【悲報】皆がボクを狙ってる?~婚姻したら裸にされるし拐われそうになるし、挙げ句、狙われてるって誰得ですか?~   作:ペロりねった

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50.もう寝ましょう

 

 

 病室前に戻って、護衛ふたりは向かいの病室へ。

 

 ボクたちとメイは、病室へ入る。着替えて、もう寝よう。

 

「ボク、着替えますね?」

 

 ベッドを(かく)すカーテンを()めて検査衣を脱ぐ、が。

 

「ちょっと。メイさん、入って来ないで?」

「だから、護れないだろ。近くに居ないと……」

 

 マキナもカーテン内に居るんだから自分も入れろ、って横暴通り越して、……もう意味わかんない。

 

 もう誰も来ないよ、深夜の病院なんか。マキナも言ってやって!

 

「ここは婦夫(ふうふ)の空間だ。お前は出ろ」

 

 良く言った。聞いたメイが泣きそうになってる。なんでだよ。

 

「な、何さ?」

「約束、したじゃないか。もう婦夫だろ?」

「違うよ。三年待ってね? てか、ゴネるんならもう帰って?」

「そんなぁ~約束……」

「言う事、聞けない人とは約束も守れないよ」

「ぐっ……。分かった、外で待つ」

 

 待つのかよ。もう帰ってよ? これからも執着(これ)が続くのかしら?

 

 ジュリ改めメイさんを追い出して、ベッドの(かたわ)らで着替えよう。

 

 と言っても前を留めているヒモをほどいて脱ぐだけだけど。

 

 マキナが脱がしにくるかと思ったら……、さっき買ったコンビニ袋の中をゴソゴソしてる。

 

 何だろうと気を取られていると、中からストッキングを取り出した。

 

 あの(たっか)いヤツね?

 

「それは?」

「夜は冷えるからな……」

 

 病院内はまだ冬モードで暖かいから、って言うより暑いくらいだ。お(かげ)で検査衣だけでいられましたよ。

 

 そのストッキングを差し出してくるマキナ。って、もう寝る前に要らなくない?

 

 それでも()けってことですね?

 

「ありがとうございます」と受け取ってベッドに腰掛ける。

 

 袋から出したストッキングを()いていく。ちらっと横目で見るとマキナは満足そうだ。

 

 あれ? これって着圧のヤツですね?

 

 良く見たら医療用のストッキング、と言うかタイツだよ。高くて当たり前だった、医療用品ですから。

 

 ええっと、横になってる時間が長くてエコノミー症候群(シンドローム)になり(やす)いのを防ぐヤツです。

 

 それにしてもサイズが「S」か……。

 

 誰がちっちゃいって「やかましい!」

 

 (すんで)で奥歯を()みしめて口に出さなかった、エラいボク。

 

 百六十センチ(自称)のボク。百五十五センチ(正式測定値)って、四捨五入すると百六十だよね?

 

 ストッキング改めタイツを()くとマキナが上から(なが)めていた。

 

 その視線に「何?」と聴くと「なんでも」とはぐらかす。

 

 また、着せ替え人形にしてたな。まだ、何かしら隠してる、物理的に。

 

 後ろ手に何かを持ってるみたい。

 

 特に何もしてこないから、ベッドから立ち上がって検査衣のヒモを解く。

 

 すると、ずずいっと寄ってきてボクの(ミゾ)をひと()でした。

 

「ヒンッ……」と悲鳴をもらして腰が引ける。いきなり、何すんだよ。

 

 マキナを(にら)んで見てるけど、彼女は人さし指と親指を(こす)り合わせていて眼中にない。

 

「もらしては……ないか?」

「……もちろん」

 

 かなり(あせ)った。ジョバってたら何、言われるか分からない。

 

 でも……()れるほど好きな人ができたら、どうしよう。マキナに言ったら許して(﹅﹅﹅)くれるだろうか?

 

 マキナ姉妹の共有物として、どこまで許されるのだろうか? 後で話し合った方が良いだろうな。

 

「まあ、いい。ほい、これ」

 

 後ろ手に隠していたショーツとタンクトップを渡してくる。

 

「ありがとう」といって受け取った。

 

 検査衣をさっと脱ぐ。マキナが手伝ってくると思ったけど、()ているだけだ。

 

 一枚布みたいなものだから手間なんてなく、すぐだけど。

 

 パッケージを剥がして中身をみると普通のものだ。まあ、院内で着けるのに変な(﹅﹅)肌着は置いてないか。

 

 ショーツを穿()いてシャツを着て、また検査衣を着ようとしてマキナに止められる。

 

「ちゃんと、用意してる」

 

 検査衣といえど着ないとお布団(ふとん)(よご)しちゃうよ? と思ってたら、ピンク色の服が入ってるパッケージを差し出してきた。

 

 ボクもそれは買っているのを知らなかった。もらって見るとピンクのパジャマらしい。

 

 そんなものまで用意してくれていたとは、いつの間に。

 

 サプライズに隠して買ったの?

 

「ありがとう」

 

 受け取ってありがたく着させてもらう。

 

「さあ、寝ましょうか?」

 

 本当は、歯磨きとかしたいけど無いよな。そうマキナに言ってみた。

 

 だけどすぐ様、高級病室なので、お風呂もトイレも完備してると解説してくれる。アメニティも揃ってるんだって。

 

「なんだぁ。折角、着たけどお風呂入ろうよ」

 

 だったら言ってよ! って思うけど、そんな確認とかできる気持ちの余裕も時間もなかったね。

 

「ちょっとな……。夜9時くらいまでに入ってしまわないと、隣室に迷惑らしいぞ?」

 

 なるほど、もう二十一時もかなり回っている。ん~仕方ないか。歯磨(はみが)きして眠ろう。

 

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