ピンガを回収したコナンは、組織のアジトに向かっている最中に説明した。
「あの裏切り者は、公安のノックだ!?」
「待機していたベルモットからの情報だよ。どうやら、組織の人間を捕まえて、情報を手に入れる算段だったみたいだよ。」
「始末できなかったな。それより、これからどうするんだ?」
ピンガが聞いてくるが、コナンはパソコンを操作している。ラムに提出する報告書を作成していた。
「どうするかな。当分は、ノック探しが中心になる。そろそろ、だと思うんだけどな。」
「何がだ…」
すると、組織用の携帯が鳴り響いた。ルシアンからのメールだ。内容は…
「《赤井秀一は生存している。沖矢昴に変装しているようです。連絡が、遅れて申し訳ありません。》」
「……赤井秀一は生きていたか。キールはノック確定だな。」
メールの内容に、ピンガが目を見開いている。
「キールがノック!?どうするんだよ?」
「生かすけど。」
「ノックを生かすのか?」
コナンの考えていることが、わからないのか。ピンガは疑問に思っている。
「俺の監視任務。監視対象の協力者が、バーボンと赤井秀一だ。キールを生かせば、敵の捜査情報が入手できる。殺すより、生かした方が組織にメリットがでかい。デメリットは、組織の内部情報が敵の手に渡ることかな………盗聴機に反応があった…」
耳にイヤホンをすると、会話の内容を聴く。
『奴等の情報は?』
『いや、取引任務に来ていたのは、若い女性だった。只の末端構成員だろ。』
盗聴機から聴こえる会話を聞いていると、安室の声が聞こえた。どうやら、この会議には安室が指揮をしていたらしい。
「バーボンだな。」
「何!?」
『末端構成員の女性が、取引任務に参加するとは思えない。ベルモットの変装の可能性がある。』
安室はピンガの変装をベルモットだと、思っているようだ。変装を施したのは、ベルモットだから半分正解だが。
『内部情報が手に入るまでは、俺だけで潜入する。解散!』
盗聴機の電源を切ると、会話の内容から、組織に潜入しているのは、安室だけのようだ。
「余り、情報が手に入らないな。」
「それより、盗聴機の回収しなくてもいいのか?」
「……別にいいよ。あれは使い捨てだから。ピンガはアジトに行けよ。」
「わかった。」
車から下りると、組織のアジトの1つであるビルに向かった。運転手がコナンに話し掛ける。
「バーボンとキールが、ノックであるなら報告すべきでは?赤井秀一も生存しているんですよね?」
「ラムには報告する。だが、今バーボンとキールを始末すれば、俺のやりたいことが出来なくなる。折角、敵組織の情報が手に入るんだ。利用しない手は無いだろ?」
コナンは冷酷な冷たい笑みを浮かべる。運転手は一瞬、硬直したような感じがしたが、冷静になり運転に集中する。
「さて、ラムに報告するか。」
バーボンの所属、キールがノックの可能性があることと、赤井秀一が生存していることをラムに報告する。
《ご苦労様でした。では、バーボン、赤井秀一の監視任務を命じます。キールに関しては、後日またメールにて…》
《了解。》
ホテルに到着すると、工藤優作に変装した黒羽盗一を発見した。車が見えなくなると、ホテルの裏手に回り、黒羽盗一の車に乗り込んで、ホテルから離れる。
「盗一さん、迎えに来てもらってすみません。」
「問題ありませんよ。私の命を狙っている組織が、コナン君が所属している黒の組織の傘下になっているなら、手を組まない理由は無い。」
「一応、黒の組織の傘下になっている組織の一部の資料です。」
コナンがUSBメモリーを盗一に渡した。
「確かに。それと…君の幼馴染みが、君の行方を探っている。」
「幼馴染み…誰なんですか?」
「毛利蘭と鈴木園子の2人だ。」
「…………知りませんよ。僕が、組織に入ったのは、小学4年の時なので…」
「そうか。君の仮拠点まで送ろう…」
盗一の車で、阿笠亭に帰った。