【悲報】皆がボクを狙ってる?~婚姻したら裸にされるし拐われそうになるし、挙げ句、狙われてるって誰得ですか?~   作:ペロりねった

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97.煌家と喜多村家

 

 

 (とうと)きお方って……サキちゃん、もっと分かりやすく言ってよ。

 

「そなた、食事中になんじゃ。携帯なぞ触りおって……」

「すみません。ちょっと早急(さっきゅう)に調べないといけないことが……」

「あとにせよ。携帯は逃げぬぞ?」

「あ、はい……」

 

 サキちゃん、なんでこんな時に居ないのさ。

 

 砂を()むような気持ちで食事を終え、検索サイトにアクセスする。

 

煌家(こうけ) ウィキ〟っと。

 

「家系図、嫡出子、二十代なかばだよな……。ええっと……その年代には……煌太女(こうたいじょ)羽徳(はのり)様?」

「なんじゃ?」

 

 声の方を向くとミヤビ様がいる。返事して欲しくなかったわ~。

 

「なんでもありません」

「その名を、人前で呼んではならんぞ。お忍びゆえ」

「は、はぁ~?」

 

 お忍び? (きら)めく純白のスーツに仮面舞踏会の仮面して「お忍び」?

 

 ご自分もじゅうぶん発展的とお見受けいたします。

 

 ああ~今度は頭、痛くなってきた……。

 

「何なに……ご学友に……喜多村(マキ)……()……」

「そなた、(たましい)が抜けたような顔をしておるぞ?」

 

 ()って欲しくなかった名前が見えた。

 

 今度は〝喜多村 系譜(けいふ)〟で検索してみる……。

 

〝その源流は五條(ごじょう)家に(さかのぼ)り……(略)……次第に勢いを失くし、傍流(ぼうりゅう)であった喜多村家が商業界で隆盛(りゅうせい)(ほこ)り……(略)……五條といえば喜多村家を指すに(いた)る。

 

 元は堂上(どうじょう)家で摂政(せっしょう)関白(かんぱく)輩出(はいしゅつ)、華族の流れを()み(略)──〟

 

「あかんでしょ」(✳️ダメでしょう)

「何がダメなのじゃ」

「いえ、喜多村家ってすごい……お貴族様だったんだと」

「わが国に貴族など居らん」

「まあ、今は、そうなんでしょうけど……」

 

 そんな家の人が、なんでボクを(ひろ)ったの? 

 

 それに、五條……。なんか聞いたことある名前。気のせい、だよね? 字が違うし。

 

「まあ、考えても仕方ない」

「そなた、何やら燃え()きておるぞ?」

「はい……。(はい)のようになりました」

洒落(しゃれ)か?」

「はあ、そうですね。皆はこのあと、何がしたい」

 

 気持ちを切り替え、みんなに今後の要望を()こう。

 

「買い物?」

「う~ん……」

「お菓子?」

 

「だいたい、買い物でいいか。二階のファッションフロアーでうろつこうか? ボクも服を(そろ)えたいし」

「分かった」

「うん」

「うろつくのであれば、各階を回って下りて()かぬか?」

「それもいい」

 

「あまり長居すると迷惑がかかるので今回は服だけにしましょう」

「そうなのかや?」

「仕方ないわね?」

「分かった」

「うん」

 

 皆の同意を取り付けた。あとは……

 

気更来(きさらぎ)さん、まだエスカレーターで行けそう?」

「おそらく」

「じゃあ、出ようか?」

「うむ」

「「は~い」」

「うん」

 

 食事の精算になって、(おご)ると豪語(ごうご)した羽徳(ハノリ)──ミヤビ様はお付きのサイフ(だよ)りだったようで、代わりにボクが(マキナのサイフで)支払った。

 

 

「皆、あまり離れたり遠くに行っちゃダメだよ~」

「分かってるわよ」

「うん」

「大丈夫、大丈夫」

「わらわが選んでやろう」

 

 それは御免(ごめん)(こうむ)りたい。ファッションフロアーに下りて、普段着やナイティーを物色する。

 

「そなた、あちらに下着があるぞ?」

「取りあえず、パジャマ、部屋着が欲しいので……」

「ならば、あとにするか」

 

「少年Kは、普段着や寝間着を物色しております──」

 

 まだ居たんだ。ひつこいな、サガラ取材班。

 

「──是非(ぜひ)とも、試着された方が良いです。そのお姿をカメラに収めたいのです」

「なんでそんなこと、しなきゃいけないの?」

「そりゃもう、K様がお()しになったなれば(ばく)売れですから──」

 

 ちゃんと取材許可もらってある、と宣言する。もう、サキちゃんの仕業だ、決定。

 

 勝手に許可したからってボクが聞く必要はないからね?

 

「──それにお召しの物は、こちらの商店から譲渡(じょうと)されるそうですよ?」

 

 ピクッと(まゆ)が上がる。

 

 何だって~。ぐぬぬ~。誰がそんな()()なんかに……釣られちゃった、てへっ。

 

 試着コーナーの前、照明とスチルカメラマンの前で一人ファッションショー(まが)いをやらかした。

 

 着替えて出て、撮影。部屋に戻って着替えて出る、のルーチンワーク。

 

 ──死にたい。

 

「良いヨ~良いですヨ~、笑ってキョ──K様」

「遠藤、ちゃんと撮れてる?」

「もう、ばっちりです!」

「よしよし」

 

 サガラは護衛の作る(さく)の外で近くに寄らせない。

 

「こちらをお持ちください」

「あれ? 新品の服?」

 

 撮影が終わると未開封のパッケージを渡される。

 

「試着した服は?……」

「スタッフが美味しくいただきました!」

「返せ!」

 

「そなた、乗り乗りであったではないか?」

「うっ」

 

 そうなんだ。イヤイヤやってたけど、カメラマンが乗り乗りに乗せるので(しま)いにはポーズなんか取ってた。

 

 サガラ取材班は次に行った下着コーナーまで付いてきて、ボクを口八丁手八丁で転がして、また試着ショーをさせられた。

 

「そなた、これ! これ!」

 

 煽情的(エモーショナル)な下着をミヤビ様が選んでくる。

 

「キョウ、これも可愛い」

「これ」

「これも、これも」

 

 幼女ーズもピンクや紅い下着を見つけて持ってくる。

 

 試着した肌着は死守するつもりが、手放さないとタダにならないと泣く泣く渡した。

 

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