家に帰ってきたコナンの目の前に、灰原がいて何やら機嫌が悪そうである。博士がいるので聞いてみるが「心配しておったぞ。機嫌が悪いのは…」そう言って、部屋に戻った。
「工藤君。何か私に、言わないといけないことあるわよね?」
「……………はい。」
コナンは観念して「ベルモットに情報を聞き出しました」と表向きのことを灰原に話した。猛烈に怒りに震えている灰原に怒られた。
「工藤君…危険なことはしないと、前に言ったわよね?何やってるのよ!?」
「はい…ごめんなさい。」
「安室さんから教えられなかったら、繰り返してたわね…工藤君。」
「安室さんから何を?」(まさか、ベルモットとの会話を聞かれてないだろうな…)
冷や汗をかいているコナンに、気づいていない灰原は「工藤君が、ベルモットに会ったのを目撃したそうよ。会話までは、聞いてないみたいね。」とコナンを睨んだ。
「……もう、無茶しません。」(バレなかったか?助かった…)
「はぁ…で、ベルモットから何を聞き出したわけ?」
連続殺人事件の合同捜査会議の中に、黒の組織メンバーであるコードネーム…アイリッシュが、紛れ込んでいることを灰原に話したコナン。
「なんですって!?それじゃあ…本物は?」
「ああ……監禁されている可能性がある。」
「組織は、ノックリストを探しているわよね?それを…手に入れれば…」
「組織を倒せる武器になる。」(まだ、組織を潰させないけどな。目的を果たすまでは……)
コナンは表向きでは、安室と赤井が所属しているFBIに協力する。それと同時進行で、黒の組織No.3…ブルーブラックとして、幹部メンバーに指示を出す。
(そろそろ、ジンとウォッカに指令を出すかな。警察の行動を妨害しないとな。)
その頃。アイリッシュは隠れ家にて、パソコンで警視庁のネットワークにハッキングして、指紋データを入手していた。
(………工藤新一は、ジンがあの薬で消したわけだが…合同捜査会議の最中に、佐藤が「推理力なら、同等の眼鏡の少年がいる」と言っていたな。…調べてみるか。もしかしたら…)
パソコンを閉じて、隠れ家を出ようとしたら携帯に着信が入った。ジンからの電話だ。
「どうした…ジン。」
『任務はどうなっている?』
「予定通り進んでいる。それと、ジンに質問するが、警視庁内で噂になっている高校生探偵、工藤新一を例の薬で、始末したのはお前だったな?」
『何が言いたいんだ……アイリッシュ?』
「工藤新一だよ。覚えてないか…ジン?」
暫く無言が続いたジンだったが、殺した相手を基本覚えていないジンは『それよりも、任務に集中しろと』と言って、電話が切れた。
(もし、工藤新一が生きていたならば…ジンを蹴落とせるな。)
帝丹高校の2年生の教室では、赤髪の少女…赤石愛梨が、クラスメートである世良と会話をしていた。
「世良さんは探偵目指してるの?」
「そうだよ。ある人を探してるんだ…」
少し哀しそうな笑みを浮かべている世良に、愛梨は気になったので「もしかして、彼氏さんとか?」と質問したら、「違うよ。」といった。
「違ったか。人気あるから、彼氏さんだと思ったんだけどな…」
「そうかな…」
世良は携帯を取り出すと教室から離れる。メールが来ていたようだ。愛梨は飴玉を取り出して、口に入れた。
「甘い…」(あの任務から…連絡がありませんね。立場が立場ですし…)
教科書とノートを鞄に入れながら、メールが来ていないか確認する。溜め息をして、空席となっているとある生徒の席を見つめる。
(まさか、工藤君が幼児化してるとは…誰も思わないよね。)
愛梨は鞄を持って、教室を出ていった。