【悲報】皆がボクを狙ってる?~婚姻したら裸にされるし拐われそうになるし、挙げ句、狙われてるって誰得ですか?~   作:ペロりねった

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190.レニ様おかんむり

 

「帰還したならば、なぜ顔を見せに()ぬのです?」

「ああ~」

 一緒に出かけなかったんだから、帰ってきたら挨拶(あいさつ)するべきだったね。

 

「レイニ様、キョウが疲れておりましたので、つい失念(しつねん)しておりました。申し訳ありません」

「──申し訳ありません」

 マキナと共に謝る。

 

「まあ、良いでしょう。さあさあ、行きますぞ」

「え、どこへ」

「我らの部屋に決まっております」

 レニ様に腕を取られ引きずられる。

 

「あ、いや、これから予定が……」

「行ってこい。殿下によろしくな」

 そんな~。

 エレベーターに逆戻り、五階に上がる。

 

義兄上(あにうえ)、心配しましたぞ?」

「え、ああ……お気遣(きづか)いありがとうございます」

 部屋に向かう道すがらレニ様が聴く。拉致(らち)事件は知らされてるのかな? どっちだろう。

 

「一日、顔を見せぬと殿下も(さみ)しがっておいでですぞ?」

 これは、事件を知らなそうかな~?

 

「え~、いろいろありまして帰参の挨拶が遅れていたのです」

「ウソです、ね。あのまま眠りに()くところだったでしょう」

 ギクッ。鋭い。

 

「そ、そんなことありません、よ」

「お(つと)めを一日休んだのです。今宵(こよい)は確りやりましょうぞ」

「──お勤め……って」

「子作りに決まっておるでしょう」

「ですよね~」

 五階の自室に入り応接室を通り抜ける。

 

「ただいま戻りました」

「こんばんは~」

義兄上(あにうえ)……」

 ボクを見たミヤビ様の顔が(くも)り、部屋の雰囲気(ふんいき)が一気に悪くなった気がする。腕を取るレニ様が脇腹を(ひじ)(つつ)いてくる。

 

「え? あ……ただいま戻りました」

「よくぞ戻った。変わりないか?」

「はい、もちろん」

「それは僥倖(ぎょうこう)。時間が勿体(もったい)ない。始めるか」

「さあ、参りましょう」

「え、え、どこへ?」

 我ながら愚問(ぐもん)だと思うけど。ミヤビ様に続いてレニ様に引きずられ奥へ進む。

 

(しとね)に決まっております」

 ですよね~。

 

「一日分を取り戻さねばなりませぬぞ♪」

「そ、そうですね~(棒)」

 一時間ほど、ふぉーめーしょんを確認しつつ新しい体位も試してフィニッシュ。

 

 

義兄上(あにうえ)、一日休むと身体のキレが悪いですぞ」

「いや、それは……スミマセン」

 拉致(らち)されて仮死状態だったからとか言えない。

 

「では、三階に戻られませ」

「え? よろしいのですか?」

「勤めが終われば自由といたしましょう。そちらの家族もいるのですし」

「はい、ありがとうございます」

 レニ様って子作りに真摯(しんし)に向きあっているだけなのかも。

 

戸隠(とがくし)義兄上(あにうえ)を送って差し上げよ」

「ははっ!」

「──ヒッ!」

 びっくりするよ。いつから居たの、白い人。認識阻害(そがい)とか使ってるんじゃなかろうか?

 

「お休みなさい、義兄上(あにうえ)

「お休みなさい、レニ様、ミヤビ様」

 手早く身繕(みづくろ)いすると寝所をあとにする。

 

「キョウ様、お手を」

「ありがとう──」

「戸隠、義兄上(あにうえ)に触れるでない」

「ははっ」

「いいじゃん、手をつなぐくらい」とも言えず、戸隠さんの後ろを付いて行く。

 

「ここは?」

 自室を通り過ぎて疑問に思っていると、見覚えのある部屋の前に止まる。まあ、分かるけど聞いてみる。

 

「三階の風呂です。汗をかかれたことでしょう。シャワーで流された方がよろしいかと」

「なるほど」

 戸隠さんの言う通りローブと下着を脱いで浴室に入るとシャワーを浴びる。

 

「お背中、流します」

「はあ? 結構(けっこう)です。出ていってください」

「そう言わず、洗うのは得意です」

 それは知ってますけど。何、勝手に入ってきてるのさ。

 

「お触り禁止。レニ様が言ってたでしょ」

「こんな機会しかお(そば)に寄れない気持ちを察してください」

「それってどんな気持ち? よく分かんないけど」

「ご奉仕(ほうし)したくても近寄れない、切ない気持ちです」

「わ、分かりました。ちょっとだけ、ですからね」

 よく分からん、けどストーカー体質なのは分かった。ふたりっきりになると危ない人だ。素直に従っておこう。

 

「いかがです?」

「まあ、いいです……そこは背中じゃないんですけど」

「背中だけではもの足りません。脚が()っておいでですよ」

「そうですか?」

「そうです」

 息を荒くして下半身をマッサージしながら流してくれる。話が違う。

 

 

「何か疲れた」

「それはいけません。どこかで全身マッサージを」

「もう部屋で寝るだけですから結構です」

 ()れた身体を()いてもらいながら(つぶや)いたら、まともに受け取られた。

 そういうところが疲れるって~の。

 

 

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