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ラムからの指令を出された安室は、赤井を博士の家に来るようにメールで伝えると、《わかった。先に向かってくれ》と、返信が来た。
(組織のノックリスト…ラムからの指令だが、罠じゃないよな。もし、これが罠なら俺とキールがノックだとバレる。)
博士の家に到着した安室は、買い物袋を片手に持っている昴の姿に、安心して声をかけた。
「昴さんも、阿笠さんの家に?」
「はい。カレーの材料を買ってきましたので、お昼に皆で…」
「それは楽しみです。」
コナンの部屋で、安室からの情報を共有する赤井とコナン。だが、コナンは考える振りをして、こう思っていた。
(安室さんから情報提供されるのは、想定内だな。問題なのは、俺が行動的な協力をしていいかだ。)
ラムからのメールを見ているコナンに、赤井が「何か思い付いたのか?」と、聞いている。
「思い付かないよ。情報が足りないし…」
携帯を安室に返すと「そうか。」と言って、携帯をしまう。赤井は殺害された幹部の顔写真を見ている。
「殺人事件の捜査資料が見れたら、阻止しやすいんだが。」
「いくら僕でも、それは無理だな。無理すれば可能かもしれないが。」
「風見さんに、頼めないかな?」
「風見は公安部の警官だから、捜査一課の捜査情報は、基本無理があるよ。例外がない限り…」
安室の言った通り、風見は公安部所属の警察官だ。基本、捜査一課の捜査情報を知るのは無理がある。例外がない限り…
「組織より先に、ノックリストを手に入れないと。」
「どうやって、情報を得るかだね。」(ヴェスパーに捜査情報を聞いておくか。ノックリストを破壊しないと、組織が壊滅する。持ち去った奴が破壊してくれたら、楽なんだけどな。)
コナンは安室、赤井と協力して捜査するのと、組織の作戦の指揮を同時進行で進めなければならない。
(これは大変だ。どうやって、作戦を進めるかな。)
警視庁にある会議室にて、捜査一課の黒田管理官をリーダーとして、他県から捜査員の数人が捜査本部に集結した。連続殺人事件が多発しているらしく、遺体の傍らに麻雀牌が残されているという。
捜査員の話を聞きながら、メモをしている高木は捜査会議が終了すると、メモをやめて捜査本部を出てトイレの個室に入り、組織用の携帯にメールが届いているかを確認した。
(ベルモットから?)
捜査本部の数人の刑事の中に、アイリッシュが変装して、送り込まれているのを知ったようだ。サポートを任されたらしい。
(僕がアイリッシュのサポート!?大胆なことをしたね…ベルモットは。ノックリストを破壊するためだからなんだけど。コナン君にも、情報を流さないとな。)
メールの確認を終えた高木。トイレから出ると丁度昼時なので、食堂で軽食を食べに行く。
(黒田管理官には、知られてないけど。何か早めに、行動しとかないとダメだな。)
食堂に到着するして、きつねうどんを注文して席に座る。その隣に風見が座ってきて、無言で昼食を食べている。数分で食べ終えると食堂を出ていった。
(満員だったし、仕方ないかな………メモ紙?)
高木の服の袖の中に、小さなメモが入っていた。
(何時入れたんですかね。)
メモ紙に書かれている内容を見て、小さく丸めると、ポケットに入れた。きつねうどんが来たので、食べながら表用の携帯を取り出すとメールを送った。
(昼食を食べたら、捜査に行きますか。)
高木はきつねうどんを食べ終えて、食堂を出ていった。
部屋でコナンは、推理小説を読書しながら作戦を進めていた。
(ベルモットとアイリッシュは潜入できたのかな?常にヴェスパーとルシアンに、警視庁内の監視を命じてたからなんとかなったな。黒田管理官にバレたら、一瞬で計画が崩れるからな。)
コナンは殺人事件に遭遇した時に、黒田に数回程会ったようで、顔を知られてしまっていた。
(あの黒田管理官は、相当ヤバイから油断できない。ルシアンとヴェスパーに警戒するように、言っておかないと…)
コナンはルシアンとヴェスパーにメールを送り、警戒するように命じたのだった。