【悲報】皆がボクを狙ってる?~婚姻したら裸にされるし拐われそうになるし、挙げ句、狙われてるって誰得ですか?~ 作:ペロりねった
「赤、ちゃん?……。おい、キョウは何を言ってる?」
「さ、さあ?」
何か、マキナに話が通じない。アヤメさんに聴いている。
「さあ、じゃないだろ。お前が要らん情報を伝えるから」
「で、でもマキナ
「だから、あれは妊娠じゃなくて、な?」
「ともかく、キョウ様の着替えを」
「そうだな……。何か着るものは?」
笹さんが二人をなだめる。
体を見たら検査衣一枚、着ているだけだ。
「ここには検査衣くらいしかない。着ていたどこかの制服に戻せば?」
「それで、その制服は?」
「さあ?」
「お前な~」
「取りあえず車で本館へ戻りましょう」
「そうするか……」
よく話が見えない。
「起きられるか?」
「うん。……ありがとう」
身体を起こすとマキナが自分のジャケットをかけてくれる。
「私、後片付けがあるから」
「分かった。あとで説明に来いよ」
アヤメさんは帰らないらしく、そこで分かれる。
廊下は病院のような飾り気のない壁と天井だ。やはり病院の中か。
「どこに行くの?」
「どこ?
「本館? そこに赤ちゃんがいるの?」
「いや、いない。一先ず、赤ちゃんは忘れろ」
「え~、赤ちゃんを抱くために帰ってきたのに……」
「まったく、アヤメが要らないこと言ったばかりに……」
「何?」
「何でもない。本館に戻ったら眠れ」
「え~、また寝るの?」
「少し休んだ方がいい。起きたら説明する」
「……分かった。でも、お腹
「あ~食事がまだだったな……何か用意させる」
「分かった」
マキナに言われるまま、もう一度眠る。
「キョウ、起きれるか? スープが来た。食べられるか?」
「……うん。食べる」
身体を起こすとマキナが背中にクッションを詰めてくれる。辺りを見回すと三階の部屋のベッドだね。
クッションに背中が預けられるところまで下がる。
普通に起きて食べられそうだけど、ベッドテーブルまで用意してくれているので甘えてベッドで食べる。
回りにはマキナはじめ、カエデさんや笹さん、
「それで、赤ちゃんはどこに居るの?」
スープをすくいながらマキナに聴く。
「……よく聞け。赤ちゃんなど居ない」
「え? 居たよ。マキナとの赤ちゃん」
「……もう一度言う。
「そんな……。確かにこの手に抱いたよ」
「そもそも、私は子供を産んでいない。妊娠もまだだ」
「でも、あれは……確かに……」
「マキナ様、キョウ様は
「ああ、そのようだな。キョウ、すぐに妊娠もするし赤子を抱ける。今は忘れろ」
「……分かった」
何だか一気に気が抜けて食欲がなくなった。
あれは、
「食が進んでいないが……」
「もういい……」
「腹が減ったと言っていたろう?」
「食欲が無くなった」
皿にスプーンを落としテーブルを前へ突く。
「お、おい」
「ゴメン……もう寝る」
「……分かった」
マキナが
◆
「キョウは、どうしてしまった?……」
「しばらく、そっとしましょう」
「分かっている。アヤメはまだ帰らないか」
アイツに聴かないとさっぱり分からん。
「そのようですね……」
皆とリビングに移る。
そんな
「どうした?……」
「……キョウは? 見つかった?」
そうか。まだ何も知らせていなかったな。
「ああ、連れ帰ってきたぞ」
そういうと、みんな顔をほころばせる。
「どこにいるの? 寝室?」
「ああ、今眠っている。起こさないようにな」
今にも寝室に駆けて行きそうなので釘を刺しておく。
「分かった。みんな行こう」
「……うん」
「早く!」
「こら、走るな。騒がしくするんじゃないぞ?」
言ったそばから走って行こうとする。子供は何をしでかすか予測できない。そんな子供をキョウが好きなのを理解できない。