白い悪魔と赤い彗星   作:ガミ2199

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プロローグ2

 暗礁宙域を2隻の宇宙船が進んでいた。戦艦ユリシーズを旗艦とするドミニコス、アナハイムの連合艦隊である。艦隊とはいってもたった2隻ではあるが。アナハイムは月面防衛艦隊のサラミス級MS母艦『フォーミング・シー』とMS1個小隊を参加させた。

 

 ユリシーズの艦長、ラジャン・ザヒが『フォーミング・シー』への回線を開いた。

 

「こちらユリシーズ艦長のラジャン・ザヒだ。こちらは

配置を完了した。そちらはどうか?」

 

「こちらフォーミング・シー艦長のエレニス・ハングネ

ン。こちらの配置も完了した。いつでも出せる」

 

「了解した。これから最終確認を取る。少し待ってくれ」

 

 ラジャンはそう言うと回線を切り、デリングを呼び出した。

 

「連合艦隊の配備、完了しました。いつでも行けます」

 

「本社ともども予定通り仕掛けろ。全責任は私が取る」

 

 GOサインが出た。緊張がブリッジに走る。

 

「MS部隊発艦準備。周辺警戒を怠るな」

 

 カタパルトに〈ハイングラ〉が出てきた。『フォーミング・シー』から送られてくる映像を見ると、既に彼らのMS、〈ジム・カスタム〉が発艦を開始していた。アナハイムの最新鋭機だ。

 

「アナハイムの奴らに遅れてるぞ。早くしろ」

 

 

「こちらブルトゥス中尉、発艦許可を求む」

 

「こちら『フォーミング・シー』コントロール。ブルトゥス中尉、発艦を許可する。魔女どもを狩ってこい」

 

「了解した。発艦する」

 

 サラミスのカタパルトからブルトゥスの〈ジム・カスタム〉が射出された。続いて2機の〈ジム・カスタム〉

と〈ジム・キャノン2〉が発艦した。

 

「全機、フォーメーションを組め。訓練通りにやれ。相手は魔女だ。油断するな」

 

「ストラボン、コピー!」「グニー、コピー」「ペイジャス、コピーぃ」

 

 そこにドミニコスの〈ハイングラ〉部隊が合流してきた。ヴァナディースのフロント〈フォールクヴァング〉は目前だ。

 

 〈フォールクヴァング〉の周囲ではいくつかのヴァナディースのモビルポッドが何かの作業をしていた。

 

「こちら、グニーよりブルトゥス隊長へ。ヴァナディースのモビルポッドを視認。どうします?」

 

「ブリーフィングで言っただろ?やれ」

 

 ブルトゥスは笑いながらグニーに言った。グニーの機体がビームライフルをモビルポッドに向けた。ビームライフルから青いエネルギー弾が生成され、グニー機の近くにいたモビルポッドに発射された。青い光線はモビル

ポッドの中心部に命中し、貫通した。

 

「よくやったグニー」

 

 ブルトゥスはそう言うと自分もビームライフルをモビルポッドに向けた。火器管制システムがモビルポッドを捕捉し、瞬時にロックオンした。発砲しようとした瞬間、すぐ隣にいた〈ジム・キャノン2〉が青い光線に貫かれた。

 

 コクピットを撃ち抜かれた〈ジム・キャノン2〉が爆発四散し、破片がブルトゥス機に降り注いだ。

 

「ペイジャス!くそ!ガンダムか!全機散開しろ!敵はガンダムだ!」

 

 青いガンダム、〈ガンダム・ルブリス試作量産型〉がモニターに表示された。1機だけだ。

 

 ドミニコス部隊は3機が撃破されていた。〈ハイングラ〉は優秀な機体のはずだ。それがこの短時間で3機もやられるとは。

 

 

「魔女め!」

 

 ガンダムをロックオンしてビームライフルを発射したが掠りもしない。バズーカを装備するストラボン機がルブリスに向けて対MS誘導弾を発射した。

 

「ストラボン、援護してくれ!吶喊する!」

 

 グニー機が左手でビームライフルを撃ちながら、右手にビームサーベルを構えてガンダムに突撃した。

 

「堕ちろ!ガンダムぅ!」

 

 ガンダムはストラボン機のミサイルに対処するのが精一杯のようでグニー機に対応できていない。

 

「やれ!グニー!いけるぞ!」

 

 グニー機がドミニコス部隊を壊滅させた小型機を回避しながらガンダムに近づく。ブルトゥスもそれを援護するためにビームライフルや機関砲で小型機を迎撃するが意思があるかのように小型機がそれらを避ける。

 

「くそ!なんだこの小型機!……と、取りつかれた!隊長、たすけ」「脱出しろ!」

 

 グニー機が火球に変わった。彼はまだブルトゥスはそれを見て突撃しようとしたが、ストラボン機に止められた。

 

「隊長、落ち着いて下さい。一旦距離をとりましょう。敵のスウォーム兵器の詳細がわからない以上近づくのは無理です」

 

 いつでも冷静沈着なストラボン少尉が隊長を宥めた。

 

「そうだぜ、隊長さんよ。ここは俺に任せてくれよ」

 

 ドミニコス部隊からの通信が入った。

 

「誰だ?」

 

「忘れちまったのかよ?ケナンジ・アベリーだ。俺が奴らを無力化する」

 

 戦場に新たなモビルスーツが乱入してきた。〈ベギルベウ〉だ。対GUND-ARM用のアンチドートシステムを搭載したグラスレーの最新鋭機だ。

 

 あっという間に間合いに入った〈ベギルベウ〉はガンダムのコックピットを串刺しにして撃破した。

 

「は、早い!」

 

 ただ指を咥えて見ることしかできなかった。〈ベギルベウ〉は残ったもう1機のガンダムを追い回していた。あの最後のガンダムがペイジャスとグニーを殺したのだ。

 

「ストラボン、もうあいつはスウォーム兵器を使えない。ドミニコスに全部持っていかれる前に俺たちでやるぞ」

 

「了解しました」

 

 ブルトゥスとストラボンも最後のガンダムを追って〈フォールクヴァング〉へ近づいた。

 

 その時、センサーが未確認のパーメット識別コードを捕捉した。

 

「ガンダムはもう1機いたと言うことか!ストラボン、やるぞ!」

 

 ハンガーからガンダムが出てきた。そのガンダムに向けて〈ジム・カスタム〉や生き残っていた〈ハイングラ〉1機が加勢して集中砲火を浴びせた。

 

 ガンダムから7機の小型機が現れ、シールドを形成し

た。シールドはビームからガンダムを守った。

 

「シールドだと?!バカな!」

 

 ブルトゥスは驚いて、発砲をやめてしまった。その隙をついて小型機たちが近づいてきた。

 

「隊長、避けて!」

 

 ブルトゥスが我に帰った頃にはもう間に合わなかった。青いレーザーで四肢を切断され、コックピット区画が両断された。ブルトゥスは死の直前、月に置いてきた家族のことを思い出した。

「ごめんな、ニー……」

 

 言い終える前にブルトゥス機が爆発した。それから少し遅れてストラボンも撃墜され、戦死した。

 

「ろうそくみたいできれいだね」

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