【悲報】皆がボクを狙ってる?~婚姻したら裸にされるし拐われそうになるし、挙げ句、狙われてるって誰得ですか?~   作:ペロりねった

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87.お休みの儀式

 

 

「決まったわ!」

 

 ベッドで立ち上がったタンポポちゃんが宣言する。

 

「うん。それで何すればいいの?」

「お……」

「お?」

 

「お休みの……」

「お休みの?」

 

「お休みの、キス、する!」

「……それで?」

 

「──それで、って何よ」

「いや、キスともう一つは?」

 

「もう一つ……。ちょっと、どうする?」

「ん~??」

「わかんない……」

 

 幼女ーズが、また話し合いだした。決めたのは一つだったらしい。

 

 ちょっと、埒が明かなそう……。

 

「──分かった。もう一つは今度にしよう。暗くするからベッドに入って」

「わ、分かった」

「うん」

「分ったわ」

 

 部屋を暗くしベッドの前で最後の一枚を脱ぐ。ヘッドボードにローブやシャツとまとめて置く。

 

 それを見て、皆も(あわ)てて脱ぐ。皆は脱がなくてもいいからね?

 

 まあ脱ぐのはいいけど、そこら辺に放り投げるのはやめて。

 

 一つひとつ拾い集めて、みんなのシャツやキャミソールとまとめておく。

 

 かけ布団をめくってベッドに入る。みんな、そんなに見られると恥ずかしい。

 

 並んだ皆の真ん中へ移動する。

 

「一番は、タンポポちゃん?」

「そ、そうね。──」

 

 珍しく考えている。

 

「──いや、アリサが一番だったからアリサ」

「えっ? わたし」

「じゃあ、アリサちゃん──いや、アリサ、お休みなさい」

 

 チュッと音を立ててほっぺにキスした。

 

「はぅあ~。でも、ほっぺじゃなく、お口にして?」

「おませさん。じゃあ……お休み」

 

 軽く(くちびる)に唇を添えるように口づける。

 

「ふんぬぅあ~──」

 

 脱力してアリサが眠った……。眠ったの?

 

「じゃあ、マナちゃんもお口?」

「うん」

「じゃあ、お休みなさい、マナ」

 

 マナちゃんにもチュッと口づける。

 

「んふぅ~」

 

 マナちゃんも満足して眠った……よね?

 

「はい、タンポポちゃん、こっちへ──」

「う、うん──」

 

 タンポポちゃんをボクの上で抱きかかえる。心臓の激しい鼓動に合わせて体が跳ねている。

 

「タンポポ、お休み」

「お休み、キョウ。──」

 

 タンポポちゃんにも軽く口づける。

 

「──ふにゃ~」

「あらら……」

 

 タンポポも即行、眠った。眠った……んだよね?

 

 昼間と同じ体位でボクたちは眠った。地味にタンポポちゃんが重いけどね。

 

 

 蒸し暑くて目覚める。当然、分かってたけどね! 皆を起こさないようベッドを脱ける。

 

「キョウ……おしっこ……」

 

 しまった、起こしちゃったか。寝る前にトイレ行っとけば良かったね?

 

 でも、もらす前にちょうど目覚めて良かった。

 

「トイレ、行こうか?」

「うん。もれる」

「ええっ? たいへん」

 

 服を着せて……と思ったけど、かなり切迫してたみたい。キャミソールを被せて、ボクもローブを羽織る。

 

 マナちゃんをトイレに連れて行く。もちろん、抱えて小走りする。

 

 トイレの個室に入るとマナちゃんを降ろす。

 

「キョウも一緒」

「一緒って……一人でできるよね?」

「こわい……」

「もう、しょうがない」

 

 便座に座らせよそを向く。おトイレが豪華でふたりでいるのに充分広くて良かった。

 

 でも、ローブの袖を握られてあまり離れられない。

 

「終わった?」

「うん」

 

 水音が途絶えたので聴いてみる。

 

「ちゃんと拭いた?」

「拭いてない」

「ちゃんと拭いて?」

「キョウが拭いて?」

 

 いや、それは、ちょっと……。

 

「ボクが拭いていいの?」

「うん」

「分かった……」

 

 ……はあ~、なんか保父さんになった気分だ。

 

 適度にまとめたトイレットペーパーでマナちゃんのあそこに当てる。

 

 三回ほど繰り返すと、湿り気が無くなった。

 

「はい、終わり。帰ろうか」

「うん……。だっこ」

「あー、はい」

 

 マナちゃんをだっこして部屋に戻ると、ベッドの近くでアリサちゃんが足踏みしてた。

 

 まさかの二連続か。体が冷えてボクもしたくなってきた、おしっこ。一応、アリサちゃんにも聴いてみる。

 

「アリサちゃん、もしかしておしっこ?」

「うん、キョウ、連れてって」

「分かった。マナちゃんは寝ててね?」

「うん」

「じゃあ、アリサちゃん、何か着て」

「分かった」

 

 マナちゃんをベッドに上げ、アリサちゃんが着る間にペットボトルを(あお)る。

 

「妙な味なんだよね~、これ」

「キョウ、もれる~」

「はいはい」

 

 アリサちゃんを抱えてトイレに急ぐ。

 

 そして、またトイレから(のが)してくれない。

 

 夜のトイレはこわいからね~。寝る前のトイレを失念(しつねん)した自分を(うら)む。

 

「終わった?」

「うん」

「ちゃんと、拭けた?」

「うん」

「じゃ、返ろう」

「うん」

 

 アリサちゃんを抱えて部屋に戻る。

 

「キョウ、遅い!」

「どうしたの? タンポポちゃん」

 

 部屋に戻るとタンポポちゃんまでベッド横で足踏みしてた。

 

「おしっこ……」

 

「まさか」ってあるのね? 十才(とお)は一人でトイレに行ってよね?

 

 タンポポちゃんに肌着を着るよう言って、またボクはペットボトルを(あお)る。

 

 ん~、まずい。

 

「着たわ。早く早く!」

「トイレまで我慢できる?」

「ギリギリ」

「分かった」

 

 またしてもタンポポちゃんを抱えてトイレへ急ぐ。

 

「外にいるから終わったら教えてね?」

「うん」

 

 タンポポちゃんを個室に押し込む。はあ~、深夜のトイレに二人っきりって緊張する。ボクもおしっこしよ。

 

「キョウ、いるの?」

「いるよ。隣でおしっこしてる」

「そ、そう」

 

 静寂の中、長い沈黙。夜のトイレはやっぱり怖い。

 

「終わったわ」

「あ、うん。ボクも終わるから、ちょっと待って」

「うん……」

 

 ん~、なんか残ってる感じだなあ~。まあ、もう出ないし、いいか?

 

「お待たせ。返ろうか?」

「うん」

 

 二人、手をつないで部屋へ返る。

 

 部屋ではマナちゃん、アリサちゃんが待っていてくれた。

 

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