美術館内で、警官の一人に変装している快斗は、殺人事件の発生で、怪盗キッドとして行動が出来ずにいた。
(これはヤバイぜ。どうするかな…名探偵がいれば、この事件解決できるのによ。毛利探偵でも大丈夫だが…)
館内に仕掛けている逃走経路を確認して、種を仕込んでいる快斗の近くに、何者かが近づいてきた。その人物は怪しげな笑みを浮かべるのだった。
目暮、小五郎、高木、佐藤は殺人事件の捜査をしている最中だった。だが、事件が難航している。その様子を見ている安室とピンガは、焦っていた。
「流石に、ヤバイ状況ですね。」
「なんとかしないと、ジンが荒れるぜ。」
最悪でも、安室とピンガはターゲットである館長を外に連れ出さなくてはならないが、殺人事件の発生で、簡単には外に出られないため、指示を待つしかない。
絵画である死神の戦慄を守っている中森は、腕時計を見ながら、警官達に警戒するように言った。
「まもなく予告時間だ!」
「中森警部…絵画の方をお願いします。」
「お任せください…館長。」(だが、この部屋に警官は多いからな。キッドが化けていたら、どうすることもできん。)
時間が19時になった瞬間。館内の照明が消えて真っ暗闇になると、中森は冷静に警官達にブレーカーを上げるように指示を出した。
「来るのか!?」
警戒するなかで、警官の1人が中森に近づいてきた。1枚のカードを提示して…そのカードはキッドカードだ。
「それは…貴様はまさか!?」
「申し訳ありませんが、既に絵画…死神の戦慄は盗ませていただきました。中森警部が守っているのは偽物です。」
「何を…」
警官の制服を脱ぎ捨てると、白のシルクハット、モノクル、白のスーツ姿の怪盗キッドが姿を現した。キッドの登場に周囲にいた警官が詰め寄るが、トランプ銃を中森に向けた。
「私を確保したければ、ご自由に…ですが、中森警官が怪我をしますが…」
キッドの言葉に、警官がその場で立ち止まり、近づくのをやめた。
「……どうしますか?中森警部。」
(殺人事件が発生している状態で、キッドを追い掛けるのは、流石に無理だな。この場では諦めるしかないのか。)
中森は警官に、館内の出入り口を絶対に開けるなと指示を出した。キッドはその考えに、中森を感心しつつ煙幕を発生させて、姿を消した。
(…………それにしてもあれは、キッドなのか?雰囲気がまるで、氷のように冷たかったが…)
煙幕の煙が晴れると、防弾ガラスにキッドカードが張られていて内容は【求めているものでは無かったので、盗むのは辞退いたします。】と、書かれていた。
すると、館長が電話をしていて、焦った表情で電話を終える。
「どうしたんですか?」
「私の友人が…病院に運ばれたようなんです。警部さん…病院にいかせてください!」
「……………わかりました。部下の1人に運転させます。」(館長は変装していないのは、確認していし、部下に変装しているキッドの手下がいないのも、確認した。大丈夫の筈だ…)
館長は中森の部下の1人の警官に、病院に行くように指示を出すと、館長は美術館を出ていった。