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深夜、警察庁の地下最深部に潜入しているキュラソーは、黒の組織に潜入している捜査員を調べていた。コードネーム持ち、末端構成員の顔写真と名前を見て、記憶していく。
(……警察庁では20人分しか、記録されていない。以外と少ないわね。)
キュラソーはデータベースの記憶を全て済ませると、地下最深部から出て、気配を消して警察庁から出て、車に乗り込む。
(ラムにメールしなくては…)
車を走らせながらラムにメールをしていると、それを追う1台の車があった。
(誰だ……バーボン!?)
安室は速度を上げて、キュラソーの車を追っていた。
(奴を捕まえないと、組織に潜入している捜査員が…)
キュラソーは安室の存在に驚いているが、出来る限りのメールを片手で打ち込み。もう片方は、ハンドルを操作して、安室の車を撒こうとしている。
(しつこいなあの男は…)
だが、キュラソーを追っているのは、安室だけではない。
キュラソーの車の反対斜線から沖矢が、速度を上げて追ってきていたのだ。
(あの男は誰だ?まさか、バーボンはノックか!?)
安室がノックだと漸く気づいて、メールを打ち込むが沖矢の車がぶつかってきて、思うようにメールが打てない。
沖矢の存在に驚いている安室は、狙いがキュラソーだと気づいた。
(奴の身柄はFBIには渡さない!)
逃げ場を失ったキュラソーは、車から降りて走って逃げるが、他の車に引かれそうになり、その場で倒れてしまった。
奇跡的に事故は発生しなかったが、沖矢と安室はキュラソーを見失ったようだ。
車から降りた安室は、沖矢を睨み付ける。邪魔されたことに怒っているようだ。
「何故、邪魔をした!?」
「今回ばかりは、協力できる案件では無いんでな。キュラソーの身柄をFBIに引き渡す。」
「何だと!?奴の身柄はFBIには渡さない!」
沖矢と安室は黒の組織を潰すために、協力関係を築いてきたが、今回は敵対同士となるようだ。
「……今、言い争っていても仕方ない。警察庁に戻って、体制を建て直す。奴を探さなくては。」
安室は車に乗り込むと、走っていった。
「キャメル。ジェイムズとジョディーを呼んで、例の場所に集合してくれ。」
携帯をしまうと、走っていった。
その頃、海外にいるジン、アイリッシュ、ウォッカの3人は、ラムからの命令を受けて、組織に潜入しているノックを追い詰めていた。
(早く逃げないと…)
組織に潜入していた女性捜査員は、息を切らしながらも、必死に逃げていた。
「アイリッシュ。反対から追い詰めろ。俺とウォッカは、奴の動きを止める。」
冷酷な笑みを浮かべているジンと拳銃を構えているウォッカ。だが、アイリッシュだけは、気に乗らないようだ。
「ジン。ラムからの命令を忘れたのか?組織に不利益を与えたノックだけを始末する命令を…」
「……忘れてはいない。だが、それを調べるのは後でも出来ることだ。」
(ジンの兄貴。ラムに叱られなきゃいいんですが…)
とりあえず3人は、逃げたノックを追い掛けることにした。
人気のない場所まで逃げるが、追い詰められてしまった。
「逃げ場が…」
「さて、追い詰めたぞ。」
拳銃を片手に笑みを浮かべているジンは、女性捜査員に質問する。
「スペンサー。お前はノックか?」
「私がノックだと!?ありえない…ジン何故私が疑われるんだ!?」
「まだ、わからないのか?」
(こうなったら…)
スペンサーが拳銃を取り出したと同時に、ジンがスペンサーの頭を狙って発砲した。
「ジン!?殺してどうするんだよ!命令を忘れてるじゃねえか!」
「ウォッカ。奴の携帯を探せ。」
ウォッカがスペンサーの懐にあった携帯を取り出して、調べ始める。少なからずだが、黒の組織に関する内部情報を見つけた。
「………ありましたぜ。組織の情報を他のノックに流していやした。」
「これはノックの証拠になる。ウォッカ、その携帯でノックを洗い出すぞ。アイリッシュも文句はないだろ?」
「わかった。次にいくぞ。」(気に入らねえがな…)
その場を立ち去った。