【悲報】皆がボクを狙ってる?~婚姻したら裸にされるし拐われそうになるし、挙げ句、狙われてるって誰得ですか?~   作:ペロりねった

29 / 203
29.赤井親子と

 

 

「先輩は、ずっと手前の駅ですよね?」

「そうだが、それが何か?」

 

 一つ電車を()ぎ、自宅の最寄(もよ)り駅を出るのに先輩も付いてくる。

 

「暗いのに、(ひと)りで帰らせられるか?」だって。至極(しごく)ごもっとも。

 

 電車の事件が無ければ、一人で帰れたかも知れないが、今回のことでとてもじゃないけど帰れそうもない。

 

 しかし、遠回りだし時間は取られるし、先輩には申し訳ない。今度、()め合わせしなくちゃ。

 

 駅からかなり歩いてやっと自宅に帰着。やっぱり歩きじゃ通学はムリっぽいな。

 

 駅までかなり歩かされるんじゃ、体力のないボクには無理だ。

 

 こういう高級住宅街では、自転車か車、あるいは送り(むか)えがないと生活できない。

 

 自転車の都合(つごう)が付くまでは、マキナに送ってもらうしかないのか。

 

 

 玄関先の道路に赤井さんが(たたず)んでいて、ボクたちを見付けると走り()って迎えてくれた。

 

「お帰りなさい。心配しましたよ?」

「ただいま。ご心配おかけしました」

 

 それで、なんであんたが一緒(いっしょ)なのよ? と赤井さんが先輩に問い(ただ)す。

 

「まあ、色々あったんだよ」

「ま、まあ、上がってください。赤井さん、先輩のご飯くらい、ありますよね?」

「え、ええ。あると思いますが、この子大食いですからね~」

「親に似たからしょうがないだろ?」

「あんたは、ただの無駄(ムダ)飯食らいだよ」

「うるせぇ!」

 

 そんな親子のやり取りを見て、ボクは感じたことのない親子の温もりを感じた。

 

 今夜は母さんに電話してみようかな?

 

 

「さあ、入って入って」

「あっ! キョウ様、待って!」

 

 ケイト先輩を連れて家に入ろうとして赤井さんに止められる。

 

 なんだろうと思いつつ玄関に入るとキュウキュウとどこからか(かん)高いアラームが鳴る。と同時に携帯端末が(ふる)えた。

 

 辺りを見回しても音源(おんげん)が分からない。すぐに音は止まったので誤報(ごほう)か? と思っていると赤井さんが先輩を外に引き()り出している。

 

「御仕事中、すみません。侵入報は間違いです。……はい、はい、一時パスを発行していただけますか? ……はい。ケイト、端末だして!」

 

 玄関ポーチで赤井さんがどこかに電話している。かなり切迫した感じだ。ケイト先輩は呆然(ぼうぜん)としている。

 

 門柱の陰から明滅(めいめつ)している赤い光が辺りを照らしていた。異変がこの家に生じたのを(しら)せている。

 

「すみません。赤井さん、ボク……」

「すみません、あとにしていただけますか?……。はい、あとはキョウ様に。失礼します」

 

 電話相手──たぶんマキナの指示を(あお)いでいるのだろう。先輩と端末の操作をして、電話を切った。

 

「あの──」

「キョウ様、端末でケイトを承認(しょうにん)していただけますか?」

「あ、はい」

 

 鬼気(きき)(せま)る赤井さんの指示で、ボクの端末に受信した先輩からの承認要求──家に入る許可を与える。

 

「あとは、自室のコントロールパネルで警報を止めてください」

「はい!」

 

 赤井さんの語威(ごい)に押されて家に飛び込んだ。ええっと自室のコントロールパネル……って、アレかな?

 

 階段を()け上がって、部屋のドア(わき)にあるコントロールパネルを見る。

 

 赤く点灯したランプには〝侵入〟の表示。回りは特に関係ないスイッチばかり。

 

 と、上に警報解除のボタンがあったので押してみる。すると承認の入力を求める表示がされた。

 

 また携帯端末から承認コードを送信すると、赤いのが消えた。

 

「やっと止まった……」

 

 脱力(だつりょく)して玄関に戻りポーチに出ると、赤井親子が(かしこ)待っていた。(←省略・短縮したら誤字脱字っぽい)

 

 門柱の赤い光も消えたようだ。

 

「申し訳ありません!」

 

 赤井さんが最敬礼で腰を折り、ケイト先輩の首根っこを(つか)んで頭を下げさせている。

 

「いえ。ボクの方こそすいません。手順をよく分からなくて……」

 

 いや、(あやま)るのはこちらですよ。

 

「そうです、ね。キョウ様には自重していただかないと。軽はずみな行動は(つつし)んでいただきませんと、お(ささ)えする者が困ります」

「俺──私も軽い考えだっ、でした。申し訳ありません!」

(イヤ)だなあ~。ボク──私が、悪いので謝らないでください。それから、言葉(つか)いは普通でお願いします」

 

 言ってる最中(さいちゅう)、お腹がくう~っと鳴った。

 

 なんとか二人を取りなして、皆で家に上がる。

 

 もう警報は鳴らないと思ったけど、玄関の敷居(しきい)(おそ)る恐る(また)いでしまった。自分では鳴る可能性がないのにね。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。