【悲報】皆がボクを狙ってる?~婚姻したら裸にされるし拐われそうになるし、挙げ句、狙われてるって誰得ですか?~   作:ペロりねった

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*本話には、直後から◆まで【性描写】があります。ご注意ください。
 ◆マークから、普通に戻ります。


09.はじめての夜 *

 

 ◇

 

「それだけ? 知りたいことは」

 

「そうですね……。今のところはそれだけでしょうか」

 

「また分からなかったら訊いてくれ。それで、明日は服を買いに行こうと思うけど希望とかある?」

 

 二人の隙間(すきま)()めるように身体を()せてくる。

 

「いえ、特には。本家? を訪問するのに(さわ)りが無いものを選んでいただけたら。それと時間があれば家に帰る時間が欲しいです」

 

 マキナさんの体温を感じて身体を(にが)がす。彼女の視線はボクを(とら)えて(はな)さない。

 

「そうだね……。買い物の帰りに家に寄ろうか」

 

「ありがとうございます。まだ、足りないものがあるって取りに行きたいので」

 

「うん……」

 

 ボクを逃がさないようにマキナさんの(うで)が腰に伸びる。さらに、こちらを(うかが)うように力を持つ視線。

 

「……まだ、使えるのに持って来ないと勿体(もったい)ない、です、よね」

 

「君の好きにすればいい」

 

 逃げられないボクにマキナさんの顔が近づく。

 

「はい。また、運転、お願い……」

 

 ボクの(くちびる)(ふさ)がれる。

 

「どこでも連れて行く。だから心配しないで君は(ゆだ)ねていればいい」

 

 息づかいを感じる──いや、いっそう強くなった吐息に()ってしまいそうな近さでベッドに(たお)()んだ。

 

「は……はい……」

 

 (ひじ)をついて、半身を起こした彼女は、ボクのスエットに手をかけた。(おもむろ)()がされていく。

 

 どのみち、もう止まれないだろう……それなら。ボクは、マキナさんのローブのヒモを(ほど)く。

 

 身体を(かたむ)け、半身になりながら(はだ)(さら)していくと、四肢(しし)がからまり合っていた。

 

「運転……よろしく……お願い……します……」

 

 その返事は、湿(しめ)って(うる)んだ音しか聴こえなかった。

 

 

 

  ◆

 

 

 尿意(にょうい)で目が覚めた。マキナさんの(うで)退()けると、肌が(こす)れてバラの香りが起こった。まだソープの効果が残っている。

 

 携帯端末を探すとベッドから落ちていた。

 

 (から)まる(あし)をそっと外して身をよじりベッドから降りる。それを(つか)んで時間を確認すると七時前だった。

 

 ゆっくり眠ってしまった。

 

 生まれたままの姿で窓際(まどぎわ)に行き、カーテンの向こうを覗くと(うす)い朝雲が見えるだけで晴天になりそうだ。

 

 ベッド回りに散らかった肌着やスエットをつかんで部屋に備わったトイレに駆けこむ。

 

 用をすませベッドに戻るとマキナさんを起こす。

 

「マキナさん、朝ですよ」

 

「ん……ん……」

 

 声をかけても生返事で起きる気配がない。起きてもらわないと、片付けも換気(かんき)もできない。

 

 起きてくるまでにシャワーを()びようか?

 

 お手伝いの赤井さんは、もう来て朝食の準備を始めているだろうし、もうできている可能性もある。急がないと。

 

 行動が決まれば早い。替えの肌着や普段着を掴むと一階に下りた。

 

 お風呂まで行くと、ダイニングの赤井さんの気配が分かった。急いで()ぐと浴室に入りシャワーを浴びた。

 

 着替えを()ませるとダイニングの気配を(さぐ)る。シャワーの音で赤井さんも気付いただろう。

 

 二階に戻って部屋に入ると(にお)いに(おどろ)く。早いところ、部屋を片付けないと。

 

 

 再びマキナさんを()するが反応は(かんば)しくない。照明リモコンで部屋を明るくして、強めに呼び体を揺すると薄目を開けてくれた。

 

「早く起きてシャワーを浴びてください。赤井さんはもう来ていますよ」

 

「ううう……分かった」

 

 この反応なら起きてくれるかな? 

 

 身体を起こしてベッド(ふち)に腰かけるマキナさんを確認して、コントロールボックスに移動すると表示を見てカーテンの操作を読み解いてみる。

 

 そうしているうち、マキナさんは、寝ぼけ(まなこ)でのろのろ、こちらに歩いてくる。

 

「マキナさん、何か着てください」

 

 (あわ)てて注意するけど気に()めず、ドアのこちらに歩み()ってくるのでベッドの肌着やローブを集めに向かう。

 

 マキナさんはもうに廊下(ろうか)に出て行こうとしていた。取りあえず、その背中にローブをかける。

 

 面倒くさそうに(そで)を通してくれる。

 

「マキナさん、替えの下着はどこです?」

 

「部屋のクローゼット」

 

 それは分かるんだけど……。もう、当てにできそうにないので、(となり)にあるマキナさんの部屋にお邪魔(じゃま)する。

 

「ほぉ~」

 

 簡素と言うか(かざ)りっけないガランとしている部屋だ。

 

 ドア近くの鏡の扉を開けて中に入り、(たな)から見付けた下着を適当にいくつか取ると風呂場に急ぐ。

 

 風呂場で追い着くとちょうど浴室に入りかけているマキナさんへ下着の替えを置いておくと告げた。

 

 次は自室のベッドの片付けか~。

 

 肩を落として部屋に向かおうとしているところで、赤井さんが入口に(たたず)微笑(ほほえ)んで見ていた。

 

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