・カエデ姉妹は、冷ややかな目でボクたちの様子を見てる。タマちゃんたちも別な意味で凝視(ぎょうし)してくる。

 

 きっと病院襲撃で何かあったと思ってるんだろう。

 

 そうか……メイはちゃんと通ってるのか……。良かったような、悪かったような……。

 ちゃんと卒業して高等部に入ると結婚の約束が有効になってくるし、行かなかったらで厄介ごとが舞い込む気がするし。

 

「もう食事はよいか? マキナたちを紹介したいのじゃが?」

 皆さんがコーヒーやお酒を楽しんでいる間にサキちゃんが小声で訊いてくる。

 

「はい、構いません」

「もう、いいの? あんまり食べてないよ?」

 あまり食べていないのにマキナは了承してしまう。

 

「ああ、食欲がな、ちょっと……」

「そう、なんだ……」

 その割りには横っ腹が抱き心地よくなってるんだけど……。

 

「それでは、そなたら、テーブルの後ろに並べ」

「「分かりました」」

「分かった」

 アヤメ・カエデさんのみならずツバキちゃんまで返事する。彼女たちが席を立ってテーブルを回ってくるのにタンポポちゃんたちも付いていく。嫌な予感しかないんだけど……。

 

 席に戻ったサキちゃんが、その様子を訝しげににらんでる。

 

「皆の者、少しよいか? 遅れておったマキナと姉妹を改めて紹介する。喜多村を背負って立つマキナじゃ」

 サキちゃんの紹介でマキナが、より背すじを伸ばし一礼する。会場からは小さく拍手が起こる。

 

「次女のアヤメ……三女のカエデ……じゃ」

 次々と姉妹たちを紹介、おのおの一礼する。

 

「──ちょっと、お館様、うちも……」

 控えめに手をあげてツバキちゃんが小さく声をあげる。

 

「そなたは、数に入っておらぬ」

 サキちゃんがマイクから口を離してそれに答える。

 

「そんな~、うちも入りたい……」

「そなたは、決められた婚姻は好かぬと言っておったではないか?」

「うっ……それは……撤回します。キョウちゃんと結婚したい」

 

 キョウちゃんってね~……ツバキちゃん、一つ年下だよね? 身長は……負けてるけど。

 

「マキナ、どうする?……」ってサキちゃんがマキナを(うかが)う。

 仕方なくと言う素振りでマキナがうなずく。ツバキちゃんまで姉妹婚に加わるの?

 

「ふう~……四女のツバキじゃ。皆よろしく頼む」

 サキちゃんが紹介してツバキちゃんが一礼する。

 

「──はいはい! おやかた様、私も!」

「うん、わたしも」

「わたしも、わたしも!」

「はぇ?」

 ついでのように手をあげて幼女ーズが声をあげると、タバサさんがすっとんきょうな声をあげる。まあ、そんなことだろうとは思ったけど。

 

「キョウ、どう言うことだ?」

「ま~あの~いろいろあって……」

 マキナが説明を求めてくる。面倒なんで結婚って言っても十年も先なんだからと、取りあえず了承してもらう。マキナがサキちゃんにうなずくと先を進める。

 

 また携帯の写真を出されると穏便に済まないからね~。

 

「で、では、婚姻の予約としてレンカの娘・タンポポ、コデマリの娘・マナミ、山吹タバサの娘・アリサじゃ──」

 タンポポちゃんたちは、紹介に合わせてぎこちなくカーテシーをする。当然ながら異例の紹介で会場がざわめく。

 

「──マキナ、ひと言挨拶(あいさつ)せよ」

 サキちゃんが歩みよってマイクをマキナに渡す。

 

「喜多村マキナです。会食に間に合わず、申し訳なく──」

 

「そなた、良いのか? 子供らまで約束すると必ず果たさねばならぬぞ」

 マキナの挨拶の陰でサキちゃんが忠告してくる。

 

「大丈夫だって。十年も先だから、その(ころ)には好い(ひと)が現れてボクのことなんか忘れてるって」

「能天気じゃのう。あやつらは、そなたと婚姻する、必ず。請け合ってもよい。そうなると、そなたは(しぼ)()くされる」

「そ、そんな大げさな~……は、は、は……」

「ここは、いわば喜多村家公式の場じゃ。言ったことはもう(くつがえ)らぬぞ」

 

 

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