【悲報】皆がボクを狙ってる?~婚姻したら裸にされるし拐われそうになるし、挙げ句、狙われてるって誰得ですか?~   作:ペロりねった

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89.幼女たちと朝食を

 

 

 話しながら荷物から新しいショーツを出す。今日は歩き回るかも知れないからレースのTバックにしとこう。

 

「そなた、遠慮がなくなったの?」

「えっ、遠慮?」

(をなご)の前で着替えるとは」

「プッ──」

 

 ここには、サキちゃんしか居ないじゃん。

 

「何がおかしい?」

「いえ、何も……」

「まさか、そなた、わしを(をなご)と思うておらん、のか?」

「いや、思ってるよ」

 

 立派な女の子だよ、下半身は。髪の毛が銀髪だと、あそこも銀なんだね。うぶ毛だったけど。

 

「言葉の節に見くびりを感じるのじゃが?」

「──今日の朝食は何かな~?」

「そなた……。まあよい。ご飯かパン食じゃろ」

「えっ? 選べるの? ご飯が良いな~」

「まあ、今言っておけば間に合うじゃろ?」

「そうなんだ」

 

 早速、ナース──じゃなかったメイドコールをポチっと。

 

 すぐにドタドタと足音が聴こえてドアをノックする音。走っちゃ危ないよ?

 

「は~い、開いてますよ」

 

 早すぎるよ。着付けてないのに。ローブの前を閉じて返事する。

 

「お、お呼び、でしょう、か?」

 

 あら? 若いメイドさんだ。二十代前半くらいかな?

 

「朝食、ボクはご飯にして欲しいんだけど……サキちゃんは?」

「わしは、ご飯と決まっておる」

 

 サキちゃんに気づいて若メイドさんが固まる。

 

「タンポポちゃんたちは、パンかな?」

「そうじゃろ? 知らんが」

「なんだよ、それ。ちょっと待ってね」

 

 サキちゃんにタンポポたちの好みを聴いても知らないみたい。一緒に食べてないんだ。

 

 メイドさんに返事を保留するとブンブン、首を縦に振る。

 

「タンポポちゃん、朝ごはんはパンでいいの?」

「うん……」

「アリサちゃんもマナちゃんもパンかな~?」

「……そうよ」

「ありがと。ええっと、お名前は?」

「田の中サクラ、です」

「じゃあ、サクラさん。ボクとサキちゃんはご飯で──」

 

「プッ」とサクラさんが吹いた。「ちゃん……だって~」と笑いを圧し殺すのに必死になってる。

 

 サキちゃんは憮然(ぶぜん)としてサクラさんをにらむ。途端に、サクラさんは蒼くなって背すじを伸ばして直立する。

 

「──タンポポちゃんたちはパンでお願い」

(かしこ)まりました」

 

 そんな様子をドアの陰からサザレさんが(うかが)っている。

 

 彼女を見つけてボクは思わず頬が熱くなる。

 

 サザレさんは、ボクのやり取りを見届けると会釈(えしゃく)し、サクラさんと共に使用人館へ戻っていく。

 

「そなた……顔が赤いぞ?」

「そ、そう? さ、さあ、カーテン開けようかな~?」

「ふぬ?……」

 

 部屋の入口近くにあるコントロールパネルでカーテンを開ける。

 

「まぶし~」と、タンポポたちがまぶしがって布団にもぐりこむ。

 

 携帯端末の時刻を見ると六時すぎか。ちょっと早い?

 

「出掛けるし~……キャミソールでいいか~」

 

 買い物の荷物から選ぶ。出掛けるから空色のワンピースでいいか。

 

「そなた、恥じらいがなくなったのぅ」

「そ、そうかな?」

 

 ローブを脱いでキャミを着けてワンピースを着る。

 

 ソファーに座り誠臨学園の学内SNSをチェックする……って、ちょっとぉ~。

 

「大変。タマちゃんと水無(ミナ)ちゃんが!」

「なんじゃ? どうした」

「うん、友達がこっちに来る計画してるみたい」

「なんじゃ、そんなことか……」

 

 一気に興味を無くすサキちゃん。

 

「そんなことって、古都は危ないよね?」

「心配せんでも死にはせん」

「まあ、そうかもだけど」

「危険を承知で来るのじゃろう? 備えはしておろう」

「ま、まあ、護衛はつけるみたいだけど……」

 

 マキナ……いや、五条先生に彼らのこと頼むか?……

 

 って言うか、幼女たちの世話にかまけてマキナをほったらかしだった。怒ってないかな?……

 

 ま、まあ、就業時間くらいに連絡してみよう。

 

 

 朝食は、絹さやと(たけのこ)の卵とじ、お豆腐とワカメのお味噌汁に(イチゴ)練乳(れんにゅう)がけ……って合わないわ~。

 

 パン食は、クロワッサンにハムエッグ、生野菜のサラダだ。練乳苺がこちらには合うね。

 

「タンポポちゃん、マナちゃん、アリサちゃん。ご飯来たよ?」

「ん~、眠い……」

「まだ、寝る」

「もうちょっと……」

 

 給仕のメイドさんたちが配膳する間に幼女たちを起こす。

 

「ダメ! ご飯食べて、お勉強しないと、お出かけできないよ?」

「それは、だめ。起きる……」

「うん……起きる」

「んん~、起きる……」

 

 グズるタンポポたちを起こして肌着を着せる。替えがないので、昨夜のものを着てもらう。

 

 ローテーブルに追い立てて座らせる。眠いからか席順に(こだわ)らなくて助かる。

 

「頂きます」

「「「頂きます」」」

 

「やはり、そなた、やはり子供の扱いが上手いの?」

「そう?」

「のう、キョウよ……」

「ん、何?」

「そなた、保父をやってみぬか?」

「ええっ? ボク、ただの高校生だよ」

「そんなものは、どうとでもなる」

 

 出たよ。権力でなんでもできると思ってる人。

 

「キョウが保父なら幼稚(ようち)(しゃ)いく」

「わたしも」

「ダメよ。キョウは初等部の先生をするの」

 

 なんかとんでもない(こと)言い出してるよ、この子たち。

 

「そうか、キョウが先生なら行くか?」

「「「行く!」」」

「あのね、先生になるには、もっと勉強して先生になる学校に行かないとダメなんだよ?」

 

「ええっ、やだ。すぐなりなさいよ」

「うん。すぐ」

「そうよ、そうよ」

 

「そんなご無体な……」って言ったらサキちゃんに笑われた。ツボに入ったのか、笑いが止まらない。

 

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