【悲報】皆がボクを狙ってる?~婚姻したら裸にされるし拐われそうになるし、挙げ句、狙われてるって誰得ですか?~   作:ペロりねった

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78.部屋に泊まるらしい

 

 

 ボクも肌着を着けるとローブを借りて着る。

 

 護衛の歩鳥(ほとり)さん、斎木(さいき)さん、喜多村家警護の気更来(きさらぎ)さん、羽衣(はごろも)さんもお風呂から上がり着つけている。

 

 さて、脱衣カゴに残る汚れものをどうするか?

 

 借りたローブの近くにボックスがあり、そこには汚れものが()れられている。

 

 濡れたタオルや下着類だ。

 

 タンポポちゃんたちは、躊躇(ためら)わず回収ボックスに放り込んでいる。

 

 そこで回収し洗濯して持ち主に返すんだと思う。

 

 ボクもボックスに放り込もうとして、躊躇(ためら)った。

 

「このまま()れちゃって大丈夫かな」

 

 タンポポちゃんたちは良い。おそらく持ち主は把握(はあく)されていて戻ってくると思う。

 

 汚れものを見るに、名前が書かれたものが見える。

 

 それに対してボクはどうだ。今日来たばかりだし、名前も書いていないのに、果たしてボクに返ってくるかな?

 

 護衛の皆に聞こうかと視線を移すと、着る手が止まっている。

 

 こちらを見ている先は、ボクの手元かな?

 

 みんなの目を観て……羽衣さん、斎木さんは目が泳ぐ。

 

 歩鳥さん、気更来さんはそっぽ向く。

 

「ここはダメだな」

 

 部屋に持ち返りランドリーで洗うか、専門のメイドさんにお願いする方がいい。

 

 汚れものを(ふところ)にしまうと、がっかりする羽衣さんと斎木さん二人。

 

「さあ、部屋に戻ろうか?」

「「「は~い」」」

 

 皆と手をつないで本館の方へ行こうとすると「そっちじゃない」とタンポポちゃんに止められる。

 

「皆の部屋へ戻らないと──」

「違う。キョウの部屋で『鉄の誓い』を立てるのよ」

 

 誓い?……ああ、お風呂のあれね。そんなのどこでもいいじゃん。

 

 自分たちの部屋で勝手にやってよ、とも言えない。

 

「サキちゃん、この子たちを部屋に連れて行って問題ある?」

「まあ、警護どもに連絡させれば良いじゃろ?」

 

 不似合いなローブに身を包んだサキちゃんが近くにきたので()いてみると、そう答えてくれる。

 

 手には濡れたワンピースを持っている。まだ、お風呂入って無いよね? 入ってきなよ。

 

 追っ付け護衛と警護も服を着てよって来ている。

 

「そなたら、この子らがキョウの部屋へ行くようじゃ。本館に知らせて()よ。よいな?」

「は、お任せください」

 

 警護の気更来(きさらぎ)さん、羽衣さんが(ひざまづ)いて答えると、その足で脱衣場を出ていった。

 

 

「ちょっと~、サキちゃんってなにもの?」

「ここのエラい人、と思ってよい」

 

 そう言い、薄い胸を張るサキちゃん。

 

「そうなんだ。じゃ、部屋に戻るよ~」

「そなた、わしの扱いが軽くないか?」

「ボクは知らないから、その辺の事情」

 

 皆を連れて自分に充てられた部屋に戻る。

 

「タンポポちゃんたちはその『誓い』が終わったら自分の部屋に戻るよね?」

「戻るわけないじゃない」

「戻らない」

「……ない」

 

 やっぱりか。ボクの部屋で寝る気、満々だね。

 

「じゃあ、朝の朝食とか、こちらで食べるって(しら)せないとね?」

 

 きっと、幼女たちも本館に戻らず、こちらで食べるって言うに違いない。

 

 朝食をボクの部屋で一緒に取れるようにしとかないと。

 

「こちらのメイド長や警備担当にでも報せておけば良い」とサキちゃんに助言される。

 

「それじゃ、護衛の二人、分かる?」

 

 その連絡を歩鳥(ほとり)さんと斎木さんに振ってみる。

 

「はあ、まあなんとか分かりますが……」

 

「じゃあ、歩鳥さん、斎木さん、連絡お願い。朝食はボクの部屋で子供たちと食べる。ボクも子供向けのワンプレート形式で良いので」

 

「あの~」と、後ろから声がかかる。

 

 振り返って見ると、付いて来ている給仕のメイドさんが手を上げている。

 

「わたくしが、連絡して参ります」

「そうですか? では、お願いします」

「待て。わしもキョウのところで休む。朝食も一緒じゃ。伝えて()よ」

(かしこ)まりました」と言って給仕の人は(きびす)を返す。

 

「あの~、私たちは小間使いではないんですが……」

「そうです。私たちはキョウ様の(そば)にいないと……」

 

 護衛の二人が異を唱える。

 

「ここで護衛がいる? 仕事なくてゴロゴロしてたくせに……」

「む……一理あります、ね」

 

 一理もくそもあるか。そう言うのをムダ飯食らいって言うんだよ。

 

「ボクがちゃんと仕事を割り振ってるんだよ。暇でしょうに。感謝してよね?」

「感謝……ですか?」

「……やはり、喜多村家に染まってらっしゃる」

 

「何か言った?」

「いえ、何も……」

「言うこと聞いてれば良いことがある……かも知れない、んだよね?」

 

 二人は顔を見合せ、色めき立つ。

 

「風呂場以上のことをしていただける、と?」

 

 ボクは、にっこり微笑んだ。

 

 あれは、したんじゃなく、ボクがされたんだけどね!

 

 

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