地球連邦軍所属第900艦隊の戦い 作:提督兼指揮官兼トレーナー
というわけで、戦闘が終わり、基地に帰投します。
前書きってほんと何話せばいいんだろ……
「では、これより艦長会議を始める。」
転生者や、艦娘、そして事情を知る艦長達が播磨に集められたこの日。艦長会議が行われていた。
「まずは先日の冥王星沖海戦、ご苦労だった。」
深々と頭を下げる多元。
「これで、太陽系近辺をうろつくガトランティス艦隊は当面居ないと言っていいだろう。」
「我々としても肩の荷がおりますね。あの連中は交信するだけで疲れますから。ところで今回はなんの目的で招集されたのですか?、多元司令」
ヤマト世界出身者の村雨型の艦長のひとりが先を急がせる。
「うむ、これから先戦うこととなる新たな敵、暗黒星団帝国、あるいはデザリアムと呼ばれる敵について話したいと思う。」
鳳翔が、全員に資料を配る。
「波動砲無力化!?」
「位相変換装甲とかチート装甲では?」
「ゴルバって何よ!?」
ヤマト世界出身者が愕然とするのも無理は無い。
なんせ、波動砲というのは、我々が想像する以上に地球防衛艦隊にとって重いもので、これが全く効かない相手なんぞ、考えただけでもゾッとする
「真多くん、ゴルバへの対策は?」
「波動カートリッジ弾が考えられますが、命中させるのに練度が必要です。何せ、敵が攻撃した隙を突いて攻撃するのですから。」
「ヤマトがかつて放ったトランジット波動砲は使えないのかね?」
「やってみる価値はありますが、エネルギー輻射をどうにか出来ないとOUTです。それに、あのヤマトですら艦首にダメージが入っていますのでそう何発も撃てるものではありません。」
「打つ手無しか………」
「そうとも限りませんよ?」
不意にニヤリとした顔をする真多。
「実は、本来のイスカンダル製波動エンジンの出力は例え100年先の地球であっても追いつかないレベルの出力ですから。」
「と言うと?」
「僕が、この世界に来る前に、大テクロノジアにいた真田氏以外に大山トチローという人物に師事していたのですが、彼曰く<イスカンダルは意図的に波動エンジンの性能を下げていた>ということらしいのです。」
「何!?」
「詳細はメモを取ることを許されませんでしたので僕の頭の中にしか残されていませんが、現在の明石に搭載している波動エンジンは、そのプロトタイプとなっています。」
「じゃ、じゃあ……」
「既に実用化は終了しており、これによれば、元の15倍以上は確実に引き出すことが可能です。」
「もし、それで波動砲を撃ったらどうなる?」
「六連大波動炉心の全弾発射を行うトランジッション波動砲とトランジット波動砲が威力的にはほぼ同等とも言われていますが、烏合の衆レベルの出力でそれなのですから、主砲で波動砲並になってもおかしくはありません。尤もまずはそのエネルギーに耐えられる改装の必要がありますが、以下の艦は既に終えています。」
播磨
伊予
土佐
阿波
讃岐
壱岐
「しかし、そんなに凄いものをなぜ隠している必要があったんだ?」
「その通りだ、その話を知ってればわざわざこんな議論をしなくても良かっただろうに……」
真多に説明を求めるヤマト世界出身者
「情報漏洩防止です。地球政府から他国に漏れることを警戒してるんです。」
「しかし……」
「わからんかね、イスカンダルが秘匿した話をただ1人知るということがどれだけ危険なことか」
場を収めたのは多元だった。
「我々が行うことは、侵略するための道具を作る訳では無い。この星を守るために必要な防衛装備を開発する上で、その機密の取り扱いは絶対に気をつけなければならないのだ。如何にガミラスとの友好的関係があろうと、好ましくない相手にまでこの話を知ったらどうなる?」
彼らはハッとした。
「和解したとはいえ、デスラー派の人間には過激なものもいる上、地球にだって危険な連中は多く存在している、そういったものたちに万が一このデータが渡ってみろ、血みどろの戦いを再び繰り返すことにつながりかねん。オマケに今まで扱ってきた波動エンジンとは桁が違いすぎる。主砲を撃つ感覚で宇宙を滅ぼしかねん。」
真多くん、君に任務だ。
多元は真多を呼ぶと
「先程挙げられた全艦に新型波動エンジンへの改装と壱岐への51cm四連装砲塔換装を任せたい」
「了解!」
「腰堀!、艦載機の更新を急げ、どの道あのイモムシ野郎と交戦するなら最新鋭機がいい。」
「了解」
「多元司令、よろしいですか?」
「どうした?」
平河が手を挙げる。
「アマテラス改の建造を認めて欲しいのです。」
「あの脳筋野郎を作ってどうするつもりだ?」
「突撃戦隊を作りたいと思います。」
「人もおらんし、何より予算が………」
「いえ、そこに関してはご心配なく。小玉基地司令のおかげで、未完成のアンドロメダ級を手に入れておりますし、旧作の無人艦を流用した突撃艦の建造を行えば艦艇数も確保できます。」
「突撃艦の建造費は?」
「もとより、地球では無人艦の研究が行われていたために、今回の建造データの引き渡しを条件にそれなりの予算が回ってきています。」
「人員は?」
「水星基地に転生者達が新たに現れたそうです、それも我々とは違う世界から」
「名前は?」
「かなりの人数がいますので全員この場で言うことはできません」
「リーダー格の男は?」
名前を聞いた瞬間、多元は即座に平河の意見を採用することにした。
「フリッツ・ヨーゼフ・ビッテンフェルトと、その部下達です。」
「平河くん……」
「はい?」
「すぐに建造させなさい。」
「はい。」
「とりあえず、我々は基地に戻ろう。」
こうして会議は終了した。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第900艦隊は、その性質上、地球や月に基地は置けないため、新たに別の惑星に置くことが最初から決まっていた。
火星や、土星のエンケラドゥスなどは入植者も多いため却下され、第11番惑星や、冥王星等は外宇宙に近すぎて、侵攻された場合に技術流出の恐れがあるためこちらも却下された。
結果的に、地球よりも内側にあり、これまで入植者が少なかった水星に基地が作られ、時間断層工場跡地から運び出された未完成アンドロメダや、ドレッドノートなどが運び込まれた。
また、艦隊のメンテナンス用ドックも完備し、防衛設備もしっかりとしているため、恐らく太陽圏内では、さながらガミラス大使館並の管理が成されている。
民間船への露見を防ぐため、冥王星沖でワープを行い、一気に水星まで向かう。
「ワープ終了、水星沖指定軌道に到達。」
「水星警備隊を確認。誘導に従い降下します。」
水星警備隊はエンケラドゥス守備隊のように、ドレッドノート級を旗艦とし、パトロール艦や、護衛艦を配備し、そこに完結編型駆逐艦を加えた艦隊である。
防空には、コスモパイソンとDDG110ゼードラーⅡ
を改良した110型重迎撃戦闘機を配備し、さらにヤマトのショックカノンを流用した戦闘衛星が装備されている。
「播磨、接舷完了、多元司令。小玉基地司令がお呼びです。司令部へお越しください。」
多元は副長に任せると、司令部へと向かった。
司令部にて……
「多元司令、入ってください。」
「失礼します、小玉さん。」
中に入ると、小玉とオレンジ色の髪の毛をした男が居た。
「貴官が第900艦隊総司令官でありますかな?」
「うむ、第900艦隊総司令、多元実だ。階級は中将になっている」
「お初にお目にかかります。私は本日付で、この第900艦隊所属になりましたフリッツ・ヨーゼフ・ビッテンフェルトであります。階級は閣下の1つ下の少将であります。」
「貴官の出自はこちらでも確認した。すぐに艦隊を任せたい。」
「本当ですか!?」
「ああ、かつてのシュワルツランツェンレイターとしての君の技量を見てのことだ。」
「なるほど……、私の座乗艦は?」
「それについては私から説明するより、実際に見てもらった方がいいだろう。」
そう言うと、多元はビッテンフェルトを連れて建造ドックへ向かった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
建造ドックにて
「平河くん。彼に艦隊の説明をしてくれ。」
「はっ」
平河がビッテンフェルトの方を向き、説明を始めていく。
「ビッテンフェルト少将には突撃隊<ノイエ・シュワルツランツェンレイター>を率いて戦っていただきます。運用については、これから説明する艦艇の特性を理解していただいた上で自由に組んでもらって構いません。」
「なるほど……、この世界でも我々はシュワルツランツェンレイターとして戦えるというわけだな平河大佐」
「はい、この突撃隊は前方指向型突撃戦艦を軸に2隻の直掩担当のドレッドノート級、突撃艦8隻で構成される艦隊です。閣下からすれば少ないと感じられるかもしれませんが、乗組員はきっちり指導を行っています。」
「数に関しては問題無い。そもそも帝国が異次元であっただけだ。」
「ご理解いただけて幸いです。」
「艦艇のスペックは?」
こちらです。と言って平河がデータを見せる。
前方指向突撃戦艦「ケーニヒスティーゲル」
全長 450m
全幅 120m
全高 120m
主機 次元波動エンジン×1
補機 改良型ケルビンインパルスエンジン×4
兵装 二連装次元波動爆縮放射器(艦首拡散波動砲)
40.6㎝三連装収束圧縮型衝撃波砲塔×10基
速射魚雷発射管×4門
重力子スプレッド発射機×4基
四連装対艦グレネード投射機×2基
司令塔防護ショックフィールド砲×3基
近接戦闘用六連装側方光線投射砲×2基
対空パルスレーザー砲塔×4基
ミサイル×20発(艦首安定翼上下面)
艦載機 連絡艇×2
アマテラスとさして変わらないが、エンジンはアップデートされており、オリジナルより格段に戦闘力は上がっている。
「そして、こちらが突撃艦です。」
全長 200m
全幅 60m
全高 70m
武装 60cm大口径艦首固定砲、30.5cm三連装収束圧縮型衝撃波砲塔×2基、艦首大型魚雷発射管6門、対空パルスレーザー砲塔×8基、VLS 64セル
「ひとつ気になることがある。」
「なんです?」
「航空支援だ、我が部隊は艦載機を持っていないのだが、航空支援は大丈夫なのか?」
「それについてはご心配なく、第900艦隊は、地球連邦軍の中でも有数の機動部隊を有しており、機体も最新鋭です。少将の部隊へ常にエアカバーを行えることを保証します。」
「そういう問題では無い。」
「というと?」
「例えば、敵が電波妨害や、通信傍受を行っていた場合、航空隊の支援が間に合わなかったり、相手に備えられていたりする場合がある。」
「なるほど」
「また、そもそも肝心の機動部隊が攻撃を受けるリスクも考えられる。確かに、例の艦隊が航空支援を行えるかもしれないが、それにしたって限度がある。それに、ガミラスですら少数配備の次元潜航艦をわざわざ晒すのも良くない。」
「意外ですね、ビッテンフェルト少将は脳筋のイメージがありました」
「なっ……!、脳筋とは失礼な!!」
「まぁいい、とりあえず突撃隊にも独自の航空戦力が必要だということは認識できたと思う。平河くんはなにか案はあるかね?」
「とはいえ、飛行甲板は砲撃に脆いので、積極的に突撃を行う突撃隊には不向きですから……」
「ヤマト式か?」
「ええ、ちょうどロシア地区からノーウィックを引き取ってきたので、突撃空母として改装して運用したいと思います。」
「あれ武装少なくない?」
「改造します。」
「まぁ平河くんなら平気か」
とりあえず改造の詳細を詰めますが……と平河は言いつつ、ビッテンフェルトを見る。
「ビッテンフェルト少将、空母の要求仕様について挙げてください。」
「わかった。」
ビッテンフェルトが挙げた要求仕様が以下の通り
・艦隊防空に支障が無いレベルの艦載機数
・ある程度の砲撃能力を持たせる
・防御も怠らないこと
「わかりました。早速真多と相談しつつ、最終的なデータを渡します。」
これにてビッテンフェルトは退出、多元も書類仕事をするために執務室へ戻った。
というわけで、転生者追加です。
ビッテンフェルトって正直アマテラスよりもZZZの方があってる気もする……
次回は演習回となります