暗殺任務の当日の夕方。作業員に変装しているピンガと安室が、3階の館内を見回りしていると、怪盗キッド専門…中森銀三警部が警官達に指示を出していた。
「怪盗コルボーは来ないみたいだが、キッドは変更なしだ。館内にキッドがいる可能性がある。奴は変装が十八番だからな!」
警官達は館内の見回りを開始すると、中森は展示されている絵画の前で、見張りをするようだ。
「わしが絵画を見張っている限り、盗ませはせんぞ!」
「中森警部。呼ばれたのできました。」
「快斗君。急に呼んですまない。」
中森は黒羽快斗を博物館に呼んだようだ。今回のキッド対策のため、マジシャンである快斗の意見を聞きたいらしい。
「キッドが今回盗む絵画はこれですか?」
中森が立っている後ろの壁に、展示されている絵画、死神の戦慄に指を差す快斗に、中森は頷いた。
「そうだ。予告時間は夜19時だが、今のうちに警戒しておかないとだめだ。」
「警備は問題無いかもしれないですが、絵画はどの様な対策で?」
「館長の許可を得て、絵画に強化ガラスケースを嵌め込むのだが、更に指紋認証装置付きの透明な箱に入れられる。わしの指紋を認証しなければ、箱から絵画を取り出せない仕組みになっている。」
「指紋認証装置…防犯対策バッチリですね…中森警部。今は17時ですよ。何か食べないと…何か買ってきましょうか?」
快斗に言われた中森は、頼むことにした。1階にある更衣室に入ると、鍵を取り出してロッカーを開ける。
(さて、今回は名探偵が来てないから…素早く盗ませてもらうぜ。)
その頃、館内を見回りしているピンガは、時限装置を取り出すと、仕掛け始める。
(ジンの野郎、博物館に組織の情報が隠されていると言っても、爆弾で消すとか…ヤバすぎるだろ…)
時限装置を仕掛け終えたピンガは、ジンに無線で報告する。
「仕掛け終えたぞ。」
『よし、ピンガはバーボンと合流して、脱出しろ。まだ、ターゲットは博物館に戻ってない。キールにターゲットを殺らせる。ベルモットはタイミングを見計らい、時限装置を起動させろ。』
『了解よ…ジン。』
車内で、博物館の館内と外を監視しているジン、ウォッカは、ターゲットである館長が現れるのを待っている。
「奴はまだみたいだな。」
「怪盗キッドは夜19時に現れますぜ。爆弾の時刻は?」
「20時ジャストだ。ターゲットを始末出来なかった時のためにな。」
「私も準備させてもらうわね。」
キールは鞄を持って、博物館に向かっていった。館内の見回りをしている警官を怪しまれない程度に、監視している安室。ジンの指示を受けて、盗聴器を館内に仕掛けて、ピンガと合流する。
「バーボン、終わったか。」
「警官が多くて、危なかったですがね。」
「前日に仕掛ける予定が、狂ったからな。」
「そろそろ、脱出しましょう。」
ところが、想定外の事態が発生していた。警官の数人が館内の見回りをしている最中に、受付の女性の遺体が、博物館の地下室で発見されたのである。
絵画を見張っている中森にも、連絡が来た。
「……なんだと!?受付の女性が地下室で死んでいる。本当なのか……わかった。お前達はその場で待機していろ。残りの警官達は、全ての出入り口を封鎖しろ。」
警官達は中森の指示で、出入り口を封鎖するのだった。