【悲報】皆がボクを狙ってる?~婚姻したら裸にされるし拐われそうになるし、挙げ句、狙われてるって誰得ですか?~ 作:ペロりねった
そこへモデルのような女性がやって来て、
「喜多村課長代理、お持ちしました。こちらの方ですか?」
「そうだ。婚約が決まってね。自宅に送り届けるまで待ってもらってる──」
「は? 婚約、ですか?」
男の子? と女性が
「そうだ。ああ、キョウ君、ちょっと」
「はい?」
彼女たちのやり取りを
「婚約者の
「は、はい。受付をしています、
そう言って、入館章のIDストラップを渡してくる。
「はい、蒼屋です。よろしくお願いします」
喜多村になるかも知れませんが……、と付け加える。
「なるかも、は無いだろう」と言うマキナさんは耳を少し赤くしている。
それを聞いて岬さんは、
「そうですね……。申し訳ありません」
とすぐに喜多村になりますと
「
マキナさんが何やら操作し終えたタブレットを、岬さんは受け取り一礼して返っていった。
入館者名簿にボクの名前なんかを
備え付けのバリスタ機でコーヒーを
「──そうだね。あまりに
母に話して用意してもらえるか電話しておいてと言ってマキナさんは仕事に戻って行った。
母に電話してできる限り学校の制服や勉強の道具をまとめてもらうように
あとは、マキナさんの仕事の片付き次第だけど、まだ少しかかりそうだよなあ~。暇だ~。
かと言って、携帯を
分かっていたけど、どこにいても自分が浮いている。ちらちらと、視線を感じる。
フロアにある席の半分ほども人はいないけれど、そこここでパソコンに向かったり書類を確認している人たちがいる。皆、女性だろう。
ボクは、社員でもなく来社した取引先の人間でもないのは明白だ。
シックなスーツばかりを着た人たちの中で、薄緑色に
しかも、ボクとしてはオシャレした方のワンピースを着ている。
それも先週、
百歩
個人的意見だと学校の制服が正解だったのかも知れない。すぐ相手の家に移ることになったんだから。
通う
ボクはスカートを選んで通っているので、その姿ならビジネススーツの群れの中には、かなり
まあ、そんな異物が事務所の
少し居たたまれなくなってマキナさんのところへ行き、社内を
「臨時IDで大体のところは見れるよ」とマキナさんが教えてくれる。
こちらの方はもう少し時間がかかると
今いるフロアは面白くなさそうなので、取りあえずは一階のダイニングとは違う表側、玄関口どうなってるのかな、っと?
マキナさんに連れられたエレベーターに行って、IDをかざすが反応しない。
自分のIDが来訪者だからかな?
仕切りでできた道を引き返して行っていない方に足を向けた。
マキナさんが仕事をしている入口を
事務所の方を見ると、机に向かっている女性がちらほらいる。皆さん
こちらに気付いて視線を送ってきた人がいて、
向かって歩いてくる人には会釈しつつ、次々、現れる入口を素通りして、
建物の中ほどにあるので、その先の事務所の向こう側にもエレベーターなりがあるのだろう。
そこのエレベーターはチェックがないみたいなので一般訪問者が使えそう。
使えるエレベーターが確認できたから、廊下(仮)の先は同じかな? と思って進んでみた。
結果、同じような仕切りの連なりと奥にエレベーターがあり、エレベーター前のソファーはないものの、外部階段に出る
端まで分かったので中央のエレベーターに戻って「下りる」を押す。程なくして開いたエレベーターに乗り込んで一階へ。