「
タイトル詐欺だろ。
しかし
「なんだァ? てめェ……」
2051年11月4日
ソロモンよ、わたしは帰ってきた!
……というわけで、実におよそ半年ぶりの日記だ。
前日記に使用していたノートは前回の書き込みで書き切ってしまったため
今日からはこちらのノートを使っていく。
ここ半年ほどいろいろとあったせいで日記を書く余裕がなかったが
こうしてまた再開できることを喜ばしく思う。
……これで妙が早く戻ってきてくれたら最高なんだけど。
2051年11月6日
また狂化したリリィの処分をさせられた。
「実戦形式の戦闘訓練」と称してだいたい1か月に1回のペースでこれがある。
月に2回、3回ある時もあった。
自分たちがリリィをあんな風にしたくせに、その処分はわたしたちに押しつけてくる。
本当に嫌になる。
やはりG.E.H.E.N.A.はクソだ。
最初は躊躇っていたこの仕事も不本意ながら今ではもうすっかり慣れてしまった。
当然それにいい気分はしない。
しかし、この仕事はかつて妙がやっていたと聞いてはやらざるを得ない。
同室の子が実験の失敗などにより狂化してしまうたびに、
妙がその処分をさせられていたそうだ。
……彼女があんなに紙人形を持っていたのはそういうこと。
改めてここに誓う。
もう妙の手は汚させはしない。
妙が戻ってきてもこの仕事はわたしが続けていく。
彼女のような子にこんな罪を背負わせるなんて残酷すぎるもの。
それならわたしが背負ったほうがはるかにマシ。
だから妙、早く元気になって戻ってきて。
今日もわたしはあなたのために祈る。
この世界に神様なんていないけど、あなたのことを想っている人間は少なくともここに1人いる。
蛇足だけど、「躊躇」って漢字で書けるわたしすごくない!?
2051年11月14日
昨日あたりから施設内の人間たちが少しばかり慌ただしい。
表には出さないようにしているようだが、
わたしにはなにか焦っているように見えるのがバレバレだ。
……これはなにかあったな。
2051年11月15日
施設に見知らぬ女が来た。
見た目からして日本人ではない。
施設の連中のその女に対する対応から
おそらくG.E.H.E.N.A.でそこそこ地位のある人間だと思う。
先日から施設の奴らが慌ただしかった理由はこれか。
2051年11月16日
昨日から施設にいる外人女が突然わたしの部屋に来た。
なんでと思ったが、どうもこの女わたしに興味があるらしい。
この施設の査察に訪れたのもわたしに会うのが理由だったそうだ。
曰く、今のわたしは非常に貴重なサンプルらしい。
半年ほど前に4つ目のブーステッドスキル付与実験を受けたが、
どうやらそのスキルの付与に成功した例が過去にぜんぜんなかったのだという。
知るかそんなもん。
あの時のことは本当に思い出したくもない。
3つ目を付けられた時以上の痛みや苦しみを1か月近く味わった。
正直これでわたしも終わりだなとすら思ってしまったほどだ。
苦痛から逃れたいあまり何度も自殺を図ったが、
ろくに力も入らないので自分の体を傷つけることなんてまずできないし、
リジェネレーターのせいで傷はすぐに再生してしまうので、
まさに死にたくても死ねないという生き地獄だった。
おまけに、そんな状態でも施設の連中はわたしに様々な実験をしていく……
ああ、思い出したらちょっと手や足が震えてきた。
話を戻す。
外人女は終始一方的にわたしのことを優秀だの貴重だの言って、
ひととおり言いたいことを言い終えたら満足したのかさっさと帰っていった。
部屋を出る際に「近いうちにまた来る」と言い残して。
二度とくんな。
喋りながら上から下までじろじろと変な視線を向けてきて……
正直めちゃくちゃ気持ち悪かったんだから!
気分が悪くなってきたので今日はもう寝る。
こんな時に妙がいないのが本当に残念でならない。
彼女がいてくれたらこんな日はきっと一緒のベッドで寝てくれただろうに……
2051年11月27日
……外人女がまたわたしの部屋を突然訪ねてきた。
いや、本当に来るなよ。
女の姿を目にした途端わたしのテンションはダダ下がりしたのは言うまでもない。
ただ、この女今回はわたしにとって有益な情報をいくつか提供してくれた。
まず、わたしの家族についてだが、残念ながら父も甲州撤退戦で亡くなっていた。
……いきなりバッドニュースである。
さらにテンションが下がった。
まあ、なんとなく予想はしていたが……
次にこの研究施設について教えてくれた。
……別にこちらから頼んでいない。あちらが一方的に話してきた。
なんでもこの施設は現場の者たちが上に無断で開設したらしい。
凍結されかかっていたとある計画を存続させるために
成果をあげようと過去に放棄された研究所を再利用して建造したそうだ。
開設したのは3年ほど前で、反G.E.H.E.N.A.主義のガーデンの管轄エリア内だったため
つい先日までの間上層部も手を出しづらかったのだという。
この情報は間違いなくわたしにとって有益だ。
G.E.H.E.N.A.と対立しているガーデンが少なくともこの施設からそう遠くないところにある。
それがわかっただけでもここを出ることに対して希望が見えてきた。
なんとか抜け出すことさえできれば、この地獄のような生活ともおさらばできるはず。
……しかし、妙を置いてわたし1人だけ逃げてしまっていいのだろうか?
それに、自分たちが担当しているエリアにG.E.H.E.N.A.の研究施設があることに
3年近くも気がついていない(もしくはわかっていて放置している)ガーデン……
正直信用できるか?
保護を求めて接触してみたが門前払いされたなんてオチになる可能性も否定できない……
閑話休題。
最後、3つ目に外人女が教えてくれたことは、
わたしを近いうちにこの施設から出すということだった。
先に言えよ!
まあ、「外に出す」といっても解放するというわけではなく、
別のG.E.H.E.N.A.の関連施設に移されるということなのだろうが……
残念ながらこの情報は女が去り際に言ったことなので、詳細を聞き出すことはできなかった。
……とにかく、有益な情報が手に入った。
うまくいけば妙と2人でこの施設から出ることもできるかもしれない。
だから今夜も妙が早く戻ってきてくれることを祈るばかりだ。
それとお父さん。
ここを出ることができたらお墓参りに行くからそれまでもう少し待っていて。
あと、生前はさんざん見た目も中身も冴えない人だななどと思っていてごめん。
田舎のしがない町医者だったとはいえ、お父さんはわたしが誇れる立派な人だったよ。
2051年12月8日
三度外国人女がわたしを訪ねてきた。
わたしをこの施設の外に出す予定がだいたいまとまったという。
早くても年明けにわたしを国内にあるG.E.H.E.N.A.の息がかかったガーデンに
「編入」という形で移す予定だそうだ。
どのガーデンにするかなどはいまだに調整中らしい。
わたしは妙はどうなると女に聞きたかったが、問いただす前に女は部屋を出てしまった。
また今回も一方的に言うだけ言って去っていくとは、本当に身勝手な奴だ。
あんな大人にだけはなりたくない。
……だが、女が去っていった後、妙の机の上に書き置きと思わしき1枚のメモ紙が残されていた。
2051年12月25日未明、自室で起きて待っていろ。
絶対に寝ているんじゃないぞ。
また、この紙は他の人間には絶対に見せないように。
そこには日本語でそう書いてあった。
悔しいが外国人のくせにめちゃくちゃ綺麗な日本語だった。
……しかし、どういうことだろう?
日にち的にクリスマスプレゼントでも持ってきてくれるとか?
仮にそうなら外人ってそういうのには律儀だなと思う。
もし本当にクリスマスプレゼントだったら、妙の分も持ってきてほしい。
まあ、せっかくだから期待しないでクリスマス当日まで待っていよう。
期待していてガッカリしたくないし……
なおメモ紙は寝る前に細かく破いた後にトイレットペーパーと一緒にトイレで流した。
本当は焼却処分したかったが、施設内では火は使えないので仕方ない。
2051年12月15日
なんとかクリスマスくらいは妙と一緒にすごせないかと考えているが、
残念ながら妙と接触する方法が思い浮かばない。
妙が4度目の付与実験を受ける前もそうだったが、
こういう時の自分の頭の無さは本当に嫌になる。
わたしのレアスキルがファンタズムであればこうはならなかっただろうに……
いや、ないものねだりはよそう。
そもそもアレはレアスキルの中でも本当にレアなスキルだ。
……そういえば、わたしのレアスキルって本当になんなんだろう?
施設の連中は把握しているようだが、なぜかいつも「知る必要はない」と教えてくれない。
サブスキルのほうはインビジブルワンとAwakeningの2つだとわかってはいるけど……
2051年12月24日
今日はクリスマスイブだ。
といっても、去年と大して変わらない1日だった。
しいて言うなら施設の職員の何人かが
年末年始のプライベートの予定を同僚と楽しそうに話していたのを耳にしたくらいだ。
ホント死ねばいいのに。
サンタさんにお願いしたらG.E.H.E.N.A.をぶっ潰してもらえないだろうか。
そういえば、外人女が明日プレゼントを持ってくるかもしれないんだった。
だけど「未明」って何時くらいよ?
早朝? それとも真夜中?
ちょっと早いけどとりあえず一旦寝よう。
今寝れば深夜には一度起きれる……はず。
追記
現在深夜0時前だが、なんかとんでもないことが起きている。
突然地震のような激しい揺れを感じて目を覚ましたら、
施設内が今までかつてないほど騒がしい。
部屋の外からはかすかに施設の連中のものと思わしき悲鳴も聞こえてくる。
本当になにが起きているの?
少なくともわかることは、間違いなくわたしにとってもヤバい状況になっているということだ。
外人女には悪いが、まんがいちの時は部屋を出たほうがいいかもしれない。
2051年12月25日
現在の時刻、午前1時18分。
本当に突然のことだったので、今のうちになにが起きたのかをここに記しておく。
かいつまんで言ってしまうと
サンタさんがやってきて施設内にいたG.E.H.E.N.A.の人間を皆殺しにして、
施設自体もそのほとんどを破壊して去っていった。
……なに言ってるんだと思われるかもしれないが、本当にそんなことが起きた。
ただし、サンタさんは白いおヒゲを生やしたおじいさんでも、ましてや男性でもなく、
仮面で顔を隠した不審者感全開のリリィだったが……
服装もサンタさんの例の赤い服ではなく黒いドレスを着ていた。
……まあ、赤いところもあったよ。
そのほとんどは殺したG.E.H.E.N.A.の人間のものと思わしき返り血だけど。
手にしていたダインスレイフも血が付いてないところを探すのが難しいってくらい
見事なまでに真っ赤に染まっていたし……
しかし、本当に何者だったんだろう、あの自称サンタさん。
少なくともわたしを殺す気はハナからなかったというのはわかる。
あの時わたしも殺す気だったのなら、殺すチャンスはいくらでもあったわけだし……
(そもそも今わたしはCHARMを持ってない。実験や訓練中以外持たせてくれないからだ)
なんかわたしに対して「高みに上る資格と素質がある」だの
「こちら側の存在」だの「未来を生きるにふさわしい者」だの言っていたけど、
どういうことなのかこっちにはさっぱりだ。
……結局意味不明なことを一方的にわたしに言った後、その自称サンタさんは去っていった。
なんか最近こんなことばっかりな気がする。
ただ去り際に「すぐにあなたを助けに人がくるから待ってなさい」的なことを言っていたので
言われたとおりこうして日記を書きながら大人しく部屋にいる。
……というか、この状況でなんの備えもなしに部屋の外に出るのは間違いなく危険だ。
部屋の外からはいまだに爆発音らしき物音とか聞こえるし……
なんというか、本当にとんでもないクリスマスになってしまった。
追記
現在の時刻、午前4時34分。
あの後、自称サンタさんが言ったとおり本当に救助がきた。
今度は制服姿で外套を羽織っていたリリィだった。それも複数人。
素性こそ明かさなかったが、間違いなくどこかのガーデンから派遣されてきたレギオンだろう。
たぶんこの地区を管轄しているという反G.E.H.E.N.A.ガーデンの生徒だと思う。
実に1年と数か月ぶりの外の世界だ。
シャバの空気はうまい!
これ外に出たら言ってみたかったの。
言ったら周囲にいたリリィの何人かに笑われたけど。
……で、なんか外に出たらあの外人女がわたしたちを待っていた。
リリィたちのリーダーらしき人曰く、彼女がガーデンに情報を提供してくれたので
施設の存在や場所、そしてわたしのことを知ることができたのだという。
……どういうこっちゃ?
なんでG.E.H.E.N.A.の人間が反G.E.H.E.N.A.のガーデンと手を組んでる?
「G.E.H.E.N.A.も一枚岩じゃないということだ」と外人女は言っていたが、説明になってない。
……まあ、きっとわたしには関係のない話だろうからそれ以上の深入りはしなかった。
政治ってやつなんだろうね。うん。
そして現在は外人女と別れ、リリィたちと一緒にいまだに薄暗い空の下山間部を歩いている。
追っ手を警戒してとのことだが、もう少しなんとかならなかったのだろうか?
こちらは助けてもらっている手前文句は言えないが。
あ。ちなみにリリィたちのリーダーらしき人も外人さんである。
(こう書くと少々失礼だが)こちらはあの外人女と違ってマトモそうな人で安心した。
長く伸ばされた銀髪と蒼い瞳がすっごく綺麗な白人さんで、おまけに美人!
この見た目で雰囲気もしっかりしてそうとか、あの外人女も少しは見習うべきだ。
……いや、見習ってもらわなくていいか。所詮あの女もG.E.H.E.N.A.だし。
で、こうして書いていて思ったのだが、
わたしリーダー(推定)さんのことどこかで見たような気がする。
デジャヴというやつだろうか?
……それにしても、妙は大丈夫かな?
リーダー(推定)さんたちに妙の名前と特徴を教えて彼女が無事かどうか聞いてみたけど、
みんな申し訳なさそうな顔をして妙と思わしき子は施設内では見かけなかったと言っていた。
たぶんあの自称サンタさんが襲撃してきた時に自力で脱出したか、
施設の人間で彼女を連れて逃げ延びた者がいるかのどちらかだろう。
あの自称サンタさんに連れ去られた可能性もありそうだ。
今は彼女も無事であることを祈るしかない。
さらに追記
現在の時刻、午前10時5分。
百合ヶ丘女学院きたーーーーーーーーーー!!
いや~、驚いた。
まさかここが鎌倉府、それも百合ヶ丘の管轄するエリアだったなんて。
……だけど、自分たちのお膝元でG.E.H.E.N.A.に研究施設造られたうえに
それに3年間も気づかなかったって足下がお留守すぎない?
まあ、あの施設地下に造られていたから気づかないのも仕方ないといえば仕方ないのかな?
下水道の秘密のルートから出入りできる地下研究施設ってそれなんてバイオハザード?
G.E.H.E.N.A.の正体はアンブレラ社だった……!?
(実際やっていることがそっくりすぎるから笑いたくても笑えない)
現在わたしは校舎や学生寮ではなく、
救助された強化リリィの子たちなどが暮らしている「特別寮」という建物にいる。
今はひとまず休憩中で、何事もなければ明日には学院の偉い人と面談する予定だ。
……偉い人ってやっぱりあの理事長代行さんか?
見た目以上に渋いジョージボイスで喋る和服のナイスミドルの。
だとしたらちょっとワクワクしてきたんだけど。
しかしまいったな~。
「研究施設を出る」という第一目標と「百合ヶ丘女学院に編入する」という第二目標、
その両方が一気に実現してしまったんだけど?
……って、第二目標はまだ決まったわけじゃないか。
あくまでも今はG.E.H.E.N.A.に囚われていた強化リリィとして保護されただけだし。
でも、できることなら編入させてほしいな。
そうすれば……うへへへへへへ。
それと、ひとつ思い出したことがある。
わたしを助けてくれたあのリリィたちのリーダーさん。原作のキャラだったわ。
百合ヶ丘に着いてようやく名前を教えてもらったことで気がついた。
ロザリンデ・フリーデグンデ・フォン・オットー。
まあ、原作キャラといってもアニメじゃ本当にちょっとしか出番がなかった
いわゆる脇役の中でも特に脇役な人なんだけど、
あまりにも名前がクッソ長かったからそのおかげで印象に残り覚えていた。
脇役といえど早くも原作キャラと関りを持てたのは
至高の百合を拝むためにもアニメで見た光景も是非生で見たいわたしにとってプラスだ。
これはかなり幸先がいいんじゃないかな?
……だけどロザリンデ様、実際に生でお顔を拝見するとアニメとはやっぱり印象も変わるね。
アニメだと作画のせいかめちゃくちゃ幼そうな雰囲気だったけど、
この世界では歳相応の北欧系美少女って感じ。
あと、どことなく同性からモテそうな気がする。イケメン女子的な。
ああそうだ。ロザリンデ様といえば、
彼女からしばらくの間「お世話係」としてわたしと同い年の子を1人そばに置いてもらった。
百合ヶ丘の生活に慣れるためにもこれはありがたい。
おそらくわたしがG.E.H.E.N.A.のスパイでないか監視する意味もあるのだろうけど……
たぶん彼女は原作のキャラじゃないな。アニメには確かいなかったし。
……というか、あんなピンク色の髪でおっぱい大きい子が登場したら一発で印象に残る。
蛇足だがわたしの胸はというと……かなりまな板だよこれ!
いいんだよ。ぐろっぴよりは大きければ!
それに、これから大きくなるかもしれないだろぉ!?
琴陽はあんなに大きかったのに、なんでわたしは……
また、百合ヶ丘にきてもうひとつ嬉しいことがあった。
なんと、妙と再会することができた!
あの自称サンタさんが施設を襲撃してきた際、
なんとか自力で施設を脱出してその後救助されたのだという。
状況的に仕方がなかったとはいえ、
わたしを見捨ててしまったことに罪悪感を抱いていたようだが、
こうして無事に再会することができたのだからまったく問題はない。
今回もまた気にしないでと言っておいた。
忌々しいあの施設を出ることができたうえに百合ヶ丘にも来れた。
そして妙も一緒という嬉しいことづくめの1日だ。
当初は結構バイオレンスだったとはいえ、人生最高のクリスマスだといっても過言じゃない。
サンタさん(もちろん自称じゃないほう)本当にありがとう!
またまた追記
先のことを記した後、せっかくだからと伊紀に妙を紹介しようとしたら
妙がいつの間にか姿を消していたため大慌てになった。
妙は用意されたわたしの部屋ですぐに見つかったが、勝手にいなくならないでほしい。
マジで心臓に悪すぎるから……
ただ、おかげで妙は結構人見知りをする子だという意外な一面を知ることができた。
伊紀に紹介している時、妙はずっとわたしにくっついたままで、
伊紀に対してはまったく口を開かなかったのである。
またひとつ妙のことを知ることができた。友だちとして嬉しい。
だけど、これから妙も百合ヶ丘で暮らしていくことになったら
この先もこのままだといろいろと大変だろう。
(先も述べたとおりわたしもまだ編入できると決まったわけじゃないが)
妙の人見知りが改善できるようにわたしが力になってあげないと。
伊紀は妙のような子が苦手なのか、明らかに引き気味だったし……
自称サンタさん、いったい何前なんだ……