【悲報】皆がボクを狙ってる?~婚姻したら裸にされるし拐われそうになるし、挙げ句、狙われてるって誰得ですか?~   作:ペロりねった

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164.すべての女の夢

 

 

「そうだね~。キョウちゃんには女の夢が詰まってるよね~」

「そうなんです。周りに色目向けるし、(しな)を作って誘惑するし、まったく女(たら)し」

「ちょっと待って? 女の人に()びたことなんて一度もないよ?」

「……キョウちゃん、女子を拒絶どころか拒否したこと無いよね?」

「それくらい……ある……よ?……」

 胡乱(うろん)な目でタマちゃんが見てくる。

 

「そうだね~、キョウちゃんに頼むとすべて(かな)えてくれそう。そんな気がする……」

 

 そんなバカな……。いや、でも頼まれたら拒まないかも……。女の人の言うことを聞けって教えられたし……。

「あ″~~っ?」

 思い返すと言い当てられてる気がしてきた……

 

「ホント、周りに悪い(ヤツ)が居なくて良かったよ。みんなキョウちゃんを護るためなら何でもしたと思う」

「何となく分かる」

「そう言う相乗効果で、がばがばなキョウちゃんが出来ました」

「見たように言わないで?」

「見てないけど聞いてるから……」

「……あ~、ユウちゃんか~」

「そうそう」

 ユウちゃんは、いろいろボクを気にかけてくれた幼馴染みで引っ越しちゃった子。タマちゃんはその知り合いでボクのことを聞いていたんだった。

 

 つい話に夢中で洗う手が止まっていたので急いで洗う。本当に風邪引いちゃうよ。

 

「ツバキちゃんも洗うのね?」

 カエデさんを洗い終わったのでツバキちゃんに聴いてみる。

 

「え、うん……」

「でもあとにして? タンポポちゃんたちを超特急で洗うから」

「……分かった」

 

 タンポポちゃんたちを並べて文字通り並列で洗う。お陰で体がいくらか温まる。もちろん、足の指の間や耳たぶの後ろとかちゃんと洗えたか、みんなを確認する。

 

「お待たせ。ツバキちゃん、どうぞ」

「う、うん」

 ツバキちゃんを前に座らせて背中を洗っていく。

 

「ふ~……ふ~……」

 刺激が強かったかツバキちゃんは背中まで真っ赤にしてる。お湯に浸からずして茹だってる。

 

「はい、終わり」

「あ、ありがとう」

「それじゃ、お湯に……浸かれないよ」

 お湯に浸かろうと浴槽を見るとすし詰め状態になってる。

 

「あ~、私は上がるから入るといい」

「え~、そんな~」

 マキナがお風呂を上がるって言う。一緒に入る目的だったのに何でこんなことに。

 

 お湯から上がったマキナに付いて脱衣場に行き体を拭く。替えの下着がないので素肌にローブを羽織らせる。

 

「マキナさんを拭うとローブを着せます。妻の(かがみ)ですね~」

「タマちゃん、いい加減にしてよ」

「キョウ、お湯に浸かっておいで。部屋で(くつろ)いでいるから」

「……はい」

「おっと、キョウちゃんは湯船に戻るようです。浴槽は女子しか居ません。凌辱(りょうじょく)待ったなし」

「……怒るよ。凌辱なんか起こりません」

 立ち止まりタマちゃんをにらんで言い放つ。

 

「タマちゃん、帰ろ。キョウちゃん、激怒一歩手前だよ」

「うん。キョウちゃん、ごめん……」

「…………」

 う~、ここは(ゆる)しちゃいけない。ぐっと我慢だ。

 

「──明日、お別れだから……つい」

「タマちゃん、部屋に戻ろ?」

「うん……」

「……はあ~……騒いじゃダメ、だからね?」

 そう言葉を残して浴場に戻る。甘いなあ~、ボク。

 

「それって……」

 タマちゃんの独白を聞かない振りで浴場に戻る。

 

 そのあと、浴槽に浸かってイモ洗い状態を楽しんだのは言うまでもない。もちろん、静かになったクラスメイト二人の観衆もいた。

 

 お風呂から上がりタマ水無(ミナ)の二人、タンポポちゃんたちと別れ、三階の部屋に戻ると奥、リビングから話声が聞こえる。

 

「お風呂上がり、ました? ミヤビ様?」

 リビングにはマキナとミヤビ様がソファーに座って話し込んでいる。

 

「お帰り」

「わらわは戻る。マキナ、考えておいてくれ」

「…………」

 沈痛なマキナを残してミヤビ様が帰っていく。

 

「ミヤビ様と何かあった?」

「……何でもない。ここへ座って」

 マキナがとなりの席を勧める。

 

「何?」

「遅くなったね?──」

 懐から紫色のビロード地の小箱を取り出す。それって……もしかして。

 

「──左手を出して」

 箱のフタを開けると指環が二つ()さっていて、一つを取ると左手薬指に()めてくれる。

 

「さあ、もう一つを私に」

 感無量のボクにマキナが言う。

 言われる通り残りの指環を取るとマキナの左手薬指に嵌める。その左手にボクの左手を並べてにんまりする。

 

「アヤメ姉、指環用意してる?」

 カエデさんが小声で聴いている。

 

「まあ、一応」

「私、用意してないよ?」

「じゃあ、今度買ってくれば? キョウちゃん、受け取って?」

 アヤメさんも小箱の中の二つの内の一つを取るとボクの前に(ひざまず)いて左(てのひら)を差し出してくる。

 

 

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