コナンが帰ってくると、灰原が無言で睨んでいる。相当怒っているようだ。
「工藤君。何で私を眠らせたのよ?」
「悪かったよ…灰原。だけど、組織の連中がいたから…灰原を連れていくわけには……いかなかったんだ。」
「だからってね…心配させないで!」
灰原は肩を震わせながら顔を下にする。コナンは灰原を抱き締めた。
「悪かった。」(灰原には勝てねえな…)
「事件は解決したの?」
「事件は発生してない…かな?断言できないが……」
「……無事に帰ってきたから、それでいいわ。部屋に戻るから……」
灰原が部屋に戻ると、携帯が鳴った。沖矢かららしい。
「昴さん、どうしたの?」
『コナン君…無事でしたか。』
「大丈夫だよ。昴さんは?」
『問題ありません。少々、黒い大きな獲物を狩りに行っていまして…逃げられてしまいましたが……』
「大きな獲物?」
『そんなことより、博士には明日戻ると、伝えてください。では………』
コナンは部屋に戻ると、博士がベッドで寝ていた。
(さて、老若認証システムは破壊したから、邪魔は消えた。15人だけどノックリストも作成できた。これをラムに送れば、今回の仕事は終わり。バーボンと沖矢昴は、ノックリスト作成が真の狙いだとは、気づかないだろう。)
部屋から出て、自答販売機で缶コーヒーを買って、ソファーに座る。
(バーボンはノックだけど、赤井秀一を始末したキールは、ノックじゃないのか?)
(バーボンはまだ、利用価値がある。表向き、工藤新一は探偵で、毒薬を飲まされた被害者であり、黒の組織を潰すために行動している筋書きだ。俺が組織のメンバーだと知ってるのは、ボス、ラム、ベルモット、そして…ピンガの4人だけ。)
缶コーヒーを飲み終えて、ゴミ箱に捨てる。
(組織に潜入しているノックが目障りだな。ラムに依頼して、キュラソーを動かすか?アイリッシュでもいいが…)
今後の計画を考えていると、ラムからメールが。
【今回の任務、御苦労。シェリーの監視を続けるように。】
【了解。】
携帯をポケットにしまうと、部屋に戻った。
パシフィックブイから脱出したピンガは、ベルモットと合流する。
「ピンガ。潜入任務、お疲れ様。」
「8年も潜入した意味があったかわからないな。」
「少なくとも、ピンガは今後も、インターポールに潜入してもらうと思うわよ。怪しまれていないんだもの。」
缶コーヒーを飲んでいるピンガは、笑みを浮かべる。
「ラムの命令なら、今後も聞くぜ。あの銀髪野郎の命令は勘弁だがな。」
「それは頼もしいわね。組織のために、働いてもらうわよ?」
「……勿論だ。」
「今日はゆっくり休みなさい。」
ピンガは帰っていった。
(さて、パシフィックブイの破壊は完了した。シェリーにも、何かお礼しないといけないわね?)
ベルモットはブローチを見ながら、笑みを浮かべた。