午前3時、コナンは宿泊施設の屋上にいた。組織用の携帯で、メールを打っていたのである。
(あの施設は組織には不要なもの。邪魔にしかならない。)
【ジン、今日の23時に魚雷でパシフィックブイを破壊しろ。】
メールを送ると、暫くして返事が返ってきた。
【組織には老若認証システムは、不要な物なのか?だが、いいだろ。今日の23時に破壊してやる。】
(ピンガにも伝えておくか。)
【ピンガ、今日の23時に施設が破壊される。それまでに避難しろ。後、追加注文だが………】
早朝、コナンは電話をしている。電話相手が警視庁捜査一課、高木巡査部長である。
「僕の落とし物?」
『そうなんだよ。だから、コナン君のかどうか見てほしくてね。警視庁の船で、パシフィックブイに来てもらえないかな?』
「わかった。船で行けばいいんだね。」
『また、連絡するよ。』
(よし、計画通りだ。後は…)
コナンは別の携帯を取り出して、とある人物に電話を掛ける。その頃、潜水艦の艦内では、バーボンとキールがジンに拉致計画が中止になったことについて、聞いている。
「何度も言わせるんじゃねえ。決めたのは、ブルーブラックだ。」
「その中止になった理由は?」
「パシフィックブイに警視庁の人間が来たんだよ。」
「な!?わかりました。それで、老若認証システムはどうなったんですか?」
「今日の23時にパシフィックブイを破壊しろと命令だよ。使えるシステムだと思ったんだがな。」
ジンは魚雷の最終確認のため、乗組員達の部屋に向かった。
(どういうことだ。老若認証システムは、組織には必要な物のはずだ。)
(…23時に破壊。何とか阻止しないと、でも…どうやって?)
朝食を食べているコナン、灰原、博士、沖矢の4人は今日の予定を話し合う。
「博士。昨日、ちょっと忘れ物したみたいで、今日も俺は抜けるな。」
「忘れ物?気をつけての。」
「工藤君。私も行くわ。」
「灰原は博士と一緒にいてくれ。大丈夫。絶対に帰ってくるからな。」
コナンは灰原の同行を断った。それもそうだろう。23時にパシフィックブイが破壊されるのだ。危険地帯に、連れていくわけにはいかない。
「工藤君…やっぱり……!?何…」
コナンは灰原を麻酔銃で眠らせると、沖矢に任せる。
「コナン君。」
「灰原を頼むな博士。昴さんもね。」
「勿論。」
「気をつけてな。」
警視庁の船で、コナンはパシフィックブイに向かった。
ピンガは避難準備と、頼まれていた仕掛けを準備する。
(やり方が派手すぎるぞ!魚雷はやり過ぎ…23時だったな。だが、ジンのことだ。早めに魚雷を発射する可能性もある。)
部屋でパソコンを操作して、パシフィックブイのコントロールルームに仕掛けを施す。
「後は…」
残りの仕掛けを施すために、行動を開始した。
コナンはパシフィックブイに到着すると、高木に船で待ってもらい、行動を開始する。
(ピンガは仕掛けをしているはず。俺がやることは…)
コナンとピンガが暗躍している頃、灰原は目を覚まして、博士と沖矢にコナンがパシフィックブイに向かったと聞かされ…
(嫌な予感がする…)
灰原は携帯を取り出して、安室に電話を掛ける。
『どうしたんだい。』
「安室さん。嫌な予感がするの…」
『説明してくれるかい。』
灰原はコナンの行動を安室に教える。
『何だって!?近くに沖矢はいるか。』
灰原は沖矢に携帯を渡すと、安室から事情を聴いてた。
「わかりました……灰原さん。コナン君は私に任せてください。」
「お願い!工藤君を助けて…」
「行ってきます。」
沖矢は行動を開始した。