白い悪魔と赤い彗星   作:ガミ2199

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第一章
月からの編入生


「ここがアスティカシアか」

 

 輸送船の船倉から巨大なフロントが見える。写真で見た物よりも遥かに巨大だった。

 

「間も無く、本船はフロントの宇宙港に入港します。お荷物、書類等をご確認下さい」

 

 船内放送を聞くと彼は鞄から必要書類が入った電子生徒手帳を確認した。

 

「不備なし、MSの申請よし、寮もよし、か」

 

 しばらくすると宇宙港に入った。荷物を持ってボーディングブリッジへと歩いていく。カバンの中で勝手にハロが起動した。

 

「ハロ!ゲンキ!ハロ!ゲンキ!」

 

 ハロが鞄から飛び出して跳ね回った。アムロはハロを捕まえようと四苦八苦して、ようやく捕まえた。

 

「こら、暴れるな」

 

 ハロの電源を切り、ボーディングブリッジを抜けるとスーツを着た大人が立っていた。かなり背が大きく、スーツの上からでも分かるほどの筋肉を纏っていた。

 

「君が月から来た編入生か?生徒手帳を見せてくれ……LP042、アムロ・レイ、で合ってるか?」

 

「それであってますよ」

 

「アスティカシアへようこそ。これでチェックは終わりだ。あとは自由にしてくれ」

 

 生徒手帳を受け取り、アムロはまずどこへ行こうかと考えているとまた輸送船が入港してきた。輸送船はスムーズに宇宙港に入るとアームでガッチリと固定された。

 

「なんだ?この感覚……」

 

 その輸送船にただならぬ思念を感じたアムロは暫く輸送船を凝視していた。輸送船から制服を来た赤毛の女の子が降りてくるのが見えた。女の子はアムロに気付いて頭を下げた。アムロも少し頭を下げた。女の子はなぜかすごくオドオドしていた。初めて見るタイプの人間だ。

 

「こんなことしている場合じゃない。まず寮に行かないと」

 

 アムロは制服のポケットに生徒手帳を突っ込むと事前に覚えていた寮の方向へと向かうためにモノレールに乗り込んだ。モノレールから見える風景はどれも初めて見る風景だった。〈デミトレーナー〉が闊歩し、生徒達は楽しそうに実習をしていたり、勉強していたりした。モノレールにはアムロとほぼ同時に到着した赤い髪の女の子も乗っていた。彼女もアムロと同じように窓の外を眺めていた。

 アムロは各社の寮が並ぶ区画でモノレールを降りた。やはりジェターク寮やグラスレー寮の建物はかなり大きかったが、一際小さな寮があった。アーシアン達が住む地球寮だ。落書きが多く汚れてはいたが、住むのには問題なさそうだった。「地球に帰れ」や「貧乏人」など酷い言葉が書きなぐられていた。

 アムロは地球寮の惨状を見た後、すたすたとアナハイム寮の方へと歩いて行った。

 

「ここか」

 

 アムロの目の前に大きな建物が聳え立っていた。アナハイム寮だ。ドアにはアナハイムのエンブレムが描かれている。

 ドアを開けて、中に入った。エントランスホールはかなり広く、入り口近くにあるソファーで生徒たちが談話したり、ゲームをしたりしながら寛いでいた。

 

 

「君が編入生かい?」

 

 アムロに気付いた1人が大声で問いかけた。

 

「そうだよ。今日からこの学園に編入してきたアムロ・レイだ」

 

 どっとアムロにみんなが押しかけてきた。

 

「君がアムロくん?!」「隕石を押し返したって本当?!」

 

 みんながアムロに質問を浴びせかける。アムロは驚いていた。隕石を押し返したのは本当だがここまで広がっているとは思わなかったのだ。適当に返事をしている内に疲れてきた。

 

「みんな、どいてくれ。さっ、さっ!……君がアムロくんだな?俺はこの寮の寮長をやってるフィニアス・オサ

リバンだ。よろしく」

 

「よろしく」

 

 アムロは手を出してきたフィニアスと握手を交わした。フィニアスはアムロより少し背が高く、見下ろしていた。

 

「早速だけど荷物を置きに行こうか。君の部屋は4階の403号室だ。ついてきてくれ」

 

 そう言うとフィニアスは歩き出した。

 

「何か質問はあるか?なんでも聞いてくれ」

 

「他にパイロット科の人は?」

 

「3人いる。コウ・ウラキってやつとチャック・キース、あとはニーカ・ブルトゥスってやつだな。全員つえーぞ」

 

 3人もいるのか。思っていたよりいるな。

 

「ついたぞ。ここが君の部屋だ」

 

 鍵をもらい、中に入った。かなり広く、フォンブラウンにある自宅の自室よりも広かった。

 

「パソコンとか生活必需品は既に搬入してあるからチェックしといてくれ。……あっ、学園マップとか入れたか?……貸せ。入れてやるよ」

 

 そう言うと彼はアムロから生徒手帳を引ったくり、各種必要アプリをインストールしてアムロに渡した。

 

「これで学園で迷うことはないな!そろそろ決闘が始まるぜ。見に行こう」

 

 荷物を置いたばかりのアムロの袖を引っ張って1階にある談話室に連れて行った。談話室には巨大なモニターが設置されており、そこにたくさんの寮生が溜まっていた。

 

「決闘ってなんですか?」

 

「ああ。決闘ってのはな……いや、後で説明してやるよ。まずはこの勝負を見てくれ」

 

 画面に赤いディランザが映し出された。カスタムされているのか細部が量産型と違う。次にカペル・クゥが現れた。

 

「行けーグエル!」「負けるなパーカー!俺はお前に全額賭けてんだぞ!」「なら暫く一文無しだなw!」

 

 部屋が一気に騒がしくなった。

 

「フィックス・リリース」

 

 その号令で戦闘が始まった。アムロは一瞬でディランザが勝つと確信した。カペル・クゥのパイロットとディランザは互角に見えるがディランザの動きを見るとグエルという男は只者ではないと感じた。

 

 決闘は明らかにグエルが優勢だった。戦場は場外へと移動した。ディランザはカペル・クゥのバイザーにビームパルチザンを突き刺して押し出した。

 

「危ない!」

 

 アムロは画面に叫んだ。カペル・クゥの先に輸送船で見た赤毛の女の子が立っていた。幸いにも赤毛の女の子はミオリネという少女に助けられたようだった。

 

「グエルつぇー!」「さすがホルダー様!」「ぐわーー!俺の金がぁ!」「バカじゃねーの?」「どんまい」

 

 決闘が終わったようだ。

 

「これで決闘は終わりだ。ルールは簡単だろ?相手のブレードアンテナを先に折った方が勝ちさ」

 

 

 

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